
国土交通省『鉄道分野のGXに関する官民研究会』は、鉄道分野における脱炭素化の基本的考え方をまとめた。これは主要な鉄道事業者に対し"省エネの徹底"などを求めるということ。とりあえず今回の記載では概ね5~8大都市圏のJR,大手私鉄,地下鉄の電車を対象とした。では前回に続き、JRにおける対象に…。

JR四国6000系
色々と混ぜ込んだ3両編成は2本のみの製造に留まり、現状は機器更新もされていないらしい。少数派なので強引な延命措置等を取らず、早期に退役させるかもしれない。そうすると…、結構足りないかも。
JR四国7000系
1両で運行できるのは大きな強みになるが、何せ長距離運用があるにもかかわらずトイレを設けていない。実はモーターなし片運転台の車両があり、それを連ねた2両になること。四国ではワンマン運用の場合、原則として先頭車両のみ扱いがあるということがネックらしい。
一応機器更新は進められており、一方では廃車された車両もある。まあ…、機器更新ついでにトイレぐらい付けようや。

JR四国8000系未更新編成
ここでいう"未更新編成"とは2度目のリニューアルを済ませていない編成を差す。現在も鋭意2度目のリニューアルが進められており、先行して廃車された先行編成を除きリニューアルが完了する見込みとなる。よって特急電車において影響は出ないものと思われる。
JR九州103系1500番台
九州に残る数少ない国鉄直流電車は、筑肥線で細々とワンマン運用に就いていた。この度東京臨海高速鉄道から車両を享受し、各種改造後に103系を置き換えることとなった。地下鉄には入らないことから、そこまで車体に大きな改造を施す必要がないのだろう。
JR九州415系1500番台
関門トンネルはJR九州で唯一直流電化と交流電化に跨がっており、JR九州全体でも双方対応可能な唯一の形式となる。このため後継が待たれており、最終的にはJR東日本からE501系を享受して対処することとなった。

JR九州811系
着実にリニューアルが進んでおり、クロスシートでインバーター制御のない編成は数を着実に減らしている。4両編成も他にないためしばらくは安泰だろう。あとは絶対的な編成数が多いため、完了させるまで時間を要していることか。
JR九州813系
811系に続いて813系もリニューアルされることとなった。先駆けてロングシート化など行われており、それ以前には座席を一部撤去という強引にも程があることをやってのけていた。現状においてはまだリニューアルなどされていないのだが…、これ初期編成は未更新のまま退役させようってあったり?
そもそもJR九州はロングシートの形状がおかしい。811系や813系は従来型ながら、背もたれのカーブが不自然になっている。おまけに817系2000番台以降は木製であり、凝った形状でコストがかかってそうなのに座り心地が悪いという最悪な出来。
(C)The Yomiuri Shimbun.
大統領「水戸岡!貴様はクビだ!」

JR九州783系
JR九州は民営化当初から個性的な特急車両を多く登場させ、長らく君臨し続けていた。持ちのいいステンレス車体を有するとはいえど、そろそろきついのだろう。まさか…、今更811系みたくインバーター制御に更新するワケじゃないだろうに。

JR九州787系
こちらに至っては普通鋼車体であり、2013年の時点で外装の劣化が目立っていた。その後はさすがに修繕もされたんだろうけど、やはり製造から35年もするんだし。後述する関連分を除いて、いい加減新車の話が出てきていいはず。
JR九州の電車が日立製作所によるアルミ車体となり、新車が同様となれば…。そしてJR北海道の特急電車について、日立製作所が落札したならば。むしろ車両形式を共通化するのも面白そう。さすがに北海道仕様は極寒に対応させ、九州はそこまで必要がない。
JR九州787系『36ぷらす3』
困るのが特別専用車両。今回の対象外になろうとも、機器類の確保が必要となる。やはり通常の編成を順次退役させるんだろう。

JR九州883系
実はこちらも置き換えが噂されているらしい。インバーター制御も機器更新を施したかどうかわからず、連日の高速走行で"ガタ"は隠せない。なんなら振り子の有無で、形式だけ変える?
JRの電車で、対象になりそうなモノの考察は以上となる。私鉄については規模が大きくなり、収拾がつかないので名古屋近辺の関係分だけにしようか。
(JR分についてはおわり)

