■TOBによるノバレーゼの非公開化について
標記のとおり、昨日ポラリス・キャピタルによるノバレーゼの非公開化を意図したTOBが発表されました。驚くべきことにTOBの買い付け価格は1,944円であり、昨日終値比で+145%もの大幅なプレミアムが乗りました。アドバイザーはレコフだったようですが、以下の方式でプライシングが検討されどうやらDCF法を軸として値段が決定されたようです。
■市場株価平均法 :798 円から 825 円
■類似会社比較法 :708 円から 1,675 円
■DCF法 :1,492 円から 2,217 円
当社はノバレーゼはT&Gやエスクリといった他の新興ブライダル同業者に比べて業績信頼度が高く、下方修正する際も減額幅が少ないことなどもあり、DCF法での「割引率」が低く算定されたと思われます。
ただこれだけではこの「上乗せ幅」を合理的に説明するのは難しいので、他の定性的要素が高く評価された可能性があります。バランスシートに乗らない当社の価値として代表的なのは、新卒採用での就職人気度の高さであり、ブライダル業界にしては比較的学歴が高く、モチベーションの高い人材(要は割安な給料でも辞めない)、が多いことなども、当社の持続的なCF創出力として評価された可能性がありそうです。
また、大阪の旧桜宮公会堂や旧逓信省である芦屋モノリス、金沢の前田家家老の迎賓館である辻家庭園など、公共的色彩の強いオリジナリティのあるゲストハウスを多く有していることも、他社と明確に差別化されている点です。改めて言うまでもありませんが、唯一無二の施設であり、相応の実績がないと開業できる施設ではありませんので、これらの建物賃貸借契約の価値が評価された可能性もあるように感じます。
色々つらつら書きましたが、これらの理由でもこれだけの高額なプレミアムを説明するのは難しく、ポラリスは随分思い切ったな・・・という印象です。こんなことがあると、たとえばエスクリあたりで「二匹目のどじょう」を狙う向きもあるかもしれませんが、エスクリは施設面も人材面も当社に大きく劣り、業績信頼度もボロボロなので、TOBがあっても、プレミアムは期待出来ないと思われます。
また見方を変えて、公共的施設に目を付けるのであれば、飲食のゼットンもありえますが、こちらは既にダイヤモンドダイニングがディスカウントTOBでツバを付けたばかりですので、相応のプレミアムが付くような非公開化は当面ないと思われます(※DD社の資金力も考慮する必要あります)
そんな訳で、今回のTOBはあくまで単発の特異事象としてとらえる方が良いかと思います。ホルダーの優待族の方はおめでとうございました。
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