なぎさ「こんにちは…。これまで313系はJR東海でも名古屋地区で勢力を拡大してきたところ、2006年からはいよいよ静岡地区へ投入がされます。座席は313系として初採用のオールロングシートで、短い時間で座ってきました。まあ…、いいけど。じゃあ2006年12月10日に戻していいんだな。」
 

2006年12月10日(日)午後3時45分 静岡県浜松市/浜松駅

 磐田から11分で浜松に戻ってきた。211系5000番台のロングシートも悪くはないのだが、313系では座席幅が拡大されたため劣ってしまうのだ。そして設備面では車内案内装置がなく、やはり旧式なのだろうと…。

6.浜松15:49発→豊橋16:21着 普通963M/豊橋行き 113系
 浜松から豊橋は静岡地区,名古屋地区で車両が混在する。ここで乗り込むのは前者だったが、ここにきてまさかの旧車たる113系。4両編成と6両編成は置き換えられる113系しかないため、運用にも変化が生じることだろう。そしてボックスシートの車内は混雑していた。
ももか「大概にしなさいよ…。」

 適当に座ろうにも、席を確保できない人もいたであろう。そのまま113系で国鉄由来のモーター音を嗜み、浜松から32分乗って豊橋に到着。今回のJRはここでおしまい。なおJR東海から113系が全て引退するのは、翌2007年の3月となる。
ももか「で…、また名鉄で終わるってね?」
さくら「まあ、ここから考えてなさそうだし。…そう?」

7.豊橋16:32発→知立17:01着 快速特急/名鉄岐阜行き 名鉄1200系一般車
 豊橋からは再び名鉄電車を使って、名古屋市内へ帰っていこう。一部特別車特急の新車となる2200系は2006年当時4本しかなく、岐阜~空港線系統に専念していた。その後2200系が増加することとなり、岐阜~空港線系統以外でも恒常的に運用されることとなった。
ももか「あのね、一つだけ言いたいことがあるんだけど。」
めぐみ「何?座りたいって?」
ももか「それもだけどさ、たまにはアンタも立ったらどうなの?」
めぐみ「え?」
ももか「たまには席立ったらどうなのよ?って。」
めぐみ「朝は基本立ち席だよ。」

 一般車の座席は転換式クロスシートとなっており、登場した1991年から搭載されているもの。座面はそこそこ柔らかめにして、位置もそこそも低い。照明の仕様もあってか、車端部は少々暗く感じられる。
めぐみ「…降りていい?」
ももか「え?また何か?変なことしようって。」

 豊橋から29分乗車した知立で降りることとした。待避していた普通に、気になる車両が使われていたためだ。加えて、それだけにあらず…。
なぎさ「…何買った?」
めぐみ「…ちょっと欲しくなった。」

8.知立17:03発→前後17:12着 普通/弥富行き 名鉄3300系
 知立のホームにあった『知立庵』で買ったポテから(ポテトと唐揚げ棒)とともに、名鉄の新車へ乗り込もう。こちらはロングシートと併用される方式ながら、先ほどの特急一般車と同等であろう転換式クロスシートを搭載する。(※知立庵は2009年12月に閉店した。)
めぐみ「…あれ?」
ももか「どうした?」
めぐみ「何かさっきのと比べるとね、こっちの方が硬いし狭いの。」
ももか「それって、座席?唐揚げじゃないよね?」
めぐみ「座席だけど。」
なぎさ「私はこっちがいいな。座面低いのあんまり好きじゃないんだ。」
さくら「…それ1200系と比べて言ってない?」
なぎさ「何、別にいいだろ。」

 座席そのものは2003年に小牧線へ投入された、地下鉄上飯田線専用の4ドア車たる300系と同じモノ。特急一般車と同等と思われた転換式クロスシートも、こちらのほうが座面は高くカタく感じられた。全体的にはやはり軽量化の方向へ進んでいるらしい。
さくら「やっぱ違ったんだよ。こっちの…、13年?経ってからじゃん。」
なぎさ「まあ…、あっちの座面?そこまで低くなけりゃな…。」

9.前後17:13発→神宮前17:26着 急行/名鉄岐阜行き 名鉄6500系
 ポテからもおいしく食べ終えたので、小さくテーブルが備わっていた転換式クロスシートの普通(前後から準急)から急行に乗り換えよう。
ももか「ああ、そうだった。この唐揚げってゴミどうすんのよ?」
めぐみ「駅とかにゴミ箱ぐらいあるんじゃないかな?そこ捨てて、終わり。」

 以降は特に取り上げることもないだろうか。
さくら「ではまた次回お会いしましょう。」
ももか「終わっちゃった…。」


 改めて、今回の車両について比較しよう。まずは双方ともオールロングシートとなる313系と211系。やはり新しい313系は座席幅を確保しており、211系も背もたれ形状や感覚など悪くなかったものの狭さが否めなくなった。

 さらに名鉄では1200系と3300系。同一と思われた形状の転換式クロスシートが異なり、特急用となる前者は製造時期が早いこともあってか、重みがあって座面も柔らかめな一方で座面が低い。後者は上飯田連絡線用300系に始まり、次世代の特急一般車となる2200系でも採用された。

 また1000系も2015年からリニューアルが進められ、2200系の座席モケットとなる。

 ついでに…、JR東海313系と名鉄3300系。ロングシートもそれぞれ比べてみよう。JR東海は曲がりなりにも長距離乗車を見越しているようで、深く楽な姿勢を過ごすのか少々低めの座面は柔らかめ。一方の名鉄は形状こそ似たように思えても、座面は扁平で固く感じられたもの。

 まあ適材適所といったものか。もっとも名鉄は乗車時間が長くないことから、軽量化と費用減を図ったかもしれない。
ももか「…最後のこれ何?」
さくら「…ちょっとスペース余ってたし、穴埋め的な?」
(静岡の新星などをサンプル調査する おわり)