2024年4月11日(木)午後4時13分 愛知県東海市/加木屋中ノ池駅


 今回は2024年3月に開業した名鉄河和線の新駅、『加木屋中ノ池』を見ていこう。開業時点では普通のみが毎時4本停車し、急行などは全て通過する。


 シンプルに複線の線路が通っており、相対式ホームを持つ加木屋中ノ池は駅全体がカーブしている。現在も工事は進められている途上であり、改札の完成していない河和方向はホーム幅が狭い。特に河和方向ホームの床は仮設構造で、とりあえず間に合わせた感が否めない。


 河和方向を見ると丘陵地から下るような地形をしており、眺めがなかなか利く。ここから南加木屋までは高架となり、線路が一新された区間となる。


 名古屋方向は起伏ある丘陵地に向かっており、すぐにトンネルで短く貫いている。ホームから見た印象では橋上駅舎が設けられたようだが、実際は橋上駅舎にあらず。屋根は現状、ホーム上に1両強ぐらいか。


 加木屋中ノ池の駅名標には『公立西知多総合病院前』とあり、この駅が病院へのアクセスを主目的に設けられたことがわかる。駅番号のKC02は新駅として開業することを前提に、設定時点では飛ばされていた。


 ホームから出てすぐ、直接改札がある。抜けた先に階段がある他、エレベーターも設置。これで段差なく上下の移動が可能だ。


 自動改札は遠隔操作に対応する幅広な1通路と、ICカード専用の通常幅が1通路。手前で右に向けば精算機があり、新駅らしく最新機種を採用。インターホンを搭載しており、無人駅システムを採用した駅では一般的な構成となる。


 改札を出て券売機も最新機種となり、インターホンは外部と動画で対応可能な端末を備えている。先に視察した三河知立(移転後)と同じく、改札の上にLED式の案内装置は搭載されなかった。代わりに液晶画面があり、そちらで案内がある他異常時には路線図で示される。


 エレベーターを上がったところ、エレベーターだけがポツンと佇んでいる印象か。反対側も同じ構造となり、左右対称となる。


 河和方向から駅を出ると、その周囲は墓地となる。他は住宅以外に何もない。


 階段を上がったところが通路となり、跨線橋のような形状が橋上駅舎に見せていたと考える。エレベーターの位置や地形を考えると、改札の位置が増えるだけなことから橋上駅舎は無理あったのだろう。


 通路と同じく階段はガラス面が多用されており、近未来的にして開放感を覚える。


 名古屋方向から外へ出ると、少々広いスペースを仮設フェンスで囲っている。開業時点で完成していない箇所なのだが、今のところは単に殺風景な空間にすぎない。


 ということで、名古屋方向の駅前に広場が設けられることとなった。周囲でも工事が途上なことから、再度駅を見て回ることになるかもしれない。


 とりあえず西知多総合病院へは案内が出ていることから、従うように進んでいけばいいだろう。それにしても起伏ある地系に住宅しかなければ、とても病院の最寄とは思えない。


 坂を上がったところで突き当たり、左に進めば病院の建物が姿を見せる。他はやはり住宅以外になく、店もないのでモノは仕入れてから訪れたい。


 それにしても高台に位置していることから、駅近くからは遠目になかなかの絶景だろう。それを目的に加木屋中ノ池で降り立つのも、また悪くないのかもしれないな。


 駅に戻ろう。改札周りの配置もだいたい左右対称となり、やはりガラス面が大きなことから近未来的にして開放的な印象を受ける。駅の内外にトイレはないので、そちらもあらかじめ済ませてから訪れようか。


 ホーム上にある案内装置も移転後の三河知立と同じく、薄いシート状の固定表示を重ねたものとなる。停車する際は白色、通過する際は黄色。加えて運行情報がある際にも表示される。昭和期に新幹線で指定席と自由席を切り替えていた"スリムライン"を、令和期に登場させるとこうなのか。

 こうして河和方向のホーム床下を見ると、とりあえず駅の開業に間に合わせたのだろうと。これはやはり"真の完成"の際、再度来るしかないだろう。開業から1か月弱というだけあって、新築らしい匂いを感じさせた加木屋中ノ池はひとまず以上。


 さて2024年3月改正は名鉄にまだまだ変化をもたらせていた。大江から東名古屋港の往復もこれまでの5000系4両編成から、9100系などの2両編成へと交代している。4両は多すぎたのだろうが、3両編成はとっくの昔に姿を消しているし…。適正量はどの程度だろうか?
(おわり)