
リタ「リタでーす。今日は…、何かな?」
めぐ「今からもう6年前になるかな?仙台で野球見に行った、2日目のお話。最初に向かうのが"左"に"沢"で"あてらざわ"っていうんだけど、わかる?」
新時代『令和』最初の夏休みも2日目からが本番。仙台市内を早朝に出てまず向かう先は、"左"に"沢"で"あてらざわ"の左沢線。この路線でしか使われない車両があるということで、乗って調べよう。
…ってか、君誰よ?ちょっとアレンジしてみたけど、小さな子というイメージだけではなんかうまくいってないような?まあ、いい。時間を2019年7月20日朝に戻して、本編に進もう。
2019年7月20日(土)午前6時23分頃 仙台市青葉区/東北福祉大前駅

5.北仙台6:17発→山形7:37着 普通821M/山形行き クハE720-34
しばらくは山へと入りきらず、住宅の多い中を進んでいくE721系。この通勤通学需要が多いため、快速の多くは仙台から愛子まで各駅停車となっている。東北福祉大前に停車…。
めぐ「ごめん、早かった。」

タイミングが合わなかったためやり直し。ここではあまり乗客が下りることなく、そのまま片面のみのホームを発車する。
もも「…何を期待したってのよ?」
さく「ちょっとは降りるのかな…、とか?」

全区間単線で結ばれる仙山線。どことなく仮設らしい雰囲気の葛岡も、ホーム1本だけで両方向とも捌いている。周囲は何やら建物の工事が進められているようだ。
さく「調べてよ。」
もも「…マンションとかじゃなくって?」
以降は景色がよくなろうとも、なかなか開けない。
さく「…何かない?」
もも「ないんだったら黙ってなさい。」

やがてこの路線の主要駅にして、区間運転の"折り返し"駅。愛子と書いて"あやし"と読むのは、繰り返し覚えておきたい。別名を"秋保温泉口"という。
なぎ「温泉…、あるんじゃなくってか?」
めぐ「もっと後にあるよ。」

その先は同じ仙台市内でも、雰囲気は大きく変わってくる。着実に山へと進んでいき、建物も比較して少ない。
もも「…これ本当、仙台?」
なぎ「普通に言われればな…、金沢だってそうだろ。」
作並にかけて臨時駅がかつてあり、それはどこだったか。2006年当時は全便通過したものの現役であり、当然ホームは残っていた。廃止後の2017年には撤去されたらしいが、当時通った際は夜間であった。
さく「…調べてよ。」
もも「だから、アンタが調べなさいって。」

臨時駅は『西仙台ハイランド』と『八ツ森』の2つ、どちらが先だったか。
さく「ま、西仙台ハイランドはわかるんだけどね。」
なぎ「お前な…。」

そしていよいよ山奥へと進んでいく。ここまで来ると建物らしい建物はなく、2006年当時は携帯電話が圏外だったことを思い出したり。仙山トンネルが県境となり、ようやく『仙台市内』から抜けていくE721系。
めぐ「冷蔵庫現象の。」
もも「中が涼しいから、暑い外出たら冷えたドリンクってんでしょ。」

トンネルを抜けた先の面白山高原は山形県にあり、かつて快速が停車したものの現在は普通のみの停車駅。これは仙台市内にある奥新川と同様、事実上の遠近分離を図っていたものと考える。
めぐ「一応、これも新しいのをね。」
さく「あ、古いのって本当に古かったんだった…。」

山寺が近づいてきた。ここからは山を下って、山形市内へとひた走る。
さく「…山寺どこさ?」
もも「…こっちじゃないわよ。」

楯山に来れば周囲も開けており、山形市に入った印象。客層は終始、部活動などの高校生が目立つ車内。
なぎ「おぅ、慌てんな。」
さく「本当、若いっていいよね。」

羽前千歳は山形(新幹)線とホームを共有し、それぞれ単線のまま交差。以降は並列して山形へ。見えている照明塔は"Y"の字を模ったようだが、これは何だろうか?山形市に野球場が新しく完成し、1軍公式戦も行われるというが…?
もも「パス。」
さく「…パス2。」
ということで、きらやかスタジアム(山形市総合スポーツセンター野球場)であった。

北仙台から80分で山形に到着。仙山線の隣には専用塗装をまとった、左沢線の気動車が待機している。早速そちらへ乗り込もう。

6.山形7:50発→左沢8:44着 普通327D/左沢行き キハ101-12
専用気動車キハ101は17m級の単行式、オールロングシートでトイレが設けられていない。淡赤色の席に座った感じは柔らかめな印象だ。4両連なっているうち、後ろ2両は寒河江で切り離される。
めぐ「…どうだろうかな?」
さく「まあ…、そんなに悪くはないんじゃないかな。」

北山形までは仙山線と線路を共有する。山形へ進んだ際とは反対側に座ったため、この区間でも見られる景色は違うもの…。

仙山線から分岐する北山形は、3路線全てに相対式ホームを有している形。ここで早くもというのか、反対方向の車両を待つキハ101。
もも「いや…、さ?そういうのって。」
めぐ「ないもん、紙の時刻表に。」

非電化単線となった左沢線。山形市にあって山形駅から近いため、しばらくは住宅が多い景色だと思わせる。
さく「ま、この辺は。」
もも「アンタら本当、何期待してたのよ?」

左側はいきなり開けて、田畑やビニールハウスが主体となった。右側は東金井まで住宅街らしい。
さく「ほら、変わった。」
めぐ「帰り、右のほうを…。」
もも「行き止まり路線往復でよかったこと。」

東北中央自動車道は無料区間を挟みつつ、2019年4月に晴れて福島まで繋がった高速道路。右側の景色も開けた田畑が多くなった。
もも「それでまた道路の話やろうってんでしょ。」
めぐ「まあ…、動画ならいくらでも。」

そんな水田地帯が続く中、山裾にメルヘンな建物を発見。周囲の風景から結構目立っている。
なぎ「…わからん。」
もも「…パス。」
さく「パス2。」

やがて羽前長崎に停車。駅前にはヒマワリ畑が広がっており、夏らしく美しい風景となった。
めぐ「曇ってきてるけど。」
もも「いい?雨とか、フラグとかありそうだし。」

最上川を渡ると寒河江市に入って、また住宅の多い景色となる。そろそろ路線の拠点駅、寒河江へ…。
(つづく)
