2021年12月13日 伊藤正則 「遺言」配信トークショー | ミツのロックなライブレポート

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1980年代のHR/HMファンです。ライブハウスにも出没しています。
あくまでも個人的な感想をライブレポートしています。基本的にネタバレですので自己の責任においてご覧下さい。

伊藤正則さんのトークショー「遺言」@表参道GROUNDを配信で観てみましたー!

「伊藤正則の『遺言』オンラインスペシャル4」
メタルの重鎮である音楽評論家、伊藤正則さんと、メタル雑誌BURRN!編集長、広瀬さんによるトークショー。
オンラインでは今回で4回目だ。

いつものように仕事の都合から後日アーカイブで観させてもらった。

明るい話題としてボン・ジョヴィが再来年に来日するかも知れないと。
だが海外のバンドは日本でライブがもう出来ると勘違いしいる傾向にあると。
そうではない。実情は人数制限して感染対策をしながらも四苦八苦して国内バンドはやっている状況。観客が半分ならばギャラは半分でいいのか。海外のバンドはそうは考えていない。

そして、この状況の中、ツアーができなかったのだからワールドツアーのTシャツも存在しない。
その中で、ならば制作に時間をかけたこともあり、いいアルバムがたくさんリリースされた年と言える。
話題は今年のベストアルバムの話。
ライブを見ずしてベストアルバムを選定するのは難しいと。
アイアンメイデンのアルバムはすばらしかったが、こうしたライブバンドは、新曲をライブで見てそこで完成形であると。

伊藤正則さんはマネスキンがお気に入りらしい。SNSやサブスクから火が付いた点では最近の傾向でもあるが、予想外の展開であったと。

そして、伊藤正則さんの今年のベスト3は
ドリームシアター、アイアンメイデン、マネスキン。
メイデンが1位でない理由は、メイデンの楽曲はライブて完結する。そのライブを見ずして評価はできない。そこに行き着いたようだ。

対して広瀬さんはハロウィン、アイアンメイデンだったと。
メイデンは最初から最後まで完璧な出来だったと。
ハロウィンについてはデビュー前から知っていたそうだ。アルバムの内容含めて感動したと。
アーティストへのインタビューはこの昨今、ZOOMインタビューとなるが、画面越しだと全くその熱量を感じないと伊藤さん。
このようなインタビューを続けていてファンに届くのだろうかと不安になると。

マイケル・シェンカーは直前にZOOMの使い方がわからず電話インタビューになったことや、ジャック・ブレイズ(ナイトレンジヤー)は時間になっても全然来ないとか具体的なアクシデントを交えた話があった。
とにかく今年はいいアルバムがたくさん出た。しかし、その反面、CDが売れない、レコード販売店が撤退する、その中で大手も含めてレコード会社は漂流しているように見える。
過去のように一緒になってプロモーションかけて売っていこうとする気概も、もはや今のレコード会社には感じられない。

更にライブもない中で今年を総括しましょうと言われても難しいものがある。

コロナ後であるが、こうなったらもうライブに行かなくてもいいやという人がたくさんいるだろうということ。チケットセールスが伸び悩み興行も難しくなってくると。

もうCDは買わなくていいやという人がたくさん増えてセールスが伸び悩んでいる現実に更に追い討ちをかけると。

BURRN!の読者層、HR/HMファン層も高齢化している。

そうこうしているうちにお時間に。こうして90分のトークショーは終了した。
今年のベストアルバム、総括という話題であったようだがHR/HM音楽業界の危機感という話に終始した印象だった。

私も80年代の全盛期をリアルタイムで体験してきたファンの一人としては言っている意味もわかるし、今の状況も理解できる。

確かにファンは高齢かもしれないがどうかその火が絶えぬとこを願いたい。

■BURRN!誌の2月号で2021年のベストアルバムについて、音楽評論家、ライター等各人の詳細が記されていた。