「堤焼」の小甕を補修しました。
こんな雑器を金接ぎする人は、あまり居ないかもしれません。
でも「堤焼」は、江戸中期から続く宮城を代表する焼物で、小さい甕は珍しいのです。
柳 宗悦は、「堤焼の力強さは他の窯に見られないものであり、特に鉄釉になまこ釉が流れ出たものは、変化に富んで見ごたえがある」と評価しています。
この前見事な「堤焼」の大甕が二つ、廃品回収に出されているのを見かけました。
確かに今の生活では無用なものながら、その価値を分かっていたのかどうか。
でも、物の価値は人それぞれですから、それも仕方の無い事かもしれません。
私が知人から頂いた大甕も、まだ充分に使えるものです。
東北の器らしく凍み割れぬよう分厚く丈夫に作られていますが、縁に小さな欠けがありました。
でも、それは長年使われた日用雑器の証なのです。
「堤焼」の甕などは人気が無いものの、もう同じようなものは作ることが出来ませんから、後世に大切に伝えていかなければなりません。
そう思って、集めた「堤焼」はもう十数個に成りました。
ただ、小さなものなら良いのですが、甕などは思いのほか場所を取ります。
この大甕のなまこ釉と窯変で生じた景色は、ずっと眺めていても飽きが来ないものですが、高さ80㎝幅50㎝も有りますから、そうすると、庭か畑にでも伏せておくしか有りません。



























