ピア(peer);(年齢・地位・能力などが)同等の者、同僚、同輩、仲間
説明から入りましたが、利用者さん同士でこんな会話が。
自分が食器を洗っているときに、ある利用者さんが別の利用者さんに相談をすることに。
内容は薬の使用期限がどれくらいなのかということ。でも話はそこで終わらず、そのあとのことも。病院に行った方がいいのか、もし薬をもらえなかったらどうしたらいいのか、自分の気持ちをうまく伝えられない・・・最後には自分は入院した方がいいのだろうか、など。
利用者さんと距離が離れていたので、初めのうちは聞き耳を立てていた自分。
で、話の内容がディープになり始めたころに、利用者さんの近くに行くことに。ただこの段階では介入はしないで、見守っている自分。しばらく成り行きを見ていました。
すると相談を受けていた利用者さんが、自分にアイコンタクト。
その段階で自分も話に入ることに。でも積極的に介入することはせずに、あくまで利用者さん同士の流れを見守りながら、要所要所でさりげなく助言をした自分。利用者さん同士の相談は長くなりましたが、無事に話がまとまり、相談した利用者さんは「相談できてよかったです」と納得できることに。
その後相談を受けた利用者さんには、自分がフォローアップ。
これ、ピアカウンセリングとまでは言えないものの、1つのピアサポートの形だったと思います。フォローアップは相談を受けた利用者さんもいろんな感情を持ち越さないように、対応の方法が良かったことや、もしうまくいかない時や自分で無理だなと思った時の対応についても助言。相談を受けた利用者さんは、環境的に人がいなかったことや、自分(職員)が近くにいるから安心して話をすることができたとのこと。
相談は対職員になることがほとんどですが、利用者さん同士の相談も1つの形。
専門的なことは当然対応することができるけど、利用者さん同士でなければ成り立たない話もあります。例えば病気のこと。自分はたまたま精神疾患を患っているけど、普通の職員は病気や障害を持っていることはあまりありません。そうなった時、病気や障害を持っていない職員の言葉よりも、自分と同じ境遇である利用者さんの言葉の方が重みを増すことがあります。基本的に職員は当事者ではない(当事者職員や当事者相談員は別になりますが)ので、障害のことを100%理解しているとまでは言い切れないと思います。しかし同じ利用者さん同士であれば、ここにきている目的や治療を受けている過程はもちろん、同じ目線・同じ立場で話をしているので、時には職員の話より説得力のある話ができるとも言えます。どんなに勉強をしても、どんなに経験を積んでも、当事者の話に勝るものはありません。だって、それは生の声だから。
ただ、トレーニングを受けていない人が抱えてしまうのは、相談を受けた側の負担も大きいので、そこに自分が介入してサポートをしました。でもよく話を聞いて対応していたと思いました。相談を受けていた利用者さんも、過去は色々と大変な様子だったことをケース資料から知っていたので、その背景を持ちながら自分の経験をもとに話せることは利用者さんにとっても成長の1つであり、そこは大きく評価しました。あと、自分で抱えきれなくなった時に逃げることの必要性も話をしました。これは以前の職場でピアカウンセラーの人に「逃げることも大事な技術」と教えてもらったので、そのことも話しました。
今までの職場でこういう光景はなかったので、なんか貴重なものを見た気がします。
自分の力が及ばないところがあることを実感したのと合わせて、ピアの力の大きさも実感した1コマでした。