前回は札幌から室蘭の特急『すずらん』について、利用の低迷から快速格下げ案が出てきたという話をした。今回は同じ快速格下げ案でも、事情などが大きく異なる話。


 旭川から網走を結ぶ特急『大雪』について、快速格下げ案が出てきたというのだ。背景には使用するキハ283の老朽化問題が大きい。

 増備を進めてきたキハ261についてはこれ以上増備しないこととなったようで、これまで運用してきたキハ183の置き換えに選ばれたのがキハ283である。こちらも長年の長距離運用から、特に走行機器類の老朽化が顕著となっていた。このため当初から"つなぎ"とみられていただろう。


 今回の案が浮上した理由に、転用予定として見越した『北斗』のキハ261がある。北海道新幹線札幌開業後に一定数が余剰となることから、こちらも当初から広域転配が可能なよう汎用性を高めている。

 それが…、開業の延期によって影響ということ。転用元となる『北斗』からキハ261が捻出されないことにより、キハ283を継続使用する必要が出てきている。要するに…、そうなることだ。


 このため特急としては札幌発着の『オホーツク』は現状維持にして、利用も多くないであろう旭川発着『大雪』を快速(特別快速)に格下げということだろう。そういえば、ほぼ同じ区間に特別快速『きたみ』があったような…?

 当該案では『きたみ』と同じく、H100の2両ワンマンで全席自由としていた。懸念事項は多いようで、座席はボックスシート主体にして数が大きく低下するとみている。


 ということで以前に述べた、専用車両を投入したほうがいいのかもしれない。座席は西日本のDEC700をベースに転換式クロスシートとしたが、座席数を確保するならば2列2列のほうがいいだろう。なお窓割(以下略)。

 あるいはキハ54がそうだったように、どこからか捻出した特急用リクライニングシートを搭載するのもよさそうか。これならば長距離乗車でも、着席できれば全く苦にならないだろう。なお座席数(略)。


 この私案が現実となったならば、旭川から稚内の特急『サロベツ』にも影響が及ぶだろう。こちらはキハ261でも初期型で、専用設計であるため汎用性に欠ける。そちらも走行機器類の老朽化が顕著になってきており、同様の措置(札幌発着『宗谷』のみ特急として存続)が取られるかもしれない。


 で…、ついでの『北斗』は新幹線開業に名称をどうするか。なんなら道内完結新幹線(および新青森,盛岡発着)が"ひらがなほくと"、室蘭本線ルートで残る在来線特急は"漢字北斗"。なんだそれ、どこの坂道だ。
(おわり)