夜更けの静けさの中、隣の部屋から微かに響いてくる生活音が、
妙に耳に残ってしまう夜ってありませんか。
誰かが訪ねてきているようで、数時間前までは
話し声のようだったのが、この深夜に聞こえてくる声は、
男女の交わりの中で聞かれるような、艶っぽさがある声・・・
そんな音をぼんやり聞きながら、ふと自分の部屋の小ささを思い知るのです。
手取りの少ないお給料でのやりくりは決して楽ではありませんが、
ベランダの植物たちに朝の水をあげる時間だけは、
私にとって何物にも代えがたい豊かなひとときです。
限られた予算の中で、お気に入りの革の小物やレースのカーテンを
少しずつ揃えてきたこのお部屋は、世間から見れば質素そのものかもしれません。
それでも、自分なりの美意識とささやかなこだわりを忘れずに暮らしているつもりです。
ふと、こんな静かな夜の暗がりの中で、心から頼れるたった一人の「ご主人様」に
そっと背中を預けられたなら、どんなに安心できるだろうと想像してしまいます。
決して華やかではない、けれど懸命に生きる私の日常。

