なぎ「これって…、もう年明けてんだっけ?」
さく「まあ、進み具合が進み具合だし。あれだけ回ったんなら、そんなもんでしょ。」

 そんなこんなで、2024年中は11月の北海道旅行を3日目まで紹介した。今回からは正式に4日目となり、夜明け前の札幌から再スタートとなる。
さく「やっぱり持ってたんだよ。網走で食べ放題があったから、最後あの夜中まで耐久戦に勝てたと。」
なぎ「絶対そういうことやるんだよな…。それで、最初から持たそうって。」

 時間は2024年11月8日、午前5時。前夜は元々札幌着が遅くなる予定であり、スタートを午前11時頃にも考えていたのだ。
さく「いや、やっぱさ?11時スタートなんかダメだよ。せっかくだからじっくりコースとかしないで、朝からあるんだし。」
なぎ「そうなるよな。別にネットカフェで過ごしてもダメとは言わないけど、ネットカフェに入るほうと逆になった。」

 

 2024年11月8日(金)午前5時 札幌市北区/札幌駅西改札口

 午前5時になった。駅の各種設備は稼働を始めるも、改札が開くのは午前5時40分。それまでは待たなくてはならない。

 ところでこの日は緩めの行程を組んでいるとした。目的は室蘭本線のうち、すっかり支線となっている苫小牧(沼ノ端)から岩見沢の区間である。実のところこれだけであったため、スタートも午前11時頃と言っていたのだ。

 では予定を早められるのかといえば、そこまでではない。目的となる区間は本数が少なく、最大にして唯一となる行程上のネックであった。もっともこれについても、フリーパスの効力を生かした策がある。

 札幌からの初電車は快速エアポート10号で新千歳空港行き、手稲始発の札幌まで普通となる。その次も新千歳空港行きで、こちらは札幌始発の普通だ。是非とも座って寝ておきたい。

 往復して戻ってくれば、室蘭本線の苫小牧から岩見沢を回るにちょうどよくなる。当初計画のように苫小牧から回ってもいいし、逆に岩見沢から回ってもいい。そこまでにできれば特急を、少しぐらい乗りたくなっていた。指定は取らなくていいだろう。


 午前5時40分となり、改札が開かれる。新千歳空港まで乗っていって、早朝便の予約を有している人はどれほどだろうか?


23.札幌5:50発→新千歳空港6:28着 快速エアポート10号/新千歳空港行き モハ733-3209
 自由席がオールロングシートとなる733系。手稲から普通で来たこともあり、既に乗っている客もそこそこ見られる。乗客も多かったがひとまず座席を適当に確保して、あとは流しつつ寝られるだけ寝ていこう…。


24.新千歳空港6:38発→札幌7:18着 快速エアポート11号/札幌行き モハ733-3209
 38分で新千歳空港に到着したところ、特にすることはない。同じ733系6両編成で、そのまま折り返していくだけだ。早朝だけあり到着便がないため、空港から乗る人はほぼいない。


 地下にある新千歳空港支線から外へ出ると、まさしく雪が上がって晴れた朝。寒くはあれど心地よさそうだ。

 早朝の新千歳空港始発にして快速運転を行っており、この日は金曜日。千歳からはより通勤列車らしい様相となり、優先席以外が早々に埋まってきた。恵庭の段階ではまだ立ちスペースに余裕が見られる。

 北広島では通路部分が埋まりつつも、優先席はどういうわけか空席のまま。朝7時前後でまだ早いのか、1人当たりのスペースは十分確保されていた。

 新札幌は降りていく客が多くなり、ドア部分に余裕が出てきた。多くの時間帯で新札幌から札幌は無停車だが、早朝と深夜帯に白石にも停車。乗降ともそこそこあるようだ。


 新千歳空港から40分で札幌に到着し、そのまま回送となった。この次に新千歳空港から快速運転を行うのは、新千歳空港が8時台となる。

(S)緑茶うらら500ml(JR北海道フレッシュキヨスク) 130円[軽]
 前夜に仕入れていた炭酸飲料とコーヒー飲料をほぼ飲み切り、この日の水分をどうするべきか。そうなれば買うしかないだろう。なんだかんだで北海道ブランドを確立した緑茶だ。前夜に配布された非常用水は、引き続き非常用として温存させよう。


25.札幌7:30発→苫小牧(8:18)8:28着 特急すずらん2号/東室蘭行き モハ789-1007
 789系0番台『ライラック』を目当てに岩見沢から回ってしまうと、苫小牧から乗るのが『北斗』になってしまう。苫小牧から回ろうとすれば、実は前々日と同じ列車(すずらん2号)になっていたりする。いたのは前々日と異なり、789系1000番台であった。


 登場以来785系と共通運用が組まれており、2024年から『すずらん』が全席指定となるのも同じ。今後も長く使われる789系は座席が交換され、4号車『uシート』と同様のグレードアップ指定席になっていた。一方で『uシート』と異なり、座席にコンセントは搭載されていない。


 北欧風のデザインを採用した0番台などと異なり、天井は白系で床面模様も別のモノを採用。壁面も木目調にして、やや濃い目のモノトーンになっている。何より照明が暖色系なことで、ちょっと特別な気分にされてくれるのだ。


 冬の晴れた空と雪化粧した風景に、霧が立ちこめてくる。秋の景色を求めたつもりが、一気に冬になってしまった。そのまま天候が怪しくなっており、特急にして速度が下がっていく。


 植苗から沼ノ端にかけては木々が多いところ、上下線が離れて進んでいる。これは元々岩見沢からの室蘭本線が先にあったためで、程なくすると複線の線路を跨いでいく。


 札幌から通常48分のところ、苫小牧には遅れて到着した。乗り継ぎを考えると、10分程度ならばさほど問題はないだろう。周辺はすっかり雪が見られない。


 苫小牧は2面4線式ホームと橋上駅舎を持つ。千歳線は手前の沼ノ端までであり、合流した室蘭本線の駅となる。この他は鵡川までになってしまった、日高本線もここから発着する。
(つづく)