【7921】宝印刷(東証１部) 投資判断 Outperform格上げ
現在値 1,255円／100株 PER23.1 PBR1.03 5月配当優待 11月配当
上場企業のディスクロージャー事業大手。ＩＲ支援も拡大。
配当金は5月11月の年2回合計50円のため、配当利回りは3.98%となります。
宝印刷は株主優待制度を導入しており、5月末の100株以上の株主に対し
1,500円分のカタログギフトを進呈しておりますので、配当優待利回り
は約5.17%となります。3年以上保有の場合は長期特典で2,000円相当の
ギフトにグレードアップしますので、この場合は約5.57%となります。
業績を確認していきます。
■2012年5月期 売上高 111億円、経常利益 6.4億円 EPS 21.4円
■2013年5月期 売上高 114億円、経常利益 8.2億円 EPS 39.5円
■2014年5月期 売上高 126億円、経常利益 14.6億円 EPS 74.5円
■2015年5月期 売上高 134億円、経常利益 10.2億円 EPS 50.1円
■2016年5月期 売上高 136億円、経常利益 11.0億円 EPS 56.3円 ce
□2015年11月中売上高 83.3億円、経常利益 13.4億円 EPS 70.1円 ce
2015年5月期の売上高は前期比6.5%増で134億円、経常利益は▲30%減
の10.2億円となりました。株式市況の好調により主力の金商法関連事業
が伸長したほか、会社法関連事業・IR関連事業など全てのセグメントで
前期を上回ったものの、新型EDINETへの対応費用が嵩んで利益面では
若干の計画未達となりました。
今2016年5月期の売上高は5.1%増の83.3億円、経常利益は7.2%増の11億円
を見込んでおります。堅調な株式市場とIPOの漸増、先述の新型EDINET
対応費用が一巡することで、主に利益面での改善が見込まれます。当社
が市場シェアの過半を握るIPO分野で複数の大型案件が観測されている
ため、上場後のランニング収入も含めて収益寄与が期待されます。
また標題にも記しましたが、旧村上ファンドの一派である丸山氏率いる
ストラテジックキャピタルが当社株を大量保有(約5%)していることもあり、
足元で急速な株主還元を進めています。前期末の配当金を14円→25円
に引き上げたほか、今期以降も通期50円配当を維持する意向を示して
いるため、今期ベースでの配当性向は実に90%近くとなります。
これら配当施策に加えて、本年3月には5億円の自社株買いを行ったため
前期の総還元性向は150%を超える水準となりました。今期は通期で増配
するため、自社株買いは減るかもしれませんが、同業のプロネクサスも
似た様な水準で株主還元を行っているので、多少は買うと思われます。
以上、投資判断はOutperformに格上げし、カバーを継続します。
成熟産業ながら、総還元性向100%近い水準はやはり魅力的です。
このタイミングで2017年5月期を終期とする中期経営計画をローリング
しており、再来期売上高140億円、営業利益12億円を見込んでいますが、
業績的にはヨコヨコ想定の中計となっています。
注目なのはROE目標水準8%を定めたことであり(前期末は4.3%)、のため
今後も継続的な自社株買いを行っていくシグナルとも取れます。勿論、
一番効くのはストラテジックにもっと買い増ししてもらって、継続的に
圧力をかけてもらうのが一番であることは言うまでもありません。
*参考記事 2015-02-19 912円 投資判断Inline
やっとこさ大型自社株買いを実施、宝印刷(7921)のレビュー。
*参考記事 2014-08-12 794円 投資判断Inlineでカバー開始
宝印刷(7921)から株主優待のカタログギフトがきました！
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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