株主激増で優待継続の意味が薄れる、MORESCO(5018)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【5018】MORESCO(東証1部) ---

現在値 1,084円/100株 PER6.5 PBR0.87 2月配当優待 8月配当優待

独立系の化学品メーカー。自動車向け特殊潤滑油、合成潤滑油など。
配当金は年2回合計で40円のため、配当利回りは約3.70%となります。

MORESCOは株主優待制度を導入しており、100株保有の2末8末株主
に対し、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回り
は約5.55%となります。

業績を確認していきます。
■2013年2月期 売上高 199億円、経常利益 11.6億円 EPS 77.7円   
■2014年2月期 売上高 237億円、経常利益 20.1億円 EPS 132.5円  
■2015年2月期 売上高 268億円、経常利益 27.6億円 EPS 169.5円  
■2016年2月期 売上高 262億円、経常利益 23.7億円 EPS 157.8円  
■2017年2月期 売上高 273億円、経常利益 25.0億円 EPS 165.5円 ce  
□2016年8月中 売上高 133億円、経常利益 12.0億円 EPS 77.5円 ce   

2016年2月期の売上高は前期比2.1%減の262億円、経常利益は同14.0%
減の23.7億円と減収減益となりました。当社は中間時点で通期見通し
を減額していましたが、それを更に下回る厳しい着地となりました。国内
のみならず海外でも自動車生産が減少したことで、主力の潤滑油など
の油剤が全般軟調だったため、好調なホットメルト接着剤の伸びだけ
では、減益分を埋めきれませんでした。

なお2017年2月期通期予想は売上高が3.9%増の273億円、経常利益が
同5.1%増の273億円と反転計画となっています。原材料となる原油安
がある程度効くものの、その分の値下げ圧力も相応のため、収支改善
は限定的です。ただし海外事業については天津に工場を開設した中国
が続伸する公算で、インドネシアではホットメルト接着剤の需要が伸び
ているため、今期は主にこの辺に期待していく形となります。

前期・今期の予想外の低迷により、2018年2月期を最終年度とする中計
もわずか1年で見直すハメになり、売上高を376→303億円(▲73億円)、
経常利益を38→29億円(▲9億円)へとそれぞれ減額修正しています。
中計の施策としては好調なホットメルト接着剤の拡大が第一であり、
それと両輪で世界シェア2%の鋳造油を2020年に3%まで向上させる計画
を立てています。シェア奪取のためあえて従来の黒鉛型を強化中です。

前期は事実上2度の下方修正となったため、足元で続いてきた増配も
ストップとなり、40円配を据置きましたが、今期が会社予想EPS165円
くらいで収まるとすれば増配余地があります。そこで意識されるのが
手厚い株主優待とのバランスであり、2,000名ちょっとしかいなかった
株主数が足元では7,000名超にまで膨らんでいることを考慮すると、
増配と優待改悪をセットでやる可能性が出てきたように思われます。

そもそも当社が株主優待を導入したのは、株主数が一部上場基準
を満たさずに二部落ち寸前だったことへの対策的な側面が強いため、
会社側としては優待を続けるインセンティヴは低いと思われます。
優待について全く言及のない会社側説明資料や株主通信、柄の
ないクオカード・・・どれを見てもそんな印象しか持ちません。

*参考記事① 2015-12-03 1,745円 ---
二部降格阻止のためにクオカ優待を導入、MORESCO(5018)。

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