一時期、相談支援専門員の受け持ち人数がすごいことになっていました。
相談支援を始めた最初の時は、自分一人の担当数がピーク時に80人に達したことがありました。他の事業所では100人を受け持っていて、さもそのことを自慢している人がいましたが・・・いや、それって別に自慢できることじゃないですよ。
今でこそ現状では20名に抑えらえれていますが・・・正直、限界はこれくらい。
ちゃんと丁寧な支援をしようと思ったら、そんなに人数を抱えることはできません。一応の目安として「35人」と言う数字があるので、理屈だけではあと15人は受けられることになります。
でも実際にあと15人受けられるか・・・自分の答えは、No。
理屈はできますが、本当に受け持ってしまったら今の支援が維持できません。あと自分の事業所が「就労継続支援B型」の併設事業所というのもあります。相談支援だけでなく、実際の作業支援もしていますし、それ以外の業務も行っています。それらの業務がすべてなくなれば15人という数の可能性が出てきますが、それは現実的ではありません。だから、そんなには受け入れられないというわけです。
とはいえ、できるだけ断らない支援を目指すのも自分。
必要性のあると感じる内容であれば、なんとかして受けられる方向性を見出すこともしていきます。しかしここ最近感じるのは、果たしてうちで受けるのが適切なのかということ。
こんな小さな事業所でも、よく相談支援の依頼があります。
一応うちの受けられる条件であるかどうかを確認しますが、話として上がってくるのは他の市からの相談依頼。単純にそれだけの理由であれば「住んでいる自治体の相談支援事業所にお願いしてほしい」と話していますが、決まり文句のように返ってくる言葉は「どこの事業所もいっぱいだと断られた」という声。
現実問題として・・・それは事実なのでしょうね。
実際、自分が働いている自治体も相談支援事業所が4つしかありませんが、どこの事業所もいっぱいの状態。市から相談支援の委託を受けている事業所すら、新規の対応はできないと断っている状態。そんな現状も知っているので、うちの事業所のある市民や関係者からの相談であれば無碍な対応はせず、検討しています。
しかし縁もゆかりもない場合は、やはり色良い返事はできません。
当たり前のことですが、住んでいる場所で支援を受けた方が何かあったときの対応はしやすいはず。仮に自分が受けたとしても、支援先が遠ければ即応支援はできません。
自分が考える相談支援のあり方の1つが、即応支援。
何か困ったことがあれば、対応できる範囲で対応していく。それを実現するためには、自分が動ける範囲の中での支援を行っていくこと。機動的な支援を心掛けているので、物理的に距離のある支援は正直かなり大変な支援になります。
それであれば、やはり地元の近いところでの支援が望ましいはず。
だから相談の内容によっては断らざるをえません。でも・・・それでも粘られることもあります。そういう時には一度は「ちょっと検討させてください」と話すものの、最終的には施設長と相談して「やっぱり、無理かな・・・」という結論に。
他市からの相談は今の職場に限った話ではありません。
本来的な話で言えば、自分の自治体の利用者さんは自分たちで相談支援を充足させていくのが筋だと思います。でも実際のところは相談支援事業所の不足や相談支援専門員の不足により充足できない状態なのだと思います。自分の働いている自治体でも、相談支援事業所の数も相談支援専門員の人数も足りない状態。だから当然ながら、うちの自治体の利用者さんの中には他市で支援を受けている人もいると思います。
当然ながら「やむに止まれない理由」もあると思います。
よくある例が、東京都に住んでいた人がが北海道の施設に入所しているということ。障害福祉サービスを利用するための受給者証は東京都の市町村から発行されるので、本来的なら受給者証を発行した市町村が相談支援を担当するのが筋ですが・・・現実はそういうわけにはいきませんよね。だからそういう理由であれば、柔軟に対応していくことも必要だと思います。
とはいえ、すべてがこんな例ではありません。
だからできるだけ自分達で社会資源を整備していく必要がありますが、現実はそうではないのでしょうね。自治体によっては計画相談支援を重視せず、計画相談がなくても支給する自治体があるから、いつまで経っても相談支援事業所が増えないこともあると思います。
誤解のないようにしたいのですが、「セルフプラン」が悪いわけではありません。
自分で目指していきたいことが明確になっていて、自分でやっていきたいという確固たる意志があるのであれば、セルフプランで利用したいサービスを選んで進めていくことは悪いことではないと思います。ただ自分が問題にしたいのは、セルフプランがあることで安易にセルフプランの作成を勧め、その結果相談支援事業所の整備をしないということは違う、ということです。
自分の意思でセルフプランを書くのは、良いと思います。
でもその前に必要なのは「相談支援事業所で作成してもらえる」という情報の提供も合わせて行うこと。「事業所がないから、セルフプランでもいいよ」というのではなく、まず相談支援事業所を整備し、その上で利用者さんが「セルフプランを書く」のか「相談支援事業所にお願いする」のかを選択できる環境を作っていくことの方が重要だと思います。
まぁ相談支援事業所が増えない理由に、低すぎる報酬体系もあると思います。
このことは以前から言っている、計画相談支援事業だけで経営を成り立たせていくことはかなり難しいことだと思います。それこそ1番最初に書いたように「私は100ケース持っています!」なんていうのであれば、せめて経営はトントンになるかもしれませんが・・・そこまでしてやりたいとは思いませんね、経営だけで考えたら。
それでもうちの事業所が相談支援事業をするのは、やはり必要性があるから。
全然お金にならない事業だけど、それでも社会資源として、地域の障がいを持つ人の生活を支えていくためにも「相談支援」の必要性を感じているからこそ、赤字事業であっても継続をしているのだと思います。
自治体によって相談支援事業所の数には差があるように思います。
ただ全体で見たらまだまだ少ない状況には変わらないと思います。そのためには自治体が相談支援を手厚く支援していくことも必要ではないのかと思います。「皆さんで相談支援事業所を作ってください」に任せるだけは限界です。本当に必要性があると思うのであれば、やはり積極的支援は必要です。相談支援に困らない時代になってほしいものです。