2010年3月まで度々鉄道旅行と題して回っており、その記録をまとめようとしばらく間を置くことにしていた当時。旅行班が忘れていたこともそれなりにあったはずだ。(引用文献:Wikipediaなど)
2011年1月6日(木)午後0時23分 名古屋市中村区/名古屋駅15階スカイストリート
窓が大きく開放的な景色を望む、名古屋駅15階スカイストリート。高層ビルの林立する名古屋駅前にして、中低層のビルを見下ろす格好になる。遠目の眺めもなかなかであった。
先代の大名古屋ビルヂングは1965年に完成。地上12階,地下4階,高さ41.0mとなり、特徴となる3面形状は3期に分けて建設されたらしい。2015年に完成した"2代目"にも、下層部の3面形状が継承された。
続いて名古屋駅から延びるような、桜通も眺めてみよう。古くから都会の喧騒として存在を発揮してきたビルと、近年になって新しく建て替わったビル。完成時期によって、意匠など変わっていくのも見どころかもしれない。
ということで、何かが動き出しそうな予感がしていた2011年初め。今回も例によって、別の用事があったから有効活用という"ついでネタ"だ。
JRなど、線路のほうも見下ろしておこう。ささしまライブ地区はかつて貨物駅のあったところを活用し、2005年には愛知万博に関連するサテライト会場として活用された。以後も開発が進められ、ビルの林立する景色になった。
名古屋駅前もここしばらくで新しく高層ビルが林立するなど、大きな変貌を遂げてきた。目の前にある『名鉄バスターミナルビル』は地上18階建てとなっており、1967年に完成した当時は世界でも有数の高層ビルだったらしい。その名鉄バスセンターも2026年以降に建て替わることが決まった。
さて旅行班は幾多の"旅行モノ"をこなしてきた。一方で低予算志向や趣味的観点から『青春18きっぷ』が重用され、目的地での観光などはほとんどなかったようなもの。せいぜい地元の名物料理で頂けるモノがあれば頂こうという程度に過ぎなかったのだ。
これまで旅として重要な『観光的要素』をおろそかにしてきたのだ。そこで今回目を付けたのが、名古屋を1周する『メーグル』というなごや観光ルートバス。以前から色々と気になっていた存在であり、今回とうとう乗っていこうというのである。
ということで昼食後、『メーグル』に乗ることとした。JR名古屋駅前のバス乗り場は、駅前の工事によって位置が変わっているためよく確認しておこう。もっとも専用車両は金色の車体塗装が特徴で、外からでもよくわかる。
1.名古屋駅13:30発 なごや観光ルートバス『メーグル』
加えて専用車両には天窓が設けられるなど、各種改造が施されていた。この日は平日なので運転手による案内となるところ、休日はガイドボランティアによる案内があるという。手軽に観光という考えで、バス好きであれば当然の選択か…。
産業技術記念館はトヨタグループの企業博物館となり、大きく『繊維機械館』と『自動車館』に分かれる。高校での学習関連にて1度だけ来たことがあった程度であり、それ以来すっかりご無沙汰している。
正面口からでも名古屋駅のビル群をはっきり見ることができた。先ほどいたタワーズやミッドランドスクエアは最上階まで上がったことがある。ルーセントタワーは時間的、予算的に上まで上ることなく終わるのだろう。(ルーセントタワーに展望台は設けられていない。)
バスはノリタケの森を通り、名古屋城へ。名古屋城の外堀は水が張られたことのない空堀である。外堀の底は明治末期から昭和後期にかけて電車が走っており、お堀電車とも呼ばれた。現在の名鉄瀬戸線はさらに地下を進み、栄町発着となっている。
名古屋能楽堂には能舞台のほか、展示室を有するという。隣接する名古屋城は角度の関係で、肝心の天守閣を捉えられないまま終わった。天守閣も訪れられないまま、2018年を最後に閉鎖状態となっている。
ここから徳川園まで少し距離がある。その間は車線中央の専用レーンを通る『基幹バス』と同じルートをたどっており、この『メーグル』は異なるため通常路線と同じく左車線を走行。
徳川園に着く。園西側の黒門は明治22年に建立された欅づくりの三間薬医門であり、戦災を免れた徳川邸の遺構として今日に大名屋敷の記憶を留めている。
続いて、文化のみち二葉館へ。日本の女優第一号として名をはせた川上貞奴が名古屋市内で住んだ邸宅は『二葉御殿』と呼ばれ、政財界など各方面の著名人が集うサロンとなった。現在は復元・移築され、『文化のみち二葉館』として再生している。
市政資料館南を過ぎ、天窓から名古屋テレビ塔を望む。昭和29年6月19日に竣工し、翌日には開業。電波の発射を開始した。高さ180mで、名古屋市中心部のシンボルとして親しまれている。2011年のアナログテレビ放送終了をもって電波塔としての役目を終え、現在も"シンボル"として君臨する。
広小路栄、広小路伏見と通過。見えてくるのが御園座。歌舞伎は全く分からないのだが、音声ガイドがあるようなのでとりあえず程度から見に行くのもいいかもしれないか。こちらも建て替えられており、2018年からは新しい"劇場"として営業している。
そして再び名古屋城へ。天守閣にかわって本丸御殿の復元が完成し、2018年から一般の見学が可能となっている。ここも1度は見ておきたいのだが、名古屋おもてなし武将隊にも会えるかも…?
"往路"でも通っている明道町は菓子問屋として有名。現在では結婚の際に菓子まきはあまりやらなくなったとのことだが、代わりとして菓子の詰め合わせを配るようになったようだ。
ノリタケの森を経て産業技術記念館に戻ったところで、栄生に近いこともあって降りる。無料で見学できるエリアもあるので、産業技術記念館を見ておくのもいいだろう。今回はここで『メーグル』から降りるとし、市内観光を終えるとしたい。…観光どこいった!?
(おわり)
1乗車につき大人200円であり、メーグル専用の1DAYチケットは特典付きで大人500円。単純計算で3回乗ればいいため、じっくり観光なら1DAYチケットのほうがよかったことだろう。名古屋市内の散策にぜひ『メーグル』を利用してはいかが?(2011年当時)