左に沢で"あてらざわ"。
2019年7月20日(土)午前8時29分 山形県寒河江市/寒河江駅

寒河江は数少ない有人駅にして、折り返す便も多い拠点駅。1面2線の島式ホームであり、先に入っていた山形行きが隣から発車するタイミングだ。せっかくなので気分転換がてら、外へ出よう。
もも「そうそう、この時間大事って。」
さく「言ってたけど、まあね…。」

ここで後ろ2両を切り離し、前2両はワンマンとなる。ここまでは4両となっていたため、ワンマンで運転することができなかった。
もも「ってか、切り離すシーンってんでしょ。」
めぐ「…そうだけど?」

近代的な橋上駅舎が上に架かっている。この駅は2001年まで若干異なる位置に有したらしく、かなり以前の鉄道雑誌にて移転工事が完成したことを取り上げていたと覚えている。
めぐ「完成までなんか、バス代行とかあって。」
なぎ「そんなもんよく覚えて…。」

6.山形7:50発→左沢8:44着 普通327D/左沢行き キハ101-12
北仙台から北山形を経て、目立っていた運動部の高校生。西寒河江までに全て下車していった。
さく「これでようやく楽になれるよ。」
もも「いや、だからさ…?そういう。」

以後はすっかり空きの多い車内。周囲も再び開けて羽前高松へ。ここまで見る限り、電化されていないだけで完全に通勤路線のそれである。
なぎ「じゃあこういうロングで、トイレなしがいいってか?」
めぐ「まあ、ここだけで終わるならね。1時間ぐらいだし。」

高台のようなところへ上がってきた。柴橋の次は、路線の終着駅たる左沢。最後にトンネルを2つ抜ける。
めぐ「…あれ?」
さく「別にトンネルの1つ2つ、奥多摩だってそう。」

向かいの足元を見れば、置き忘れられている水筒が1つ。
もも「多分さっきの子たちのよ。」
さく「そのままってわけにもいかんし…、どうするよ?」
山形から54分で到着。乗車時間も限られているため、オールロングシートでも問題にならない。ホームは1本だけであり、寒河江からは1列車しか乗り入れられない。

駅舎は大江町交流ステーションを併設しており、なかなか大きいもの。もっとも駅機能は1階の一部分に集約されているため、実質はそこまで大きいものでなかったり。
もも「さすがに早いでしょ、今朝…。」
さく「後でしょ、時間あるじゃん。」

日本海側に位置する内陸の"まち"だけあって、おそらく冬は雪が多く降るのだろう。駅前へ通じる道には消雪パイプが埋め込まれ、路面が赤茶色くなっている。
めぐ「これ、あるとこう…。」
なぎ「なんかパイプの鉄分とかが出るんだってな。」

大江町の地図があるのでとりあえず見ておきたい。駅を基点として、歩いて回るルートがいくつか用意されている。当初計画では10:04着の予定となっており、12:54発までじっくりと回れたことだろう。
もも「そうそう、場所を確認するのもね。大事なこと。」
なぎ「じゃあ、行くか。」

今回は予定を早めたため、90分を切る滞在時間。そんな限られた時間で、自己流で可能な限り見て回ろう。駅前のドラッグストアはまだ開いていない。
もも「なんか…、またヤーな予感がするんだけど。大丈夫?」
めぐ「…調べてはない。」

銀行と郵便局があって、コンビニはない左沢の駅周辺。最高速度"40"の下に付く補助標識は、区間内に"高・中速車"とあるものが残っていた。
めぐ「アレ、今ないヤツなのよ。」
なぎ「昔あったんだっけな…、じゃあいつだ?」

山形県道23号は国道458号にぶつかっており、調べれば天童市から続いてきてこの『左沢』が起終点らしい。直進方向にあたるのは県道112号で、国道287号を経て長井とある。信号機は雪の多い地域らしく縦型だ。

交差点を左に向いてみよう。国道をそのまま進めば、最上川を渡って山形市にたどり着く。この国道458号も曰く付きで、2019年時点でも未舗装の峠道(十部一峠、2021年以降通行止)が残っていたり。
もも「本当、そういう…。」
めぐ「いいじゃん、こういうのも。」

国道から外れ、古くからあるまちなみへ。こちらも消雪パイプが埋め込まれ、路面が赤茶色くなっていることで雰囲気も出ている。
さく「…何かない?」
もも「調べてないってんだし、わかんないわよ。」

ふれあい会館と公園。調べたところこの町民ふれあい会館は、452席を有する文化ホールという。
めぐ「ごめん、トイレ行きたいんだけど。」
なぎ「ああ、さっきの中になかったからな…。」

結局は何をするということもなく、駅に戻る流れになった。駅周辺は基本的に住宅と、古くからの店々が目立つ。朝9時という時間だけあってか、しっくりくる飲食店は見当たらない。そびえるのは…?
もも「いや、だから。スルーじゃなくって。」

大江町役場も駅から近い位置にある。正面こそ新しくしているものの、建物自体は古めかしい。参議院通常選挙の期日前投票があるため、この土曜日は裏手が開いている。表玄関は開いていなかった。
さく「ってか、あそこ入ったのも平日だったでしょ。」
なぎ「そもそも勝手に入り込むなって…。」
めぐ「ごめん、他ないから駅…?」

とりあえずトイレに入りたい。役場でできないとなれば、駅しかないだろう。引き上げて戻るのが最善だ。
めぐ「あったと思うんだよね。」
もも「いいけど、いつも危なっかしいからさ。」
(つづく)