今回は日本テレビの野球中継などについて。

 巨人軍創立60周年を迎えた1994年、「劇空間プロ野球」のポスターやCMには、長嶋茂雄(当時巨人監督)の選手時代の引退セレモニーの写真に大きく×を付けその下に「巨人を棄てる」という刺激的なコピーと長嶋からの「過去60年の栄光に捉われずまっさらな新球団の様な気持ちで取り組む、60年目の節目を迎えたジャイアンツにご期待ください」旨の内容のメッセージが書かれたデザインが発表された。しかし一部の巨人ファンや別所毅彦等の大物OB、渡邉恒雄ら読売グループ内部から「巨人軍を馬鹿にしている」「長嶋が許してもわしらが許さん」「過去の栄光は何だったのか、ということになる」などと日テレ側に抗議があり、CMはわずか3日でお蔵入りとなった。(Wikipediaより引用)

 あれから30年…。(以下、偏見も含む。)

 地上波全国テレビ中継の視聴率が低下傾向だったところ、2004年にパ・リーグ再編の動きが勃発。セ・リーグとの格差が浮き彫りとなり、渡邉恒雄氏の不用心な発言もあって一転し非難を受ける立場へ。加えて有力アマチュア選手への裏金問題も発覚し、渡邉氏はオーナーを辞任した。

 2005年からはセ・パ交流戦が開始。これまで中継数の少なかったパ・リーグ球団が日の目を浴びることが増えていく。その一方で"巨人戦は"視聴率の低下が顕著になり、2006年頃からは地上波中継の縮小も図られた。

 かわってBSデジタル放送による中継が増加し、2011年のアナログ放送終了もあって普及が進んでいく。またパ・リーグは球団主導で野球中継を制作することとなり、特にBS12で多く放送されるようになっている。

 また球団主導で野球中継を制作することで、インターネット配信へも活路を見いだすこととなる。パ・リーグ球団は合同でマーケティング会社を設立しており、リーグ単位で放映権を販売することも始まった。

 配信事業の台頭によって放映権料を収入とすることができた現状、旧来の地上波テレビ放送を重視したままの読売がむしろ面倒な存在になった。もっとも読売も読売で、配信事業は行っている。

 さて2013年に大谷翔平選手がプロ入り。投打双方の活躍を見せて、渡米する2017年シーズンまでパ・リーグを牽引していく。引き続きパ・リーグ中継が増加しており、セ・リーグとの格差がより縮小していった。合わせて実観戦における入場者数も増加を見せていったのだが…。

 2020年は受難だった。例の感染症が拡大し、開幕が延期したうえに泣く泣く無観客での興行を強いられる。このため中継の放送や配信が全てという状況となったのだ。観客入場が認められた後も最大収容数の半数程度に制限されており、2021年も続く。

 読売で見るならば、2019年から連覇を果たすも日本シリーズでは8戦全敗。2022年からは2年連続4位となり、2024年はセ・リーグ優勝優勝を果たすも日本シリーズ進出ならず。
 

金曜夜は野球の時間だ!提案しよう!!

 ということでようやくの本題。2024年のセ・リーグポストシーズンは地上波中継があり、視聴率も近年としては上々だったらしい。しかしそれが2023年の世界野球制覇なのか、相変わらず旧態依然な読売への忖度だったのか。

 そこでいっそ"巨人を棄て"て、純粋に地上波視聴率を図ってみようということ。その枠を日本テレビ系金曜ゴールデンタイムとしたうえで、原則として差し替え自由な関東ローカルとするのだ。

 放映権料が相変わらずであろう読売は開幕戦を除き除外し、11球団でランダムに編成。放送する試合が阪神(読売テレビ),広島東洋(広島テレビ),福岡ソフトバンク(福岡放送),北海道日本ハム(札幌テレビ),東北楽天(ミヤギテレビ)の各主催ならば、各地区で地上波放送がある場合にそちらを放送。

 埼玉西武かオリックスの主催ならば日本テレビが直接制作することとなろうか。CSで系列の放映権を得ている千葉ロッテは、球団による中継をほぼ流用するかもしれない。東京ヤクルトと横浜DeNAはたぶんビジターだけだ。

 そして中日は主催試合の放送対象に加えてみよう。系列となる中京テレビは中日新聞の資本がないことから、中継の放送は行わない。そこで…、独立系で中日新聞の資本がある三重テレビと共同制作ならばどうだ。

 

 

 また中京テレビで当該の中継が放送される条件としては、上述した関東ローカルおよび系列局による中継のビジター球団が中日となることだけ。これで基本的に、現在好評なローカル番組に支障が出ないはず。

 まあ、視聴率と放映権料のバランスで有利なほうはどっちかってこった。以上、個人的な戯言。
(おわり)