中国建機需要復調で会社計画は過小か、ヤマシンフィルタ(6240)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6240】ヤマシンフィルタ(東証1部) --- 

現在値 510円/100株 PER35.0 PBR1.02 3月配当優待 9月配当優待

建設機械の油圧回路に用いるフィルターで世界首位。産業機器フィルターも。

配当は3末9末の2回・合計10円のため、配当利回りは1.96%となります。
ヤマシンフィルタは株主優待制度を実施しており、3月/9月の単元株主に対して
500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは3.92%です。

業績は下記の通りとなっております。
■2013年3月期 売上高 90億円、経常利益 ▲0.7億円 EPS ▲25円  
■2014年3月期 売上高 105億円、経常利益 7.0億円 EPS 33.1円 
■2015年3月期 売上高 107億円、経常利益 8.3億円 EPS 38.3円
■2016年3月期 売上高 94億円、経常利益 3.4億円 EPS 14.8円 
■2017年3月期 売上高 86億円、経常利益 2.8億円 EPS 14円 ce
□2016年6月1Q 売上高 23億円、経常利益 1.9億円 EPS 12.8円 (8/4)
□2016年9月中 売上高 46億円、経常利益 3.8億円 EPS 12.9円 四e

2016年3月期の売上高は前期比11.6%減の94億円、経常利益は同58%減の3.4億
円と減収減益となり、期初計画の達成どころか、期中に2度も減額修正すること
となりました。要因は中国経済の減速により、新車向けのライン品および稼動車
向けの補給品のそれぞれが落ち込んだため、産業用フィルタ・プロセス用フィルタ
の伸びではカバーし切れませんでした。

なお今2017年3月期通期の売上高は前期比8.3%減の86億円、経常利益は同18%
減の2.8億円を予想しています。前の期に続き中国の低迷を見込んでいるほか、
北米・日本市場も一服とみられるため、トップラインから凹む想定をしています。
ただこの予想の背景には前の期の2度の減額修正を受けかなり保守的に組んで
いる印象であり、事実8月4日に公表された1Qは対通期で見てもかなりの高進捗
をマークしているため、今期の会社計画線は十分に達成可能と思われます。

当社は2019年3月期を最終年度とする中計も公表しており、3年後に売上高94億
円、営業利益率6.5%(直近実績4.0億円、営業利益CAGR15%)を見込んでいます。
中国においては中国最大の総合建機メーカーである三一集団の子会社である
三一重機へ新車向けフィルタの供給を4月から開始しているほか、エイケン工業
(JQS.7265)と業務提携するなどの中長期的な手打ちが出来ていることもあり、
この中計に関しては、ある程度実現可能性のある数値計画と考えています。

また、今期は減収減益予想ながら、前の期と同じ通期10円配当を維持する予定
となっています。当社は財務状況もよく、有利子負債17億円に対して、37億円の
現金を抱えていますので、事業環境が悪くとも当面の株主還元に困らないほか、
MAにも打って出るだけの余裕があるので、上場2年目ながら設立60周年の老舗
企業としての「お手並み拝見」といった感じであります。


*参考記事① 2016-02-10  410円
中国大ブレーキで二度目の減額、ヤマシンフィルタ(6240)。

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