
MEIKO「皆さん初めまして、MEIKOでーす。今日は未来を目指したバスのお話ってなってますけど、2015年だから結構変わってるんですよね。あとはバスセンターもこれから新しくなるとか…、その次に入ったバスが何かって話ですか?では、時間を2015年4月14日に戻してみます。」
2015年4月14日(火)午後2時34分 名古屋駅広小路口

名古屋駅広小路口から少々したところに入口はある。裏側とあって非常に目立たない階段を上がって向かう場所…。

御存知、名鉄バスセンターである。3階からは一般路線バスと長距離高速バスが発着する。このギャップがある意味魅力と思う人もいるとかいないとか。この名鉄バスセンターは2026年3月中に閉鎖され、再開発を経て一新されることとなった。

もちろん乗るのは一般路線。発車するのは基幹バス路線と津島行き路線、そして三重交通のバスである。今回、乗りたい車両に乗るという"基本"を実践。この間にも氷見行きや奈良行きといった高速バスが発車。
1.名鉄バスセンター15:00発 一般路線バス/岩塚経由津島行き 名鉄バス7909
今回乗りたい車両こそ、昨年乗り損ねたエコハイブリッドである。この車両はディーゼルエンジンを発電に用いて、電車と同じようにモーターで動くというもの。2008年から導入の始まった当時は鳴り物入りであった。

ついでに仕組みが似ているものとしたキハE200を応用し、HB-E210系が仙石線快速(仙石東北ライン)に入っている。また2025年にはHB-E220も登場した。
立ち席が出ない程度の乗客を乗せて発車すると、確かに後部では機械類の音がよく響く。騒音で嫌悪感を抱かれるのも納得である。バスセンターを出て右折し、名駅通を少し進んだ名駅南五丁目で右折。豊成団地で1人降りて、1人乗車。

黄金跨線橋を渡り、名古屋高速5号の高架下にあたる県道115号を津島方向へ進む。松陰高校前で2人乗車し1人が立つ。地下鉄岩塚で乗車した2人も立ち席。岩塚本通五丁目で1人下車し、1人乗車。

ここから左にカーブし、庄内川にかかる万場大橋を渡る。右にカーブして下った先にある万場スバル前で1人乗車し、2人が下車。

新川にかかる万場小橋を渡り、吉津一丁目で4人が下車。安松ルートと異なり、名古屋市域がまだ続く。

名古屋高速5号の終点となる千音寺で3人下車。後部座席は機械類が多く、景色がよく見えない。千音寺荘で1人下車し、再び停車するも乗客なし。ここで東名阪自動車道が分かれていく。機械類から駆動音が絶えず響き、静粛性に欠けている。加えてこの車両、色々とグレードが高かったのだ。

新家で1人下車し、対面通行となって福田川を渡ると名古屋市は終わり。道1つ外れるだけで田んぼばかりの風景になる。伊福で2人、下之森で3人下車。

車内は紫外線等カットガラスが用いられ、カーテンが省略されたのは近年の路線バス車両と同じ。違いは他車との差別化を図ったであろう、背もたれの高い座席とE531系以降で見られる黒い吊革。座席もバケット形状があり、座りがそれなりにいい。

そして忘れてならない、機械類スペースを活用したと思しき荷物置き場。壁面や座席ヘッドカバーからも"エコ・ハイブリッド"を主張しているのがわかる。正面にはかつて走行モードを知らせる液晶画面があったというが、すでに撤去されているようで見受けられない。
鷹居で1人下車し、蟹江川を渡った先の交差点で大坪行きルートと分かれる。直進し、神尾は乗降なく通過。百町で1人下車。空いてきたので前方、右側の座席に移動。基幹路線は乗客が多いので、詰め込みを重要視される。結果、グレードの高さが仇となる形で基幹路線に不向きということが証明されてしまったのだ。

日光川にかかる新おにえ橋を渡り、永宝団地で停車するも乗降なし。新唐臼で2人下車し、とうとう最後の客になってしまった。県道115号の起点である交差点を左折し、その次を右折すると唐臼住宅前。ここにきて2人乗車したため貸切状態にならず。
しばらく進んで"直進した道"に戻る。愛宕住宅前を過ぎ、その先を工事のためにちゃんとした形で右折。その後少しだけセンターラインがない道路となる。
津島市民病院前でも乗車。そして左折した県道68号こそ、安松ルートである。名鉄の線路をくぐると右折し、バス専用通路を通って終点の津島駅に到着。終始雨模様なこの日、津島駅まで乗車したのは他に4人。概ね1時間弱、630円の道のりであった。

エコであることを推し、鳴り物入りで投入されたエコハイブリッド。正面は通常の三菱製バス車両と若干異なる顔つきをしている。個人的には日野製の一般路線車両より好みだと言えよう。車両ごとに異なる多彩なカラーバリエーションもまた、エコハイブリッドの魅力であった。

この車両は紫系の装飾がなされ、天王川公園で毎年執り行われる藤まつりを連想させる。もしくは、グレープ風味の炭酸飲料。名鉄は日野製のハイブリッドバスも後に投入したものの、基本的に青系と緑系の2パターンしかなく魅力に欠ける。

名鉄バスは当初、基幹路線をエコハイブリッドで統一しようとも考えていたらしい。エコハイブリッドそのものが特殊なものとあって、故障の際に手間を要したとか。結果として基幹路線からは早々に全て撤退。そしてエコハイブリッドはというと、最終的には車体価格が高かったことで導入が打ち切られている。
最終的にエコハイブリッドは2009年の排出ガス規制に適合させず、生産を終了した。乗車10年後の2025年ともなれば、エコハイブリッドならずとも退役する車両が目立ってきている。
名鉄バスはというと、2025年以降本格的に充電式電気バスや燃料電池バスを導入。現時点では少数にとどまっているものの、状況次第では多数導入も可能性あり。その際はぜひ、多彩なカラーリングを実現させてほしいものだ。

名鉄の津島駅はある意味、本当の昭和レトロと言えようか。スーパーは閉鎖されたまま残っており、名鉄が主催する即売会でしか用いられない。隣のコンビニは、この手の店舗が軒並み『ファミリーマートエスタシオ』になる中最後まで『サンクス』のまま残った。(転換後も"エスタシオ"にあらず。)

ホームもLEDの発車票とエレベーターこそあるものの、昭和の時代に高架化された当時の雰囲気を色濃く残す。ということでお遊びはここまで。

2.津島16:12発→木田16:21着 普通/須ヶ口行き 名鉄6911
この編成もヘッドレストがモケット張となり、見た目だけならかつての国鉄特急をより連想させてくれる。形状も小さく窓側の肘掛もなく、回転できない固定座席ながらも肘掛の内側にモケットが張られるなど凝った座席。足元もバスより広い。こちらも気づけば4両編成から消失していた。
(おわり)
