2024年11月9日(土)午前10時1分 北海道夕張市/新夕張駅
33.札幌8:52発→釧路(13:20)着 特急おおぞら3号/釧路行き キハ260-1338
新夕張からはかつて、夕張への支線が分岐していた。現在は前々日のような異常が発生しない限り、2面4線のホームを持て余している。もっとも普通は新夕張から新得へ向かわず、折り返すだけだ。
分かれていく夕張支線はもともと利用が少なかったようで、今も構造を残しつつ列車が走ることはもうない。
観光バスが立ち寄れるような休憩施設も、すっかり閉業したまま廃墟として残るしかない。前日に抑止を食らった楓信号場は程なくしてあり、かつては駅として1日1往復のみ普通が乗り入れ折り返していた。
楓信号場から先は開業以来、現在まで特急のみが高速で走行している。線形をよくするためトンネルも多いところだが、しっかりと自然豊かな景色を眺められる個所もあるのがいい。晴れてくれてよかったものだ。
占冠に停車する『おおぞら』は少なく、1日1往復しかない。帯広までの区間便となる『とかち』は、5往復全て占冠に停車する。
トマムは数少ないカタカナ駅名で、地名由来ともなればとても珍しい。特急が全て停車しながらも無人駅となっており、乗車証明にQRコードを用いるという新方式が採用された。新千歳空港や札幌には、対応する精算機が設置される。
清らかな川の流れるところで、この特急は交換待避のため停止した。さて『おおぞら』がキハ261になって以降、両数が短くなったような気がする。中間車両は1両単位で連結可能なことから、需要に応じた編成は組むことができるかと…。
かつて富良野から来ていた根室本線は、トンネル内にある信号場から合流していた。トンネルから出ると山から下るよう、左側に眺められる景色が見ものだろう。写真はどうもまたうまくいかない。
車窓の絶景はもう少し続く。新得までの根室本線は先ごろ正式に廃止された区間だけでなく、1966年までは旧線を通っており絶景だったらしい。そんなこの周辺は総合畜産試験場となっている。
新得まで10km。回り込むように山を下っていくので、今度は右に絶景を眺めることとなる。左はなだらかに上っていく斜面と、黄色く色づいた木々が秋らしい。
牧場内を通り抜ける直線道路。建物はポツポツある程度しかなく、人家となればさらに少ない…。
新得で正式に、石勝線は根室本線へ合流することとなる。特急が全て停車するだけあり、周辺には建物がそこそこ多く見られる。ここまでは『とかち』と同じ停車駅であった。
根室本線に入ると様相が一変し、平野部を突き進む路線となっていく。十勝清水を前にして製糖工場があり、北海道が原料となるてん菜の産地だと改めて実感する。
十勝平野は農作が盛んであり、一種の北海道ブランドを形成していることだろう。それこそ、てん菜だってそうだ。
北海道の"道らしい道"で思い浮かぶのは、建物のない農地を縫うように進む未舗装路だろうか?こういった景色を狙うにも、タイミングはなかなか合わせづらい。
道東自動車道もこの付近は早くから開通していた。当時は他線とつながっておらず、交通量も少なかったことだろう。札幌から(千歳恵庭を経て)直結した現在、そういう様子を想像するのも面白そうだ。
高架へ上がり郊外らしく建物が増えてくると、帯広の市街地が近づいてきたといえようか。この時点では3分ほど遅れているという。
(つづく)