viviの徒然読書感想文。 -4ページ目

viviの徒然読書感想文。

※勧誘とか怪しげな人のコメントはごめんなさい、削除します。

今までに読んだ本を、レビューのように感想を書いていきます。
気が向いたらコメント頂戴な。

あらすじというものはあえて書きません。

わたしの感じたままの、温度感を、伝えられたらいいかと。

自分の愛する人は、

なぜこんなに、人生に取り込まれたり
愛に連れて行かれたりするのだろう?


どうして、引き裂かれるのだろう?


それは自分が招いていることなのか?


自分の愛する男、兄の、幼い時の自殺が、
彼女の行く道を濁流へ飲み込む。


しあわせに辿りつきたいのに。


この道をまっすぐ行くことが幸せなのか?
それとも、河を渡って右岸の人へ届くことが幸せなのか?

彼女の人生の右岸には、常にその人が居続ける。


最初から、川よりも深い底の地面で繋がっている二人だから、
改めて結ばれることがない。


だけど、そのことに気づかない二人。

それを気づかせるのが、2枚のはがき。
またね、と。




「右岸」よりも、こっちの方が好きかな。
少々の期待はずれ感は否めなかったけど。

それぞれにそれぞれの人生にのめりこむ男女の物語だった。
あくまでも、人生という河をはさんだ、対岸にいる男と女のはなし。


幼い頃の大切な兄貴分、
そしてその兄貴を崇拝する妹。
愛する人。


神様が自分を選んで与えてしまった、能力。


美しい母。
義理人情のために人を殺めた、父。


そして彼のもちもの。


それらは、彼の人生を容易には運んでくれない。

一生をかけて心に居る人がいて、
しかしてどうやっても近くて遠くて。

彼は、彼の存在自身に一生を翻弄され、苦しめられ、愛する。


冷静と情熱のあいだ、みたいな話を期待してしまっていたので
趣が違うことに最期までついていけなかったかも。
私としては、対岸にいるんだけど、どうしたって遠くても近い、
心の底でつながったままの魂の繋がりというテーマを期待してた。
なのでちょっと消化不良。

母親、娘、異父妹の生活と

日常。

起伏。

淡々と描かれる、日々。


特に大きなドラマではないけど
人それぞれにそれぞれの事情と、想いと、愛がある。


一陣の風みたいな話。

タイトルだけで、怖い本だと思ってました、ごめんなさい。


誰が悪かったわけでもなくて、
少しだけ、歯車がずれていたのが
だんだん大きくなってしまって、
ある日歯車が外れてしまうことが、ある。


歯車を直しに来た人たちが、集まる、場所。


皆が、
自分のことを悪くないと思いたがり、
そしてこの世の何よりも自分が悪いと思っている。


外れた歯車の暴走を、止められない人もいる。


憎しみや悲しみの連鎖を止めるために、
殺人を犯すことは、
有効か、不幸か。


だけど、一番の罪は、
自分を責め続けて自分を殺すこと。
でも、そうしないと自分の決着をつけられない人もいる。


悲しくて、温かくて、息がつまる、
非現実的なリアルでした。

金城さんが遊ばせる人々たちは、
どうしても、愛さずにはいられない。


どうしてみんなこんなに、
まっすぐで、不器用で、ばかで、かっこいいんだろう。


抱きしめたくなるほど愛しくなる。


自分を愛してくれる人は必ず死んでしまうという友人、
自分の代わりに仇を殺してやるという同級生、
別れても、死をしてもなおお互いに愛を捧げ続けるパートナー。


どうしたって取り戻せないものが誰にでもあって、
だけど前を向いていかなくちゃいけなくて、
前を向く前に、もう一度だけ、思いっきり後ろを振り向かせて。

自分でも、自分のことをはかりきれていない不感症の女。

幼いころに経験した近親相姦が、彼女のこころとからだを或る場所に縛り付けている。


彼女は、本当にそれを克服して婚約者と幸せになりたいのか?
それとも、そのことをだしに自分という女に男を挑戦させたいだけなのか?
それとも、兄ともう一度出会って繫がりたいのか。


精神科医だけではなく、
彼女自身が、自分の精神を把握できていないほどの、
感情の起伏、症状、興奮、虚言、妄想。

それのどれもが真実であり、嘘である。

感情の小部屋は、ひとりの人間に無数に存在し、
正反対の感情が混在しようと、その人が嘘を吐いているわけではない。


そして、理性は、本能にひれ伏す。

いや、本能というより、音楽というべきか。


でもなんだか、
こんな話だけど、ミシマはお遊びで書いたような、そんな気がしてならない。
どうしてだろうか。

この世でとくに下賤とみられる生業に身を置く、

この世でとくに美しい女の、

痛いほどに気高く美しい愛の賛歌。



それが自分を破滅に追い込むだけと知りながら、

台風のような享楽の毎日を送って自らを痛めつける椿姫。


彼女を愛することが、

自分の存在を危うくしていることに、気づいていて知らないふりをする青年。


あまりにも有名である物語にて、粗筋をなぞる必要もないと思われるが、

この作品のどの部分が傑作と言われる所以たるのか。


それは私のような素人には計りかねるが、


愛するあまり、自分本位の言動しかできない、真面目な生き方の青年と、

愛するあまり、自分を犠牲にする、不真面目な生き方の女の、

すれ違う愛の対比。


これが素晴らしいと思う。


青年の、自分自身でも自覚している、自分勝手で、独りよがりで、弱い部分の描写がすごい。


愛する人のために、

自分の最期を惨めにするほどの椿姫の愛。

因果応報の芸術。


「告白」ほどの凄さではないけれど、

思春期の女子高生たちの友情、嫉妬、悪意、愛、誤解と和解が入り乱れる。


汚くて酷で非道いことを考える同じ心で、
人への慈しみ、心配り、愛情、を生成する。

一見、一緒にいるだけで、お互いを疎んじているように見える二人には、
二人にしかないドラマ、秘密、そして心臓をどきどきさせるような温かい血潮がある。

因果応報をモチーフにして、伏線を拾ってゆく…その物語の進み方は、あくまでスパイスにすぎない。

ヨルの綱渡りを終わらせたい由紀。
由紀の手をとって風のように走る敦子。

でも、
ドロドロの汚さと常に隣り合わせの、よくあるかもしれない、友情。

最後の最後で、爽やかな気分をぶち壊しにしてくれる。

けどそこがいい。
人が、
いま、わたしはこの事をこう考えている、と
意識していない、無意識の産物すら、
聞こえてしまう人がいたら。


世の中が、欲望に押し潰された雑音にしか聞こえないかもしれない。

あなたならその力をどうする?

一切耳を塞ぐよう努力する?

それとも何かしなくちゃと奔走する?

聞こえてしまっても、恐ろしい結末を迎えることがわかっていても、自分にはなにもできない現実と、絶望と、どう向き合う?

その苦しみを抱えた人間の存在を、あなたが知ってしまったら?

残酷な現実と、限りない優しさの溢れた物語。

息もつかずに読んだ。
面白かった。
みずみずしくて、光が射し込んで、輝く大気に包まれた愛情の物語。


体にしみこむような緑と、水と、空と、空気と、太陽のもとで、育まれた家族の愛。


大切な友達や、大切な家族を守るため、
大切な生き物たちを守るために戦うことを選ぶけど、

その戦い方にすら、愛と、ユーモアが散りばめられて。

少し、ラピュタに似ているかもしれない!笑


いつまでも色褪せないきらきらしたお話だと思います。


ぜひ、映像で見たいかも。