JR武蔵野線と西武池袋線が、2028年度をめどに直通運転を実施する方向で検討していることがJR東日本と西武鉄道への取材でわかった。実現すれば、両社間の直通運転は初めてで、埼玉・秩父エリアから千葉・東京湾臨海部まで乗り換えなしでの移動が可能になる。(読売新聞オンライン)
公表したのは西武鉄道とJR武蔵野線の直通構想で、新秋津にある連絡線を使用するとのことだ。一応というのか、当面は臨時を想定しているらしい。ということで、今回は直通車両や運行体系が何になるのか考えてみよう。
直通する車両について
前提として武蔵野線はホーム有効長が8両編成なので、10両編成は選択肢の時点で外れることとなる。
特急車両を直通させるならば、西武が001系『Laview』。JRは汎用性と波動性を重視し、E257系かE653系だろう。E657系は10両編成なので乗り入れられない。
一般車両も8両編成までという条件がある。西武が40000系を8両編成で新規投入させるならば、まさかの"L/Cカー"なのか。JRもわざわざE235系として新規導入するまでないかもしれない。E231系ならば大丈夫だろうが、本数に余裕はあるだろうか。
もっとも西武も西武で、6両編成以下の編成は他社(小田急8000系,東急9000系)から"移籍"するぐらいだし。
運行形態は…
武蔵野線を介した臨時便はいくつかあり、今回はそれらをアレンジしたい。
西武秩父,飯能~鎌倉,横須賀
JRでは特急『鎌倉』が運行されており、武蔵野線から東海道貨物線を経て横須賀線まで直通する。現在は吉川美南発着となるところ、西武へ直通させるということだ。横須賀線側も横須賀までは想定しておく。
西武秩父,飯能~熱海,伊東
武蔵野線から東海道貨物線系統への直通は『鎌倉』だけにあらず。あまりないかもしれないが、熱海から伊東線へ直通するモノも考えられる。特急『踊り子』として、大宮発着の場合に東京(もしくは新宿)経由とするのが効率よかっただけだ。西武との直通ならば…、そういうこと。
新秋津にある連絡線の構造上、以上2案は方向転換させる必要がない。以下2案は一旦引き上げ線へ進み、方向転換させて新秋津に停車の必要がある。
西武秩父,飯能,西武球場前~大宮
本命は普通『むさしの』号のアレンジだろう。現在は大宮から八王子を武蔵野線経由で結ぶモノとなっているところ、西武への直通も加えるということ。
また埼玉西武球団が"埼玉"西武であり、2008年から大宮でも主催試合を組むようになった。加えて埼玉県は地理的都合から県内の鉄道移動でもやや不便で、特に所沢市から大宮市は難が生じる。今回の直通が実現する際、最も恩恵を受けるのは大宮(,北朝霞,新座)のファンかもしれない。
西武球場前~海浜幕張
なんなら便乗して、千葉ロッテ球団とも結んでしまおう。武蔵野線と京葉線は恒常的に直通しており、そのアレンジだ。千葉の本拠地移転構想は隣接地なので、あまり当該案から影響しない。
ということで、今回はこんなところ…。
(おわり)