2018年4月14日(土)午後6時7分 兵庫県西宮市/甲子園駅


 甲子園の駅ホームは神戸方向の降車用ホームを除いて、2面4線式といった比較的シンプルな構造。大阪市内(梅田・難波)方向は外側の1番線を本線としている。近鉄車両(21m級4ドア)は阪神車両(19m級3ドア)と乗車位置が異なるため、同じ6両でも記号で区別している。


 まずは普通用の4両で、古典的な車両が来た。阪神電鉄は伝統的に青系の配色がなされており、赤系の優等列車用車両『赤胴車』に対して『青胴車』とも呼ばれる。実のところ、新車より旧来車のほうが加速度は高いらしい。
もも「あ、そう?」
めぐ「…よくわかんないけど。」


 続いて入ってきた特急は往路に乗った1000系で、ラッピングが施されている。この車両以前の優等列車用車両は9300系に合わせられており、色合いを理由に株主総会で紛糾したという。このため近鉄乗り入れ用として区別すべく、色合いがやや黄色じみたオレンジ色に変更されている。
さく「じゃあ…、次はクリムゾンレッドで。」
なぎ「あのな…。」
さく「近鉄対応かどうかで区別する必要あるでしょ。」


4.甲子園18:12発→大阪難波18:39着 快速急行/近鉄奈良行き 近鉄5421
 そして来たのは近鉄の車両『シリーズ21』で、L/Cカーはロングシートモードとなっている。21m級4ドアは阪神の車両と比べて長いため、混雑時には有利だ。過去乗車した際は混雑しており、乗車区間も短かったため着席に至っていない。
めぐ「…やっぱり薄いのかな?」
なぎ「まあ…。色々変えれるんなら、割食うだろうな。」
もも「行きだって、狭いとか文句言ってたくせに。」


 尼崎では前方に車両を連結するため、少々停車。隣は先に出ていた普通が停まっており、梅田に向かう急行へは車内を介して乗り換えるようになっている。
さく「それで…?」
もも「何でアンタが疑問形なのよ?」

 西九条から地下に入り、この間は各駅に停車する快速急行。詳細は往路で取り上げているので軽く流そうか…。
もも「念のため言うけど…、次乗ったら直行よね?」
めぐ「せっかくだから、アーバンライナー?」


 大阪難波まで直通の場合に概ね27分と見越しており、そのとおりに到着。特急券の券売機は方向別に分かれており、表示のある"モノ"で購入する。
なぎ「案外余裕あるもんだな。」
さく「じゃあ…、ディナーの準備を。」
もも「いいけど、甲子園であれだけ食べたんだし。軽くでいいわよね?」


 少し時間があるので、何か軽く食べられそうなものを探そうか。改札内でありながら、飲食店などが並んでいるもの。ただ持ち帰りという面では乏しいようで、あまり見つけられない…。

(現)健康ミネラル麦茶(伊藤園) 129円
 結局、大きなものは購入できずに終了。ついでに水分も尽きていたので、1本買っておいた程度。
もも「あれだけ食べたんだし…。」
なぎ「もうこれ以上言うな。」


5.大阪難波19:00発→近鉄名古屋21:10着 特急アーバンライナー19/近鉄名古屋行き 近鉄21307
 毎時00分に発車するので、乗る側にとってはわかりやすい。いたのは専用車両として投入された21000系を、新車となる21020系に合わせてリニューアルした『アーバンライナーplus』。
めぐ「これも大昔にデラックスカーだったんだけどね…。」
もも「アンタの昔話はもういい。」


 座席もリニューアルされ、リクライニングすると座面が連動して沈み込む『ゆりかご座席』を採用。グレーの座席モケットとなっており、センターアームレストは細いものが両座席とも設けられる。加えて、フットレストも装備。
さく「ま、いいんじゃない?」
なぎ「…それだけか?」


 天井の照明は間接照明を採用。加えて窓上(荷物棚下)には補助照明があり、和紙のようなカバーがかかっている。車端部の案内装置はリニューアルの際に液晶画面となった。客室内は全て禁煙となったため、喫煙室を一部デッキに設けている。
めぐ「なんか、液晶ってよくない?」
もも「…話わかんないからパス。」


 テーブルは背面になく、肘掛のインアーム式を採用。使用例として、充電中の携帯端末と購入品を載せてみた。窓枠にも小ペットボトル程度なら置くことが可能なものの、21020系では斜めになっており使用できない格好。(実際は小突起を設置しているらしい。)
さく「…そこそこ買ったよね。」
めぐ「まあ、一応正式な夕食だし。」

 当然といわんばかりに自動放送が流れるアーバンライナー。ある程度の空席を見せた車内も、大阪上本町と鶴橋で結構埋まった様子。以後、津まではノンストップ運転を行う。雨の降る夜に乗車実績を有する区間、見られない景色を無理に見る必要はない。
もも「じゃあ…。」
めぐ「…全部そういうわけにいかないのよね。」
なぎ「アレだろ?伊勢中川…。」
もも「あ~、言おうと思ったのに。」

 ついでにこのアーバンライナー専用車両、新車への置き換えが計画されているという。
もも「あ、そう?」
めぐ「なんかそうらしいよ。」

 それにしても小田急70000系共々見た限り、名鉄パノラマカーの"何か"を引き継いでいるようにも思えてしまう。名鉄が展望要素に無頓着となりつつあり、近鉄と小田急が"らしさ"を引き継ぐのもどうなのだろう…?
もも「そんな唐突に聞かれてもわかんないわよ。」
めぐ「まあ、こっちもわかんないんだけど。」


 その後登場したのが、80000系特急『ひのとり』である。双方の先頭車両はハイデッキ、展望構造の『プレミアムシート』。中間車両のレギュラーシートも新構造が採用され、快適性向上と引き換えに追加料金が必要となった。
(つづく)