抑えきれぬ思い | 物書きの大脳辺縁系~ライター・白土勉のブログ

物書きの大脳辺縁系~ライター・白土勉のブログ

【大脳辺縁系】脳の中で、感情や記憶、本能行動を司る中枢となる部分。
 サラリーマンから転身した脚本家、白土勉の感情(日々思うことや気になるニュース)や記憶(今までの仕事や経験談)、本能行動(執筆に関するあれこれ)などを書こうと思います。

ああ……雪山に行きたい……ゲレンデが恋しい……。

毎年、この時期になると、そんな思いに駆られます。特に、今日のように
肌が痛いと感じるほどの寒さを覚えると、その思いは抑えきれません。

数年前までは、一年に二、三回はゲレンデに行っておりました。更に前、
会社に勤めていた頃は、年に十回も行っていた時さえありました。

私は、筋金入りの運動音痴です。中高時代、体育の授業で得意だった
のはバレーボール。よく顔面ブロックしていました。

サッカーは、地面に置かれたボールを蹴るのでさえ、当たる確率は年末
ジャンボの一等前後賞当選確率の方が遥かに上。

野球に至っては、まぐれで当たったはいいものの、一瞬、頭が真っ白に
なり、三塁に向けてまっしぐらに全力疾走した男です。

そんな私が唯一、人並みに出来るスポーツが、スキーなのです。

ああ、ゲレンデが呼んでいる……。

ふと昨年夏に見た、ある映画が脳裏をよぎりました。節電で冷房を極力
使わないようにしていたので、少しでも涼める映画がいいと思いまして、
ゲレンデを舞台にした映画を見たのです。

『フローズン』。タイトルからして涼しそうです。ワンシチュエーションもの
スリラーで、一言で言うと、ゲレンデに来て浮かれた少しお馬鹿な若者
たちが、身勝手なことをし過ぎた挙句、エラい目に遭うという物語。

本当に一言で言えてしまいますね。けど、潔いほど、それだけなんです。
何の捻りもありません。

ネタバレをしたくない私としては、詳細は語りませんが、感想を一言。
「ゲレンデ怖ぇ~」
面白いと思うかどうかは人にもよりますので、そういう紹介の仕方はしま
せんが、今までにあまりなかった映画だとは思います。この作品では、
ゲレンデに取り残された若者を襲う、ある恐怖の仕掛けが施されている
のですが、その仕掛けが私的にはツボであり、異様に怖く感じたのです。

まぁ、恐らく日本のゲレンデでは起こり得ない話だと思います。その恐怖
の仕掛けが存在しないですから。けれども、見えない影に怯えたり、あり
もしない物を恐れるというのが、恐怖という感情の本質でもありますので、
きっと草津や苗場で滑っている時でも、この作品を思い出すことでしょう。
勿論、何も起きないのは分かっていますが。

それにしても、アメリカのB級映画はワンシチュエーションものが好きです
ね。「SAW」にしても「パラノーマル・アクティビティ」にしても、よく一つの
舞台で話がもつなと感心させられます。勿論、予算がないからこそ、そこ
だけで話を終わらせなければならないのでしょうし、本作でもストーリー
を創るのに四苦八苦したであろう痕跡が、そこかしこに見られます。

その点、これはスペイン映画ですが、先日レビューを書いた「[リミット]」は
よく出来ています。非常にストーリーが練られていて、思わぬ方向に話が
展開しつつも、全体としてはシンプルで力強いという映画です。

何はともあれ、本作も映像を創る人間として、一つの参考になる作品では
あります(この辺りの言い回しに、私がこの作品をどう思ったのかが滲み
出てしまっておりますが)。低予算で面白い作品をいかに作るかが、この
時代にメジャーではない環境で映像を創る人間に課せられた課題です。
今年は、この課題をとことん追求し、斬新な作品を生み出したいと思って
おります。

その為には、今年もスキーを我慢して執筆に励まなければ。

とりあえず、また“ゲレンデ行きたい病”が発症したら、「フローズン」を観て
気持ちを抑えようと思います( ̄- ̄*

『フローズン』
監督  アダム・グリーン
出演  ケビン・ゼガーズ ショーン・アシュモア エマ・ベル




人気ブログランキングへ