JR西日本は8月22日、快速の指定席『うれしート』を2025年10月以降拡充すると発表した。相変わらず専用車両を必要とする新快速の『Aシート』は拡充せず、既存車両そのままに仕切りを隔てる方式となる。
今回注目すべきはJR東西線系統への導入であり、4ドアオールロングシート車両をそのままとすること。よってロングシートの指定席が登場する。テーブルの設置を前提とする観光列車は別にしても、これを暴挙と言わず何と言う。
これが許されるのは『鈴鹿グランプリ』の名古屋行きしかない。あちらは来場者が多く混雑する帰路において、専用乗車できる立席指定そのものが特急の役割を果たすためだ。
JR西日本に話を戻そう。4ドア車両はそのままにそれこそ近鉄…、というよりかは関東の私鉄か。改造して可変式の座席を導入すべきだろう。近年の必須事項となるコンセントを設け、ロングシート自由席運用も残るため関東の私鉄にした。
幸か不幸か、近鉄,西武,京急以外はトイレがない。今回のJR西日本も、編成末端となる区画(12席)のみが確保される。もしかしたら改造は見越しつつ、工期確保と"様子見"をしようというのでは…?
終日レギュラーとなったみやこ路快速も、指定席を常設可能な改造を施すといい。コンセントを備えた回転式クロスシートで、専用の『Aシート』と区別すること。進行方向ごとに自由席となることから、リクライニングはなし。これならばある程度格差も付けられるし、往年の国鉄特急みたいなノスタルジー?
ってか…、今回ロングシートのまま指定席運用を開始することはまた何かしそう。阪神3000系の参考になってしまうし、阪神が阪神でロングシートそのままに『らくやんライナー』という"前科"もある。
また今回阪和線でも新規で導入されるが、かつて指定席の設定された関空快速や連結する紀州路快速でない。いずれも天王寺~日根野で完結する快速だ。特に天王寺発は大阪環状線での複雑怪奇な扱いを回避して、線内完結としたのだろう。このため関西空港行きの設定は、天王寺始発を除き不可になった。
一方で関西空港発の関空快速や、和歌山発の紀州路快速は設定が不可能にならない。先に導入された大和路快速と同様、大阪環状線では指定席の扱いを解除すればいい。それこそ平日朝の『直通快速』なんか主な利用想定と合致するし、逆に空港からの需要は限られるし。
…いい加減、新快速『Aシート』専用の車両増やそうぜ?
(おわり)