ようやく東京都から就労継続支援施設の令和3年度の平均工賃が公表されました。
平均工賃は年度はじめに必ず東京都に報告すべき事項。特に就労継続支援B型では平均工賃によって報酬が変わってくるので、4月頭の段階ではほとんどの施設で算出されているものです。
その結果がようやく今になって・・・遅い。
遅くても6月ごろまでには全ての施設から平均工賃の情報が揃っているのだから、そこから公表までは令和4年のうちにはできるもの・・・と思っていましたが、それが今頃の公表になるなんて、ちょっと遅いですよね。
まぁその辺の話は横に置いといて・・・
令和3年度の東京都就労継続支援B型施設における平均月額工賃額は15,563円。去年より少し下がっています。いろんな影響があると思います。平均工賃が10万円を超える事業所も今年度はありませんでした。
これに対し、うちの事業所は平均工賃が1万円にも届きません。
まぁその理由はなんとなくわかります。作業に参加しない利用者さんも利用者さんとして受け入れており、また月の作業工賃額が1000円に満たない人、数百円の人にも工賃を支払っているので、当然ながら平均工賃の額が引き下がることになります。それがなければもう少し月額平均工賃は上がるとおもいますが、工賃は作業対価として支払わなければいけないので、たとえ数百円でも支払わなければいけません。
ただうちの事業所だけの問題なのかというと・・・そうでもないような気が。
東京都が出している平均工賃は、全ての事業所の平均工賃。なので平均工賃の額が本当の平均値であるのかは、吟味の必要があると思っています。
個人的には障害種別によって平均工賃は違ってくると思っています。
事実、令和2年度の東京都が公表した平均工賃を分析したところ、知的障害だけを対象にした就労継続支援B型事業所に比べ、精神障害だけを対象にした就労継続支援B型事業所の方が約7000円近く平均工賃が低いことがわかりました。また精神障害だけを対象した事業所に限っていえば、平均工賃額が1万円に満たない事業所は49%もありました。
複数の障害種別を対象にした事業所でも、知的障害を受け入れている事業所の方が受け入れていない事業所に比べ平均工賃が高くなることも令和2年度の平均工賃を分析してわかっています。なので単純に平均工賃を見るだけでなく、その内訳をしっかりと分析していく必要があると思います。東京都が公表しているのは事業所名と平均工賃額だけなので、もう少し詳しく見ないと平均工賃の影に隠れたものが見えないと思います。
そんなわけで昨日からデータの整理をしている真っ最中ですが、その中で少し気になっていることもあります。それは「精神障害だけを受け入れている事業所の工賃アップ」ということ。
令和2年度の工賃分析の中で「精神だけの事業所は工賃が低い」と感じていた自分。
ただ一方で令和3年度のデータを整理している中で、精神だけの事業所でありながら、前年度より平均工賃を上げることができてる事業所がちらほらを見受けられます。率直に自分の中では「どうやって上げているんだろう」と感じています。
うちの事業所でも「平均工賃1万円」を目指して活動をしています。
しかし現状はなかなかそれを達成することができず、5年以上1万円の壁を突破できない状態にあります。先に述べたように平均工賃が低くなってしまう原因があることも把握はしていますが、果たしてその原因が取り除かれただけで「平均工賃1万円」が達成できるのかは、ちょっと疑問に感じている部分もあります。
となると、他の事業所がどうやって平均工賃アップを果たしたのかが知りたい。
一概にうちの事業所と比較できるものではないことはわかっているけど、でも同じ「精神障害」の人だけを対象にした事業所としてどう言った方法でそれを実現していったのか、工賃アップを目指している事業所としては、そのノウハウを知りたいです。
早い話、うちの事業所にとって工賃アップに足りないものは何なのか。
もちろんうちの事業所も古くからの歴史があり、法人としての理念を持ちながらうちの事業所の利用を希望する人は可能な限り受け入れてきました。中にはなかなか作業に結びつきにくい方でも、分け隔てなく受け入れてきました。
一方でいかに事業収入(報酬)を得ていくかも課題。
平均工賃1万円というのは、報酬を受け取るためにも大きな境目になるもの。1万円を超えるか超えないかで、報酬はだいぶ変わってきます。そう言った意味でも1万円の壁は越えたいのが本音です。
だからこそ、それを達成できている事業所にノウハウを聞きたい。
教えてもらったノウハウの全てが実現できなくでも、できそうなところがあれば取り入れていきたい、工賃分析をしていてそんな思いが芽生えています。自分の中で「(工賃アップは)難しいなぁ・・・」と常日頃思っていましたが、分析している中で「まだ、甘ったれている?」なんて気持ちを感じたのも事実。
正直、自分自身やることはたくさんあります。
そもそも計画相談担当(相談支援専門員)なので計画が1番なのですが、それでも事業の主体は就労継続支援B型なので、その事業を無視することはできません。自分のことだけじゃなく、法人全体を見なければいけない立場なので「やることいっぱい」なんて言ってられないですね。
まぁ、自分の体のことが最重要であることは言うまでもないことですが・・・
工賃分析はまだ始まったばかり。
もう少し分析を続けていくと新たなことが見えて来るかもしれません。ただ工賃アップはやっぱり必要と感じている自分です。



