阪神電気鉄道(以下:阪神)は、2027年に新型急行用車両となる3000系を導入すると発表した。6両編成中1両に、阪神では初導入となる座席指定サービスに対応した車両を連結するのが特徴だ。こちらについての考察は当稿後半で。
当ブログで想定した形式は2代目2000系だったが、そうはならなかったらしい。確かに阪神で3000系というのは覚えが無い。調べると3000系は過去に存在しており、今回登場するのは2代目だ。2000系も3000系も、初代は旧型車両を更新した改造車だ。
快適性・省エネ性に優れた電気式戸閉装置やインバータ式空調装置も、阪神では初採用となる。また同期リラクタンスモーターを駆動システムに採用することとなり、世界でも福岡市地下鉄4000系や東武80000系に次ぐ採用となる。これにより消費電力が(対8000系比)約60%削減されるという。
車体のカラーリングも一新される。古来からの伝統であった『赤胴車』へ回帰するように、バーミリオン系の色味が採用された。その名を『Re Vermilion(リ・バーミリオン)』という。
Re Vermilion とは『赤胴車』の“バーミリオン”に“再び”という意味を表す接頭語“Re”を加えることで、皆様から永年ご支持いただいた「赤胴車」を継承。期待に応え続ける車両になってほしいという思いを込めた名称らしい。
何より指定席サービスの新規導入だ。グレードを求めるならば近鉄特急と同様のリクライニングシートだろうし、座席確保のみを目的とするならば転換式クロスシートの派生かもしれない。近鉄への直通を前提とすればリクライニングシートだろう。
さてリクライニングシートの場合に気は早いが、近鉄22600系のリニューアルも無関係でない。一般車たる8A系では新たな内装デザインが採用され、従来車両のリニューアルも同等となる。そして特急車両でいよいよ…、ということ。そして阪神の指定席へも採用する。
あ…、その前に12400系置き換え用の汎用特急車両か。
やはり近鉄も阪神に準拠した、19m級3ドア車両を基本6両編成+増結2両編成で導入すべきかもしれない。近鉄・阪神直通は原則として快速急行で使用し、平日一部時間帯を除いて8両を組む。
山陽電鉄も同様だろう。もっともこちら(直通特急)は6両編成のみが使用されるため、山陽電鉄名義で2両編成を導入する必要はない。現時点では近鉄への乗り入れを想定して設計されるようだが、当面は阪神(山陽電鉄の須磨浦公園までを含む)で完結らしい。
とりあえず9300系のリニューアルも控えており、6両編成が3本しかないことからそちらで試験に供したい。近鉄乗り入れに対応しないことも、9300系にした理由となる。こちらもリニューアル後の色味を考えており、まさに3000系のような赤色系とみていた。
今回の発表では既存急行用車両のカラーリングを一新することも含まれた。それこそ9300系のリニューアルで、一新された装いとなることだろう。ステンレス車体の採用された9000系や1000系は黄味の強いオレンジ系であり、特に1000系が赤色系となったイメージがわかない。
むしろ当面変えないことで、近鉄乗り入れ対応であることを示しているように思うのだ。そんな車両形式ごとの新デザインについては、決まり次第発表し予定とされた。なお8000系は『赤胴車』本来のカラーリングへ戻されるため、今回の新イメージから除かれた模様。
(おわり)