今回の鉄旅リターンズプラスは2008年のお話!
リチャード「今回は私が案内しよう。時は2008年、名鉄瀬戸線に久々の新型車両となる4000系が登場した。デビューに先立って見学会があるため、検車区のある尾張旭という話である。新しい物好きが新しいものに出会えなかった腹いせに、偶然あったとことん古いのを存分に味わうとかえって新鮮な気分でいられる…。では、2008年8月24日に戻そう。」
2008年8月24日(日)午後1時前後 名古屋市中区栄
2週連続となる東京ドーム遠征のちょうど中間にあたった今回は、名鉄瀬戸線で尾張旭に向かうことにした。名鉄の他線区とは接しておらず、名古屋や金山からは地下鉄で栄へ出ることとなる。
さくら「しかしさ…。中2日でちょっとしたものを挟んで、それからまた中2日で2週目の旅なんてよく考えたね。」
めぐみ「そう?ただ2日行って中2日で1日行って、また中2日で2日行くっていう流れがなんとなくいいかなって思った。」
さくら「それで、尾張旭で新型車両の展示会に行こうって。」
なぎさ「お目当ての新車がそこいるわけだ。」
目的は尾張旭に隣接する検車区であり、瀬戸線で久々の登場となる新車。要するに展示会が行われるのだ。ということで、今回も旅行班メインメンバーによる旅行モノを始めよう。
めぐみ「そう。中2日でちょっとしたものを挟んで、それからまた中2日で2週目の旅ってわけ。」
ももか「…いいけど、わざわざ1日使うことないんじゃない?」
めぐみ「ま、せっかくだからね。」
4.栄町13:10発→尾張旭13:32着 準急/尾張瀬戸行き 名鉄6225
瀬戸線では長らく新車が入っておらず、これまでも他線区で使用された旧車やそれらの機器類を流用した車両が多くあった。栄町乗り入れと直流1500V化に合わせて6600系が新造された後、投入されたのは走行機器類を流用した6750系。加えて他線区から転用されてきた6000系となる。
めぐみ「…瀬戸線で6000系しか乗ったことないんだけど。」
さくら「そういえばそうだよね…。オリジナルな6600系もいるんだし、それこそ釣りかけなんか今他にないじゃん。」
東大手を出て地上へ出ると、しばらくは高架を進んでいく。大曽根から少々したところで高架区間が終わり、矢田を出たところにあるカーブは名鉄で最もきついもの。またカーブも多く駅間距離が短いことから、高速性能は必要とされていない。
なぎさ「なんか結構…、無理してるっていうか。あんまり通過してもそんなに。」
さくら「本線より揺れる…、よね。」
栄町から乗ること22分で、今回の最寄駅となる尾張旭に到着。ここから検車区へは徒歩で向かうこととなる。
めぐみ「けっこう人来てるね。」
ももか「まあ…、これだったら迷うこともないんだろうし。」
さらに歩いて10分ほどで尾張旭検車区に着いたものの、すでに車内見学の受付は終了していた。
さくら「…もっと早く来たほうがよかったんじゃなくって?」
ももか「いいけど…、また何か余計なことして。」
仕方ないので車内見学はあきらめ、新車となる4000系を車外から撮影する。他線区で使用される3300系と同等なステンレス車体にして、前頭部もステンレス製らしく形状が角ばっており大きく異なっている。車内も大きく異なり、名鉄の一般車両で初めて車内案内装置が液晶画面となった。
なぎさ「これ最悪…、今じゃなくたって乗ろうと思えば乗れるんだろ?」
尾張旭での目的も終え、ひとまずは駅まで同じく徒歩で戻ろう。不完全燃焼気味だが、尾張旭からはひとまず栄町へ戻るのみ。
5.尾張旭14:22発→栄町14:48着 普通/栄町行き 名鉄6752
しかし旅行班のネタは終わっていなかった。タイミングよく尾張旭では折り返しの普通に6750系が入り、今回の新車によって消えるであろう釣り掛け駆動車となる。しかも初期型となる2両編成2本で、常時連なることから実質4両編成が1本しかない。
めぐみ「釣り掛けなんて乗った記憶無いよ。」
さくら「だってね、そりゃ旧性能だもん。」
発車すると現行のカルダン制御と大きく異なる、低速域から鳴り響く重く低いモーター音がきた。加速する際に大きな音を立てる一方、惰性時や減速時はモーター音がこない。
めぐみ「そう、この音。」
さくら「重みがあっていいよね。」
尾張旭から乗ること26分。旧型車両ならではの"釣り掛けサウンド"を堪能し、栄町に戻ってきた。瀬戸線生え抜きの6600系もそうだが、6750系の初期型は本線から来た6000系に準じた顔つきとなる。一方で側面窓は2段式となり、6600系が当初比冷房だった名残ともされた。
めぐみ「なんというかな…?6000系っぽいけど、ちょっと違ったみたいな。6600は下、カバーついてるじゃん。」
また6750系のドアは内側がステンレス地そのままであり、名鉄では珍しいタイプとなる。この特徴は車体構造の大きく変更された後期型にも引き継がれたほか、今回の新車となる4000系でも採用されている。
釣り掛け駆動車でも真っ先に消えるだろうと思っていた前期型が、結局は最後となる2011年まで残ってしまった。ある種の皮肉と言えばそれまでか。
地下鉄で名古屋駅に戻り、まだ昼食をとっていなかったため地下街でかなり遅めの昼食とした。そこから中2日で2週目の東京ドームとなるわけだが、それはまた別のお話。機会があれば1週目も合わせて、改めて…。
(尾張旭見学会 おわり)
リチャード「…まあ関係のない話だ。後はどういう意図でやたらドアップな構図になったのか知らんが、今回はこれで終わる。」