国土交通省が設置した『鉄道分野のGXに関する官民研究会』は2025年9月8日、鉄道分野における脱炭素化の基本的考え方をまとめた。鉄道車両の高効率化や、次世代燃料を利用した車両・設備の導入、再生可能エネルギー導入の拡大などが盛り込まれている。
これは主要な鉄道事業者に対し"省エネの徹底"などを求めるということ。とりあえず今回の記載では概ね5~8大都市圏のJR,大手私鉄,地下鉄の電車を対象とした。おそらく今回求められる主要鉄道事業者の定義も、それで一致するのだろう。では前回に続き、JRにおける置き換え対象について…。

JR西日本221系
民営化後に大阪近郊で大量投入され、同期のJR東海311系が全廃された2025年8月現在においても事故廃車すらない。それどころか奈良線の快速で指定席が終日導入されるという。西日本はリニューアルを重点的に行うのだから、下手に状態が悪くならないのだ。
今回の件で新車が投入されることとなるのだろうが、当初から指定席に対応する区画が設けられるのかもしれない。もっとも東海道・山陽本線系統と異なり、最高130km/hの性能までは必要ない。
また山口地区が今回の指標から対象外となった場合、4両編成に組み換え中編成ワンマン対応させそちらへ転用することとなりそうか。そうは言っても、製造から40年にはなるし。
JR西日本103系3500番台
フルスペック級のリニューアルが成されたといえど、それからも早20年以上。さすがに播但線で置き換えの話が出てこないのはおかしい。
新車となれば225系か227系となるが、2両編成単位という前提がある。後述する加古川線も合わせて共通化させ、なんなら東海道・山陽本線の快速で増結用を兼ねてもいいはず。最高130km/h運転に対応するワンマン車両、面白くね?
JR西日本103系3550番台
こちらは加古川線が電化開業した際、既存のリニューアル車両を改造して投入されている。播但線と同じく、経年は相当だろう。置き換えは先述した播但線と共通化させていいと思う。
それ以上に加古川線の部分廃止も取り沙汰されている。廃止が決まった場合は必要編成数も減少して、置き換え対象外の125系にも及んでくる。そんな125系は…、宇部線なんかどう?

JR西日本281系
関西空港系統の特急もそろそろだったか。こちらはなにわ筋線と関連しており、271系の増備等でよさそう。むしろ南海『ラピート』や阪急も、外塗装や内装のみ変えて共通化させていいかもしれない。

JR西日本681系
北陸本線系統で活躍した車両は連日の高速運転などを繰り返し、特に普通鋼車体は酷使故の劣化が相当とされる。早期の置き換えが必須といえど、現行のまま『しらさぎ』を特急として維持するには6両編成が足りていない。
ここはやはりJR東海に一般車両を増備させ、特急だった『しらさぎ』を指定席付き快速に格下げ。一部編成をJR西日本が保有する方式にするしかない。683系も一部置き換えて、和歌山の283系を置き換えよう。(まだあきらめてなかったのか。)
JR西日本117系
既に一般車両はなく、残っているのは『銀河』のみ。さすがに特別専用編成まではどうかと考えたが、ベース車両もベース車両で古い。後継は北陸や九州への乗り入れも見越して683系がいい。
JR西日本113系
岡山地区は今回の対象かどうかグレーだが記載する。大阪近郊や広島地区では全て置き換えられており、残るは岡山地区のみ。やはりリニューアル後の経年があり、早期に置き換えられるのだろう。227系も投入が着実に進んでいるのだし。
…ごめん、福知山にもまだ2両編成が残ってた。これが京都丹後鉄道との関係からか、223系に置き換わらず残っていたのだ。今更223系は持ってこれないし、対象外と思われる京都丹後鉄道に預けて存続する?

JR西日本115系
こちらは岡山地区の他に、山口地区の2ドア車両や2両編成がある。山口地区が今回の件から対象外とされた場合、暫定的に221系をこちらへもっていくということもありそうか。実は221系には2両編成を組める車両もある。

JR西日本213系0番台
一応(100番台の前頭部を除き)ステンレス車体であり、(JR東海と異なり)リニューアルされたこともあって車体だけならば持ちはいいのだろう。一応JR東海からも5000番台を引き入れ、各種改造を経て共通運用を組めるようにするという私案はあるのだが…。
か…、2両編成は山口地区へ持ってくか?
JR西日本213系『ラ・マル・ド・ボァ』
117系で述べたように、特別専用編成まで今回の対象が含まれるかまでは考慮していないように思う。こちらもJR東海から5000番台を引き入れる際、併結可能となるような改造を施したい。(余命を考慮し、JR東海5000番台の内装リニューアルまではしないこととした。)

