ブラックアーミーさん「皆さんこんばんは。トリエンナーレとは3年に一度開かれる国際美術展覧会のことであり、原意はイタリア語で"3年に一度"。語呂等の似ているビエンナーレは2年に一度開かれる美術展覧会のことであり、原意はイタリア語で"2年に一度"です。」
愛知県では2010年から『あいちトリエンナーレ』なる国際芸術祭が、名称のとおり3年おきに行われている。2010年は"休養期"だったこともあり出向かなかったところ、2013年に無料で見られるところだけでもと…。そういうことだ。
2013年9月28日(土)午後2時42分 名古屋市中村区名駅
今日も今日とて名駅からのスタート。しかしながら2013年も9月末になっており、"シーズンオフ"となったこの日は鉄道系のネタではない。2010年に第1回が開かれて以降、名古屋市内をメインとして3年おきに開催される『あいちトリエンナーレ』だ。
名駅三丁目と言えば古民家改装の飲食店であり、居酒屋が多いことでも知られている。昼は基本的に居酒屋が営業しないため、見るだけで終わる。
めぐみ「なんか来たかったのよここ。」
ももか「あれ、前来たんじゃなかったっけ?」
めぐみ「前っても2年前。」
では本題の『あいちトリエンナーレ』へ。名古屋市内の会場は栄,白川公園,長者町,納屋橋の4か所となっており、加えて名古屋駅前にも芸術作品があるらしい。どこだったか…?
大名古屋ビルヂングの工事現場となる壁面に『生きる喜び JOY OF LIFE』の文字があった。これは、オノ・ヨーコによるメッセージか。
めぐみ「で…、ここからどうしようか?」
ももか「いや…、アンタの好きでいいから。」
めぐみ「じゃあ…、とりあえず長者町?」
ももか「…いいんじゃない?」
再び名駅三丁目へ。2年前に中学校のクラス会へ参加しており、その際入った店はここだったか…。
ももか「ああ、アンタの昔話ね。」
2年前の話はさておき、長者町まで来た。"まちなかアート"が注目なエリアだが…?
めぐみ「どこが無料(タダ)だっけ…?」
ももか「アンタ調べたんじゃないの?」
地図などが載った小冊子を一応持っては来ている。実は数日前に母親が見に行っているため、それを利用したのだ。
めぐみ「まあ素人だし、見方からしてよくわからないもん。」
ももか「地図ぐらい読めるんじゃないの?」
めぐみ「地図はいいの、肝心のメインよ…。」
とりあえず地図を見ながら回ろう。すると『シモジマ』の名古屋店があり、トイレを使いたいタイミングでもある。こちらはアートとは関係ないようだ。
めぐみ「…いい?」
ももか「ま、ついでだしいいわよ。」
では先に進もう。長者町繊維街の駐車場に面してビルがあり、壁画はなんとなく歴史を紡いできた物語を映画化したようなビジュアルらしい。
めぐみ「なんかこういう映画ありそうじゃない?」
続いて伏見地下街へ。こちらは日本でも古参とされる地下街で、このトリエンナーレではトリックアートが施されたという。階段を降りると左が地下街となる。右は"閉鎖された階段"のようだが、暗い中青く照らされるのは何とも言えないものだ。
地下街そのものは古めかしいまま雰囲気が残っており、長らく空き店舗も目立っていた。
ももか「…そこに目を付けたんじゃない?」
さて、壁面にはトリックアートとは別に『ビートルズ』関連の展示もある。念のため言うと、ジョン・レノンと結婚したのがオノ・ヨーコである。
話を地下街に戻して、トリックアートの一例。壁や床などに"枠"と"階段"が組み合わされ、両者が一体化すると…。
ももか「別に無理しなくたっていいのに。」
アングルを変えよう。このトリックアートは角度によって、また違ったモノとして現れるのだ。
めぐみ「…どうも合わないのよ。」
ももか「もうちょっと場所考えたら?」
よく見れば足もとにビューポイントなるものがあった。ここから撮影を試みれば、うまく形になって収まるのだろう。
しかし中にはビューポイントのないものもある。こちらがどうするのが正解だっただろうか?
めぐみ「これだとサッカーみたいな…?」
ももか「サッカーの…、何よ?」
プロサッカーの試合で見られる"ゴール横広告"については置いておこう。側面といいスリッパの配置といい、絶妙な"画"となるよううまくできているもの…。
地下街は伏見駅の東改札口、そればかりか東山線ホーム(藤が丘方向)と直結していた。伏見地下街が営業していない場合、こちらの改札も通行できなくなるらしい。
めぐみ「それにしても近くない…?」
地下鉄には乗らないので引き返そう。線路らしきものが描かれているが、隣接及び直結する地下鉄の駅とは関係あるのだろうか?
ももか「いつもだけど…、そんなの私に聞かないでよ?」
既設の消火器もうまい具合に、今回施されたトリックアートと馴染んでいた。もしかすれば、最初から消火器の位置を含めてデザインにしていたのかもしれない。それにしてもよくできている。
さて伏見地下街にある作品として、トリックアートとは別にこのようなものもある。工業用のモノを使ったものらしいが…?
めぐみ「工業用の…、チェーンでよかったっけ?」
ももか「…名前がってこと?」
現地ではあまりよくわからず、帰ってから見直して漢字で"愛"と表していたと。ようやく作品の意味がわかったとは、やはり美術鑑賞は難しい。
トリックアートに戻れば、椅子もこのとおりトリックアートに取り込まれている。左の長椅子と、右にある小椅子。座れるのはどちら?
昭和中期に完成し現在まで大規模な改装工事も成されず、店舗区画も埋まらないまま会場に選ばれた伏見地下街。その後はトリックアートがそのまま残されており、借賃が安価になったのか新しい店が多く入るようになった。今回は往復したところで階段を上がり、地上へ出ようか。
ビル公開空地には何があっただろうか。振り返って上を見れば、漫画のカットを模したような壁画があった。
ももか「また…、よく見なさいっての。」
(つづく)