今日は関係機関へ連絡することの多かった1日。
計画相談をやっていれば当然のことなのですが、計画相談の担当ではない利用者さんの件で今日は1日動いた感が大きいです。
朝出勤すると既に同僚が電話口で対応。
最初は利用者さんを相手に対応している様子だったが、途中で対応の様子が変化。違和感を感じたため、電話横でディスプレイに表示された電話番号を確認。利用者さんを特定して、様子の変化を理解しました。
何が起きていたのか。最初は利用者さんと話していたけど、途中から義兄に。
この義兄、かなり個性的な方で・・・いや個性的といえばなんか穏やかに聞こえますが、実際は「厄介」な方で、対応に苦慮する人。世間の常識が通用しない方で、傍から聞いているとおかしいことも「自分の常識は世界の常識」と考えるような人。そんな人からの電話を対応していました。
で、何が話されたかと言うと・・・利用者さんの入院。
正直普通に見ていいて精神症状の悪化など感じるところは一切ありませんでした。そんな義兄が利用者さんを入院させる理由は、お金の乱費と頑固。それと、認知症。
認知症・・・何だって?
申し訳ないけど、接していて認知症なんて微塵も感じません。確かに物事の了解の悪さは感じますが、普通に意思疎通はできますし、話も通じます。うちの父親も認知症ですが、利用者さんはどう考えても認知症とは思えません。仮に軽度の認知症だったとしても入院適応となるような状態とは思えません。
乱費に関しても、多少のギャンブルはやっていると思います。
ただ、今の生活を破綻させるような他者に対する迷惑をかけるような程ではないと思います。まぁ累積で考えたらそれは何とも言えませんが・・・それでも「現状」で判断をするのであれば入院させてまでと言う話ではないと思います。
専門職から見て、入院は適切とは思われません。
しかし義兄の理屈では、入院して何とかすると言うもの。当然ながら本人は同意していませんが、家族が同意するので入院は可能。これがいわゆる「医療保護入院」と言うものです。
精神科の入院は基本は「任意入院」です。
読んで字の如くであり、本人が入院に同意した上で治療するものです。任意なので、本人が退院したいといえば退院することができます。しかし中には明らかに精神障害が出ており治療が必要なものもあります。そのような場合に本人の同意を取るのは難しい場合があります。そのような場合は「医療保護入院」と言う形がとられ、本人の同意がなくても家族の同意があれば入院させることができます。
そして精神障害があるために自傷他害の恐れがある場合、「措置入院」となることも。
措置入院の場合は2人の精神保健指定医が「入院が必要」と判断した場合、都道府県知事の命令により強制的に入院させることができます。当然ながら人権に関わってくることですので、その流れや判断は法律に従って厳格に行われるものであります。
昨今精神科医療で問題になっているのは「医療保護入院」です。
国では医療保護入院の廃止も議論されていますが、一部からは廃止に反対する声もあり、議論は今も続いています。本当に必要な状況で運用されることを考えれば大事な制度でありますが、一部では不適切な医療保護入院が行われているとの声もあります。
今回のことも、不適切な医療保護入院にあたる可能性が非常に高いです。
本人の意向は関係なく、関係者(特に家族)が恣意的に入院の方向に持っていってしまうと、障害を持った人の権利が侵害されてしまいます。少なくとも、今回の入院は何が決定的な入院理由なのかがはっきりしていません。仮に認知症だったとした場合、認知症を診断するための手続きを踏んでいるのか。生理学検査・心理検査がされた上で判断されたのか、その部分が非常に不透明です。
とはいえ、じゃ自分達に何ができるのか・・・
悔しいながら、手を出せないのが現状です。明確な事実の積み上げがないと踏み込めません。仮にも「私的」な部分に介入するには明確に権利の侵害がされていることを証明することができなければ入りにくいです。障害者虐待から切り込もうとした場合も、具体的かつ客観的に虐待の事実が証明できなければ切り込めません。少なくとも今回の場合、仮に不十分・不適切なところがあったとしても医療の判断を受けた上でのことなので、切り込むのが難しい状態でもあります。(警察の「民事不介入」に近いところがありますね。)
この件については、もちろん役所にも報告しています。
この利用者さんがうち以外に通所している事業所にも連絡。その事業所の所長さんも「おかしいよね。どうにかならないかなぁ・・・」と。本当にどうすればいいのでしょうか。非常に難しい問題です。