JR西日本105系
山口地区が対象となるか否かにかかわらず、余命は短いのが国鉄車両。227系の新規投入まではならずとも、213系の暫定的転用はありそう。

JR西日本123系
1両編成の電車は貴重なのでなかなか廃車にできないかもしれない。もっとも加古川線が一部廃止になれば125系を持ってこれるし、何なら宇部線や小野田線は電化の廃止。さらには路線自体の廃止もあるかもしれない。
西日本だけで結構スペースを使ってしまったため、四国と九州については次回。
(つづく)
国土交通省が設置した『鉄道分野のGX(グリーン・トランスフォーメーション)に関する官民研究会』は2025年9月8日、鉄道分野における脱炭素化の基本的考え方をまとめた。鉄道車両の高効率化や、次世代燃料を利用した車両・設備の導入、再生可能エネルギー導入の拡大などが盛り込まれている。

これは主要な鉄道事業者に対し"省エネの徹底"などを求めるということ。電車の制御装置を最新式のものへと更新し、2035年度までに非VVVF車両および初期のVVVF車両(GTO方式)の置き換えを原則として完了させようというのだ。
では対象となるのは何か。とりあえず今回の記載では概ね5~8大都市圏のJR,大手私鉄,地下鉄の電車を対象とした。おそらく今回求められる主要鉄道事業者の定義も、それで一致するのだろう。では、JRにおける置き換え対象について…。

JR北海道721系0番台
既報のとおり6両編成から置き換えが進められ、2025年度までは川崎車両。2026年からは日立製作所が製造し投入する。国土交通省による通達目標の対象が含まれるのは3両編成であり、2027年度から日立製作所が製造することとなった。

JR北海道785系
諸都合から5両編成が2本だけ残っており、この度置き換え用車両の入札要件等についてJR北海道から公表された。今回記載した対象にならない789系0番台についてもおそらく含まれており、今後の入札によって車両設計等が決まっていくのだろう。

JR東日本719系5000番台
厳密にいうと仙台近郊かどうかグレーながら、仙台近郊区間に含まれることなどから対象とした。
山形新幹線の線路を走行するため標準軌となっており、開業時から使用されているため老朽化も顕著になっている。少なからず置き換え計画は進んでいると思われるが、投入すべきはE721系5000番台。後述する長野地区向けの3ドア車両と車体を共有するのだ。

JR東日本211系
甲府~長野地区へは4ドアのE131系が投入されることとなった。3両編成を連ねて6両にすることができ、6両編成もそこそこ有していることから3両編成だろう。編成数はこれまで投入された地区よりかなり多くなる。
ただ2両編成は3ドアで定着していることやワンマン運転を行っていること、3両編成もJR東海やしなの鉄道と関係があり3ドアのほうが都合良い。このため4ドアのE131系と機器を共有しつつ、3ドアのE129系としても投入するのだ。ドア数問わず、3両編成でのワンマンも考慮しているかと。
また高崎地区へも4ドアのE131系として投入されることとなりそう。それこそ先に投入された宇都宮地区の3両編成と共通化させ、宇都宮地区の編成を単純増備することも視野に入るか。4両編成がある分どうするか。

JR東海213系5000番台
既に一般車両(電車)の置き換えが進んだJR東海で、残る"対象車両"は飯田線の213系のみとなった。武豊線などでは4両編成の投入で輸送増強も図られ、外れた2両編成の313系が飯田線へ回ることで置き換えている。詳細は別記事にて。

JR東海373系
一般車両の統一に続いて特急車両となるのだろう。JR東海では身延線や飯田線にも特急が走っており、短編成で必要とされる。このためこちらも新車ということにはなるのだろう。別件で長大な編成を組む車両も考えており、そちらと共通化するということに…?こちらも詳細は別記事にて。

JR東海383系
中央西線の特急『しなの』は既報のとおり385系への置き換えが決定しており、先行編成がいつ登場するのかということ。機器類の基本設計は315系電車をベースにするものと思われ、383系と同等な振り子装置も進化させて搭載される。
次は西日本…、なのだが結構量が多いので次回へ回すとしたい。
(つづく)
