今回の鉄旅リターンズプラスも旧作リマスターシリーズにして、今回はAIによる画像リマスターを施した。季節感を無視してご覧あれ?

 

2009年12月23日(水)午後4時10分頃 岐阜県大垣市/大垣駅

 今回は2009年末の小旅行。大学の忘年会が美濃太田で予定されており『ついでネタ』のつもりだったところ、忘年会が中止されることとなった。よって今回は何もない小旅行となる。
なぎさ「本当お忙しいのに、わざわざお呼びだてしてどうも申し訳ない。」
ももか「いや、いいのよ。どうせ何も無かったし、いつもみたく…。」
さくら「キャンセルになったのはこっちだけどね。」
めぐみ「今日はゼミの忘年会の予定だったのよ。」

 要するにその"穴埋め"だ。
ももか「ほら、穴埋めならプラン使いまわすでしょうに。どうせ行く前の時間で乗るアレのね。」
なぎさ「そうとは限らないだろ。」
ももか「アンタらと一緒ならわかるの。」

 今回向かう先は揖斐。養老鉄道は過去に近鉄の路線であり、桑名から大垣へは乗っていった記憶がある。目的とした揖斐へは過去に乗車したことがなかった。
めぐみ「1回乗ったことあるけど、揖斐は初めてで。」
ももか「養老はあるんだ…。」
さくら「それっていつ?」
めぐみ「どうかな…、12年ぐらい前かな?もちろん家族でなんだけど。」

 ということで今回は大垣から養老鉄道に乗っていこう。先述したようにかつては近鉄の路線であり、2017年末までは近鉄が線路設備などを保有していた。このためところどころ、近鉄だった名残が見られるのだ。(2018年以降は一般社団法人養老線管理機構が第三種鉄道事業者となる。)
ももか「これは全部わかってたうえで乗るわけね?」
なぎさ「…何を?」

 近鉄は多くの路線で軌間が1435mm(標準軌)となるところ、養老線は以前より軌間が1067mm(狭軌)である。JRや樽見鉄道(いずれも旧国鉄)とも直通など行っていないことから、独自性が長らく保たれてきている。
ももか「何をって…、線路の幅とか…?」
なぎさ「わかってる。こっちが聞きたいことだってんだ。」


 そんな養老鉄道のホームから見ると、JR東海は飯田線の専属となる119系がいた。所属が大垣となるため、回送されて出入庫することがある。119系は2012年に退役し、213系や313系へ置き換えられた。


7.大垣16:22発→揖斐16:46着 揖斐行き 養老鉄道606
 入ってきたのは"近鉄らしい4ドア車両"で、元南大阪線のオレンジ色と白帯をまいた『ラビットカー』塗装となる。また発車前に乗客が自転車を持ち込んだように、休日は全時間帯で『サイクルトレイン』を実施している。
ももか「…これ使えばいいじゃないのよ?」
めぐみ「まあ…、そこまでが遠いんだよね。」

 大垣を出てからというもの、景色は終始山の麓らしく緑多きもの。いかんせん冬至の時期で天気も良くなく、午後4時半というこの時間にして外は早々と薄暗い。このままでは印象に残らないので、もう一度乗りなおさなければならないのだろうか…。
さくら「案外、これで満足してたりして。」
めぐみ「正直そうなんだよ。1回乗るか乗らないかで、結構違うもん。」


 養老線は線路状態の関係から比較的ゆっくり目に進めていき、24分かけて揖斐に到着。昔ながらの駅舎で、古めかしくも魅力あるものといえよう。
さくら「…何突っ立ってんの?」
ももか「いや…、何するのかなって…。」
さくら「ちょっと見て回ろうかなって。別に見たくないならいいよ?」
ももか「わかってるわよ、行けばいいんでしょ行けば。」

 せっかく揖斐まで来たので、駅前から少々歩いてみようか。付近を国道417号が通っているものの、両端に小建物が立ち並ぶためか狭苦しい印象を覚える。
ももか「それで町に触れ合う気ないでしょ?」
めぐみ「何を?」
ももか「…アンタらに聞くんじゃなかった。」
めぐみ「だってもう暗いよ。」


 駅からすぐ近い位置に来れば川が流れており、国道も堤防へ上がっている。かつて名鉄揖斐線は本揖斐まで通っていたところ、養老鉄道(旧近鉄養老線)の駅からはそこそこ離れているという。
なぎさ「ここもいいところだな…。」
さくら「時間大丈夫?」
ももか「また…、もうちょっとぐらい見させてあげなさいよ。」
なぎさ「寒いし暗いから帰るか。」
ももか「あのね…?」

 詳しいことはまた揖斐へ来られたときの楽しみにしておこう。ついでに後で知ったことだが、この川は揖斐川ではなかったり。揖斐川はここからもう1つ渡る橋の下を流れており、合わせて川を2つ渡った先が昔からの市街地らしい。

8.揖斐17:12発→大垣17:39着 大垣行き 養老鉄道601
 帰りはクリムゾンレッド(というよりか、近鉄のマルーン単色塗り)であり、2両編成より多い3両編成。近鉄は早い段階から側面窓を下降式としており、外観から古い車両であることをあまり感じさせなかった。
めぐみ「近鉄って昔からこんな感じのしてるよね。」
さくら「これさ…、こう下降窓じゃん?出てきた時って水が溜まりやすいとかって…。」

 ということで冬至頃の午後5時過ぎ。外はすでに暗くなっており、景色は見られなくなっている。こうなれば大垣まで27分の間、することは何もない。
めぐみ「大成功。」
ももか「そう?そもそも忘年会に人集まってれば私も今日要らなかったわけで…。」
なぎさ「いや来たきゃよかったんだ、私もだし。」
さくら「あ、そうだった。なぎ姉ゼミ違ったんだ。」
なぎさ「忘れるなよ。」

 この日は美濃太田へ戻って大学の忘年会となるところ、キャンセルとなったためこのまま終わることとしよう。
ももか「じゃあとりあえず今年の分はこれで終わりってわけね?」
めぐみ「さあ…」
ももか「大晦日は来年の分とみなすよ。」
さくら「だったらこれでおしまい。」
ももか「終わるわけね?次、大晦日ね?」
なぎさ「決まったわけじゃないのに…。」
さくら「では…、お疲れ様でした。」

 もっともこの日は祝日(平成の天皇誕生日)で、忘年会の参加予定者が少なかったらしい。ということで忘年会が中止になり、何もない小旅行として揖斐に行った話は以上。余談だが2日後、謎の胃腸風邪に見舞われたという…。
(おわり)