かつてテニスの有力女子選手だったキャンベル兄妹の妹、キム・キャンベル(SPY×FAMILY)。彼女のテニスプレーヤーとして、その終焉はあっけなかった。実家の主宰するテニス大会にて兄妹で出場し、善悪問わずあらゆる手を尽くしたにもかかわらず無名なペアに敗北していたのだ。
敗退後は兄が熱心な勧誘や指導を受けることに乗り気となった一方、妹はテニスプレーヤーとして意欲を失う。そのまま何事もなく生活してきたところ、刺激が足りずに淡々と過ごす日々に疑問を抱き始めてきた…。そんなある日、ギャル2人組に絡まれる。
パデルで対決しよう!!
『パデル』とは硬式テニスに準じた新スポーツで、コートが囲われているのが特徴。テニスと大きく異なるのが"囲われたコート"であり、この壁面を使ったプレーもまた特有の魅力となる。プレーそのものは単純なので、環境さえあれば誰もが楽しめるというのもいい。
テニスと似ている『パデル』について、改めて説明しておこうか。金網や強化ガラスで囲われたコートは高さ6m程という。コート面そのものも20m×10mと、テニスの半分程度らしい。コート面は青色をした砂入り人工芝となる。
ラケットはテニスと大きく異なり、カーボンやファイバー製という1枚板タイプで凹凸がない。全体的に短く作られており、初心者でも扱いやすくなる。ラケットのストラップを手首に通して使おう。ボールは硬式テニスとだいたい同じだ。
ルールについて、いわゆる"フェン直"はアウトとなる。ワンバウンドからフェンスに当たるとインとなるため、それを打ち返すことができるかというのも重要な要素だろう。2バウンドがアウトなのはテニスと同じ。
さて彼女とギャル2人組(可愛いだけじゃない式守さん)は面識があった。というのも登場を終えていたアニメキャラが対象となる"トライアウト"に参加しており、顔を合わせてからも"二次試験"で共に参加。しばらく音沙汰がないものと思った彼女は、そのこともすっかり忘れかけていた。
また彼女はテニス経験者故、パデル体験会に呼ばれることもなかったのだ。よって参加していないため、いきなり本番ということになる。しかもテニス経験者だからと、ハンデとして1人で…。
しかし彼女は早々に違和感を感じた。用具が小さく、扱いやすくあるもリーチは短い。コートも狭ければ壁面もあり、ワンバウンドで当たれば打ち返すこともできる。ましてや本来ダブルスが基本なところ、シングルで対峙している。
ギャル2人は体験会を経て、あっという間に習熟していた。不慣れなサイズの用具で、1人では苦戦を強いられる。こうなるのだったならば、テニスを続けていればよかったのか。あるいはテニスなど最初から始めなければよかったのか…。
そこへもう1人いた。岸田あいか(※当ブログ)は"二次試験"に立ち会っており、パデル体験会にも参加していた。何はともあれ、これでダブルスを組むことができる。
対決のつもりだったがいつしかペアも適宜組み変わり、彼女もテニスをやっていた当時の感覚を取り戻すように動いている。気づけばコートの使用時間も期限が来ていた。得点なんざ、ほとんど最初の段階で覚えていない。もっとも得点方法のルールは存在し、硬式テニスと同じである。
そんな意気投合していた彼女へ…。
あい「うちに来ない?」
かくして当ブログの客員がまた1人増えることとなった。その目的が大きくわかるのは、もう少し先の話かもしれない。
(おわり)