2024年4月6日(土)午後3時26分 愛知県知立市/三河知立駅


 今回は2024年3月に移転した三河知立の駅を見ていくとしよう。移転した先の三河知立は隣接して企業が立地しており、国道1号から通じるところに駅前広場を設けられなかった。歩行者と自転車は狭い通路が設けられ、駅や踏切へ抜けられる。


 ここから知立へは先行して複線化された様相を見せ、保線用とおぼしき側線の用地も確保された。実際は高架工事の関係ですぐに単線となり、仮線へと進んでいく。


 駅舎は平たい屋根とレンガ調の壁面を持ち、上下線それぞれに設けられている。猿投方向のみ機器室を有する関係で、完全な左右対称にはなっていない。こちらの駅周辺は住宅地となる。


 猿投方向に面しては企業が立地しないので、少々ながら駅前広場が設けられた。ロータリーの中央部分には花壇などなく、ポールで仕切られるに留まる。歩道部分となる床面のタイルには、今回の移転を記念して各所からメッセージが寄せられ記載されている。


 改札はこれまでの無人駅システムから少々変化があった。自動改札機が遠隔対応で幅広い1通路と、ICカード専用となる1通路という構成は他と同様。今回は券売機が新型となり、インターホンには多機能端末を設置。

 加えて各種案内は液晶画面で行うこととなり、これまで名鉄の遠隔操作型無人駅にあったLED式案内装置が省略されている。今後新規ではこの構成となるのだろう。


 ホームは以前と異なる相対式となった。現在は三河線でワンマン運転を行い最大で4両となるため、ホームも4両までの対応となる。屋根は2両分のみとなり、その箇所のみ幅も広く取られていた。


 ホームの案内装置も従来から変わり、固定表示となる"シート"が3枚重なったようなタイプらしい。ホームセンサーは各務原線のように、ホーム床下の設置となる。見たところ、両方向への発着に対応しているようだ。


 この三河知立は1線スルー式となっておらず、一旦転線する形状となった。複線化としつつわざわざごく1箇所の線路を撤去しており、過走を防止させるのだろうかと。


 精算機も同じく最新機種となり、インターホンには遠隔で応対可能な端末を設置。猿投方向は名鉄の無人駅システムでは一般的となる、改札から奥詰まるような配置をしている。


 駅全体の構造は先述したように上下線で異なり、知立行きでは出口正面に精算機となった。正面から回り込むことなく可能とするか、動線を塞がないよう精算機というのが正しいか。一長一短とはこういうこと。


 駅前にはそれぞれ駐輪場が設けられた。住宅地に近い猿投方向はスペースが狭く埋まっており、企業に近い知立行きはそこそこ広くも若干距離を有するのか空きが目立つ。踏切警報器もまた新型となったようで、両面を点灯させられる"吊り下げランプ"に近い。

 ということで2024年3月改正で移転した三河知立を見ていった。合わせて知立の駅なども少々変化が生じており、その話は近日公開としたい。
(少しだけ知立駅につづく)