中日は2軍本拠地を、近々にナゴヤ球場から移転させることを公表した。
現在のナゴヤ球場は1997年から2軍本拠地となっており、1軍本拠地だった当時に幾多の増改築を重ねてきたこともあって老朽化も進行。球場規模の適正化などもあり、順次減築が進められてきた。
メインスタンドは事実上3代目となり、2010年から使用されている。これだけならばまだ早いことだろうが、おそらくサイドスタンド(1948年完成)やその他諸設備が古来のままということか。スコアボードも全面改修工事が公表されたばかりだ。
そこで今回は、前年春にナゴヤ球場へ出向いた話を再度流していきたい。
2024年3月2日(土)午後1時43分 名古屋市中川区/ナゴヤ球場
今回は名古屋市中川区にある2軍本拠地、ナゴヤ球場へ出向いてみた。ファームクラスで理想の野球場を求めつつ、参考となればということだ。なんだかんだで2015年4月以来、随分と久々だ。
ウエスタン・リーグの春季非公式戦(教育リーグ)では、窓口販売の当日券(大人500円)のみ扱われる。入口にある窓口で購入する際、現金以外は使用できない。飲食の持ち込みは瓶,缶が禁止されるのみで、基本的には自由だ。
現在のメインスタンドは2010年に建て替えられたものとなり、入口から左右に分かれて階段を上がっていく方式。1塁側へ上がる階段の手前にあるドアから、外の喫煙所へ出られる構成だ。
正面には2011年にファーム日本選手権で優勝した、優勝旗が飾られている。
売店は2階へ上がった通路に1つあり、飲食もパスタやとりめしなどそれなりにオリジナリティあって取り揃っている。教育リーグではグッズの扱いはないようだ。トイレもメインスタンドの通路端部に設けられる。
メインスタンドから少し進んだ内野席はまた座席が更新されていた。濃い緑色をした座面固定座席であり、内野に近い区画では背もたれ付き。最上段と外野に近い区画は背もたれなしとなる。1塁側,3塁側とも構成は変わらないほか、指定席用の番号も記載されていない。
2015年時点では1軍本拠地でエグゼクティブエリアから捻出した、跳ね上げ式の内野席を流用。座席番号はバラバラとなり、指定席としての使用はこの時点で不可能となっていた。
何はともあれ、3月頭ながら雪が舞うほどに寒かった。とりあえず温かなモノがあるならばと場外の自動販売機にて探せば、持ち込み可能なペットボトルでコーヒー飲料は切らしている。仕方ないのではちみつレモンにしよう。
3塁側に中日ドラゴンズの施設を構えているため、スタンドの規模が左右で統一された2010年以降は3塁側がホームとなる。周辺は集合住宅が多く、高層階からは試合や球場内部の様子も眺められそう。近隣に新幹線が通っており、1964年当時からそれを含めた景観として成立していた。
スコアボードは設置当初からややライトに寄せて設けられており、現在も躯体そのものは変わらず使われ続けている。この躯体のまま1軍で用いられるような全面ビジョンを設けるとどうか考えるも、面積がやや足りないかもしれない。
後日画像を切り貼りし、イメージ画像としてみた。レイアウト次第では何とかなりそうか。
メインスタンドへ移動しよう。2015年当時と比べ外野フェンスの広告が多くなっており、正直この程度あったほうが個人的には好みだったりする。一方で内野ファウルゾーンに敷かれていた人工芝は面積を大きく縮小。内野部分は土に戻された。
ナイター照明は遅くとも2000年以降、2024年現在まで設けられていない。2軍本拠地としてナイトゲームを実施するならば設けたいところ、外野席を再度設置するかどうかで話が変わってくるか。メインスタンドに屋根はなく、可能ならばそちらも欲しいものだ。
一応来た以上、試合に目を向けよう。教育リーグは1軍のオープン戦と同じく、9回終了時に同点ならばそのまま引き分けとなる。2024年から2軍のみ新規で参戦する『くふうハヤテベンチャーズ静岡』を迎え、中日の2軍と引き分けた。
そんなナゴヤ球場が1軍本拠地だった頃、現在の山王(名鉄名古屋本線)は『ナゴヤ球場前』と駅名を冠しており。球場に近い臨時出口を『グラウンド・ゲート』と名付けていた。JRについても尾頭橋が開設される前、貨物支線に臨時駅が設けられている。
近隣は住宅が多いことから、貨物支線を活用できないものかとも見ていたところ。貨物支線自体が末期は1日1往復未満のレール輸送のみとなり、この2024年3月改正で廃止となった。
退出後、ライトフェンス裏手へ回ってみた。2軍本拠地となって以降は外野スタンドへ立ち入りできなくなり、先立つようにレフトスタンドなど3塁側の多くを解体。2010年の大規模改修工事でライトスタンドなど1塁側も縮小し、完成当時の外観に近くなったかと。
そんなライトスタンド跡地は駐車場となった。レフトスタンド跡地は中日新聞のグループ会社、中日総合サービスが営業所を構えている。今回はこのまま後にして、ナゴヤ球場の話を終えよう。
(訪れる球春とナゴヤ球場 おわり)
とりあえずこの段階の了見からすれば、メインスタンドが2025年で15年目となる。移転することを公表した段階では移転先などが決定していないものと考えられ、もう少し時間を要することだろう。よって当面はナゴヤ球場のまま継続とみていい。
周辺設備はといえば、室内練習場や選手寮は2004年完成だったかと。周辺にサブグラウンドと呼べるものもなく、他球団の2軍施設が充実してくる中では手狭な感も否めなかった。老朽化という面でいうならば、ちょうど移転先が完成する頃に耐用限界を迎えるぐらいだろうか。
ということで昨今の動静もあってか、早めに各種必要事項を確保していこうという了見とみた。ひとまず今回はここまで。
(おわり)