177.町は"まち"か"ちょう"、村は"むら"か"そん"。それぞれ読み方はどう使い分けられているのだろうか?

「町」「村」の読み方の使い分け
 今日よく見かける住所の「〇〇町」「〇〇村」。漢字は同じでも、読み方は地域によってガラリと変わります。以下でその大まかな傾向と例外をまとめます。

A.町(まち / ちょう)の読み分け
 

 

 「町」は大きく分けて、東日本では「まち」、西日本では「ちょう」という傾向があります。

主な傾向
東日本(関東以北、東北、北海道以外の東海~東山陰等) → 「まち」
西日本(中国、四国、九州、近畿以西) → 「ちょう」

例外・混在地域
北海道:ほぼ全域が「ちょう」読み(128町中129町)
福島・島根・福岡・大分・熊本など:本来西日本にもかかわらず「まち」読みが混在
東京都23区内の町名(大手町や人形町など)は、江戸時代の町人・武士の居住区分ルールが影響し、混在することもある

歴史的背景
 江戸時代、武士が住む町は「まち」、町人の商業地は「ちょう」と呼ぶ習慣があり、合併や市制施行でルールが明文化されないまま受け継がれたことが現在の読み分けの原点とも言われる。

B.村(むら / そん)の読み分け
 「村」の読み方は各自治体(市町村)が条例で定めるため、都道府県ごとにパターンが異なります。


他県と統一して「むら」で読む都道府県:北海道・青森・岩手~静岡・愛知・大阪など大半の都府県
他県と統一して「そん」で読む都道府県:鳥取県・岡山県・徳島県・宮崎県・沖縄県
「むら」「そん」が混在する都道府県:鹿児島県(国分村=こくぶそん、牧之原村=まきのはらむら など)

C.まとめ

 

 

 町は東日本で「まち」、西日本で「ちょう」が基本だが、北海道や福岡など例外がある。
 村は「そん」「むら」を各自治体が条例で決めており、5県で「そん」が全村、鹿児島県のみ混在、その他は「むら」で統一されている。

D.さらに知っておきたいこと
 市(し)、区(く)にも歴史的・人口基準による読み分けや制度上の違いがあります。

 番地や丁目の読み方にも地域性があり、「二丁目」をにちょうめ/にちょうめと読むか「にちょうめ」とまとめて読むかは市区町村ごとに微妙な差があります。

 海外の「町」「村」訳語(town , village)とのニュアンスの違いもおもしろい話題です。

 古い地名辞典や市町村合併の歴史を紐解くと、さらに細かい読みの揺れが見えてきます。住所を読み間違えないよう、地元自治体の公式サイトで最新の読み方を確認してみてくださいね!

個人的見解と、愛知県の場合
 まあこれもなんとなくな疑問だ。村を"そん"と読むのは沖縄県のイメージが強かったばかり、他県でどうなのかということなどあった。

 さて愛知県の場合、東郷町,豊山町,大口町,扶桑町,大治町,蟹江町,阿久比町,東浦町,南知多町,美浜町,武豊町,幸田町,設楽町,東栄町は"ちょう"で統一。飛島村と豊根村は"むら"となる。…町村って結構減ったな。
(おわり)