2022年12月28日(水)午後1時13分頃 岡山県倉敷市・倉敷駅を出発

4.岡山12:56発→糸崎(14:22)14:25着 普通1731M/糸崎行き モハ116-103
 倉敷では乗ってくる客も多く、再度立ち客が出る程度となった。


 少々して同じ倉敷市内で新幹線駅のある、かつて快速の停車した新倉敷へ。新幹線が『こだま』ぐらいしか停車せず、どれだけ利用があるのかと考えつつそこそこ下車がある。
さく「逆あるかも。岡山戻ってから、乗り換えて東京。」
なぎ「だったら別に下でいいだろ、岡山までの行ったらさ。」


 笠岡まで来ると車内空間にも余裕が生まれてきた。尾道にかけて以前見ていない景色は、右だったか左だったか。それはそうと国鉄車両のモーター音なのか、117系に乗っているとなかなか眠くなる。
めぐ「結構あったね…、なんかいい感じに…。」
もも「…ごめん、ちょっとおやすみ。」


 広島県に入り、東福山は以前運行されていた快速が後期になって停車するようになっていた駅。新幹線の高架下にあり、耐震補強目的で橋脚に巻きつけられた金属類が物々しい。乗客の流れは乗ってくる方向に変わってきた。


 福山の駅から福山城は近く、ホームからその姿を見ることができる。新幹線も『のぞみ』『さくら』『みずほ』など比較的多く停車し、在来線も乗客が多く入れ替わった。岡山から路線記号が[W]だったところ、ここからは[X]へ。路線色も同様にかわる。
さく「…福山って、広島だけど岡山みたいな。」
なぎ「…何をまた意味わからん。」


 坂のまち、尾道。斜面に沿って家々や寺社など建ち並ぶ風景は、映画のロケ地として選ばれるほど"画"になるもの。左側は海が近くにあり、挟んだ先にある島も近い。
さく「これ上がったら上がったで、いい景色なんだろうね…。」
なぎ「…行くとは言ってない。」

 概ね1時間半かけ、若干の遅れをもって糸崎に到着。隣で発車を待っていた普通は1駅先、三原までなのでパス。広島市内へ向かうのは結局、当初の行程で組んでいた14:54発となる。
もも「これで先、座れるっての?」
めぐ「…そう。」


 岡山地区は山口地区と合わせて新車の話が聞かれてこなかったところ、特にここまで乗ってきた117系もいつまで生き残ることができるのか。糸崎には側線が広く設けられ、先頭車化された元中間車など形状の異なる115系。117系と合わせて3種類が横に並んだ。
なぎ「こう…、並ぶのも。」
さく「全部黄色くしちゃったらさ、そりゃそうなるよ。」

 最終的に岡山地区へも新車が投入されることとなり、117系は2023年7月に運用を終えた。京都地区での一般運用は同年4月に終えており、最後まで一般車両として残っていたのが岡山地区となる。以降に残存する117系は『WEST EXPRESS 銀河』専用の6両編成のみ。


 さて糸崎の駅名標には、福山からの路線色となる濃水色が入っている。駅番号は縦型のモノにのみ入っており、岡山(W01)からのX19に加えて広島(G01)からもG17が入っていた。
もも「…まだ岡山だったってない?」
なぎ「ないだろ、岡山は抜けた。」


 糸崎を先に出た115系が三原で折り返し、岡山を経て赤穂線へ直通する長船行きとして戻ってきた。旧来のボックスシートを備えた3両編成で、統一された黄色塗装となっていることから"ハズレ"扱いしてしまう。
さく「これ何がハズレかって、3両だからなんだよ。座りたいけど、その分減るみたいな。」
めぐ「それもだけど…、フェイクって呼んでたのあるじゃん。アレを湘南色にしたら面白いのかなって。」


 当初行程にあった1本後の普通は、113系のリニューアル車両であった。そちらから次に乗る岩国行きへも、乗り継ぐ客は多いようだ。外はやはり寒いので、ホームの待合所にも入って休もう。
もも「ここ並ばないって、全部意味なくなっちゃった。」
なぎ「寒いんなら中で休むだろ。」


5.糸崎14:54発→瀬野15:53着 普通327M/岩国行き クモハ227-52
 広島地区はすっかり227系で統一されており、ここから乗る岩国行きも当然赤色の目立つステンレス車体を持つ。3両編成を2本つないだ6両ならば、ここから余裕をもって座っていける。車内は521系に準じた配置で、座席モケットが赤色系となっているのは少ない相違点。
もも「本当、今日何だったのよ?」
めぐ「…227にも乗りたかった的な。」


 空席のある中で糸崎を出発し、すぐに高架へ上がって三原となる。1駅間の運行で折り返すのは、やはり"出入庫"に近い考えだろう。東海道本線の三島~沼津に似ており、新幹線駅があるのも三島と同じ。


 糸崎~三原のみで乗客がそこそこ乗っており、逆に三原からこの227系へはあまり乗らない。新幹線が『こだま』ぐらいしか停車しなかったにもかかわらず、1駅間の需要はなかなかあるのだ。なお227系には自動放送を搭載している。
さく「…普通に広島まで新幹線じゃなくって?」
なぎ「わかった、それもういい。」


 三原で呉線と分かれ、山陽本線は山間へと進んでいく。見上げれば高い位置を高速道路が通っている。午後3時を回り、ここまでの道中で寝ていなかったことから眠くなってきた。
もも「…寝たかったらさ。」
めぐ「この辺あんま景色見れてないし、そんなに長いこと乗らないからね。」


 現状、広島空港へのアクセスは白市からバス乗り換えとなる。鉄道によるアクセス計画は幾度となく公表されながら、いずれも実現せず構想のまま終わっていた。この白市からは本数がやや多い。
もも「アンタの好きな空想計画。」
めぐ「あったらあったで、面白そうじゃない?」
(つづく)