2018年8月23日(木)午前7時21分 東京都八王子市/JR高尾駅
30.高尾7:27発→塩山8:44着 普通523M/小淵沢行き モハ211-11
大月から先へ向かう、高尾始発の普通も入ってきた。長距離乗車に適したボックスシートだが、全体から見れば少数派。10分ほど待ち構えたため、余裕を持って座席を確保できる。
もも「そりゃあね…、長いこと一緒ならわかるわよ。」
さく「ボックスでよかったじゃん。」
なぎ「お前が言うな。」
6両編成にそこそこ乗車して発車。中央東線は高尾からそのまま、いきなり山へと進んでいく。並行しているのは先月通った中央自動車道であり、この付近で圏央道が交差する。
なぎ「前に見たろ…。」
もも「…寝るのね?」
相模湖で特急が通過するため、この普通は少々停車。その間に隣からは通勤特快が発車していった。路線中この周辺だけ、神奈川県に位置している。
さく「ってか、写真よかったの?」
めぐ「昨日のあるし…。」
山岳路線の途中駅、上野原で多く降りていく。四方津では周囲に不釣合いなエスカレーターが、開発された住宅地へ続いている。
もも「…次、ここ降りたら?」
大月からも乗り続けよう。小淵沢までは100kmに満たないため、塩山まで普通に乗らずとも特急料金は変わらない。もっとも運賃は相応に異なり、今回乗り続けるのは出費抑制も理由の1つ。
ボックスシートにヘッドカバーはなく、当初は頭部分がレザー張りとなっていた211系。座面改造とモケット交換等を経て長野へ転属後、知らない間に背もたれが全面モケット張りとなっている。
めぐ「JR東海だとカバーかかるんだよね。」
さく「じゃあ、ちょっと前空けようか?」
もも「なんでよ?どうせ全部合成でしょ?」
JR東海であれば形状はともかく、ビニール系ヘッドカバーは用意されるだろう。
もも「…終わった?」
めぐ「終わったよ。」
引き続き、国道20号や中央自動車道と並走する。適度な距離感を保ちつつ、周囲の風景と共に雰囲気を…。
めぐ「…まとまんないね。」
さく「別にパスしたっていいけど。」
峠を抜けたようで、勝沼ぶどう郷からは眺めがいい。
もも「空が近いってんでしょ。」
なぎ「先、言うなよ。」
塩山は2番線に入る。ここで停車時間があり、今回は普通を抜かす特急に乗り換えたい。
もも「前もって買わなくたって、余裕あったんじゃなくって?」
めぐ「どうなるかわかんないし…。」
せっかくなので、わずかな時間でも外へ出ておこう。橋上駅は新しいようだが、後で調べればそうでもないらしい。
めぐ「…以上。」
なぎ「終わるの早いな。」
(S)爽健美茶(コカ・コーラ) 129円
ここからまとまった時間もないので、補給する水分を調達しておこう。
31.塩山8:53発→小淵沢9:36着 特急あずさ3号/南小谷行き モハE257-4
通常は新宿始発のところ千葉始発、松本行きが通常のところ前9両は南小谷まで行く。このためか2018年8月時点では、新型車両への置き換えが後回しにされていたようだ。その後2019年からはE353系となり、全席指定となった。さらに現在は大月まで『富士回遊』を連結し、松本止まりとなる。
さく「また、適当かな…?」
めぐ「いいけど、ちょっとトイレも。」
自由席車内はそこそこ座席が埋まっている。座席を確保したところで、トイレに入りたい。
もも「で、帰ったらまた1人次って?」
なぎ「黙ってろ。」
トイレに入ると内部は洋式便器と洗面台、刺激的なメタリックグリーンという色の壁。入っている間景色は見られなかったものの、引き換えに見たものはなかなかのアレだった。
なぎ「…トイレ。」
さく「やっぱり入るんじゃん。」
甲府で結構な乗客が降りていったため、落ち着きを見せる車内。付近は盆地らしく、なだらかな斜面が遠くまで続いて見渡せる景色。東京都内(御茶ノ水~高尾)より標高が高いため、青空も美しい。
もも「落ち着きをなくす人もここにいるし。」
韮崎からは再び山へと入っていく。駅前にある公共施設へ入ってみたのは、もう6年も前の話…。
さく「あれ、そんな前?」
なぎ「アレは新築にしか見えなかった。」
座席はリクライニングボタンのほか、座面スライド機能を有するためレバーが別で設けられている。模様は紺色をベースに、カラフルなパステル調の武田菱が散りばめられている。
めぐ「…アリかも。」
もも「…無視していい?」
そしてご丁寧にも、ロールカーテンにも武田菱が散りばめられている。新車から早15年、古くならないうちに多々使い込まれてきた痕跡が目立ったE257系。リニューアルさせるならば、どのような姿になるだろうか…?
乗車時間は43分であった。東京都区内からならともかく、甲府からも随分標高を上げている。E257系についてはその後改造され、一部が東海道本線系統の『踊り子』などへ転用。残す編成も外装が変更されていった。
もも「…それで?」
めぐ「また普通乗るけど。」
わずかな時間を惜しまず、新駅舎の展望台へ上がろう。小海線で"駆け上がる"方向にある八ヶ岳は、惜しくも雲隠れ。
さく「そういや前ってどうなんだったっけ?」
なぎ「どうったら…、昔のじゃなくってか?」
あちらの山々も雲隠れ。かつては平屋建ての駅舎であり、展望とは無縁だったもの。
めぐ「終わり。」
もも「って…、また短い。」
木材を多用して温もりが感じられる新駅舎。改札口は橋上駅舎と同等の形で、跨線橋に直結。東京近郊区間でありながら自動改札はなく、ICカード専用の簡易装置だけ。駅の外へ出る時間まではなかった。
さく「4年前だっけ?」
めぐ「前の駅でもいいけど。」
(つづく)