2012年8月27日(月)午前9時36分 福井県越前市/武生駅


 近江塩津から57分で武生に到着。なんというか、人間はカメラがあると不思議と記念に残したくなるもの。
ももか「えっと…、福井鉄道よね?」
なぎさ「…ちょっと歩くとか?」

 福井鉄道の越前武生駅までは少し離れていた。その後新幹線の駅は『越前たけふ』を名乗ることとなり、福井鉄道の駅が『たけふ新』と名を改めている。元来は『武生新』を名乗っていたため、先祖返りした形。
ももか「だからって涼しい店ん中通って…。」
なぎさ「いいじゃんか、結局外出るんだし。」


 越前武生駅に着く。もう少しだけある時間は、トイレに入るか切符を買うぐらいで終わりだろう。


 今回、JRだけでは面白くないからと選んだ福井鉄道福武線。様々なタイプの車両が並ぶ中、乗り込むのは…?


6.越前武生9:52発→福井駅前10:42着 普通953/田原町行き 201-2
 JRなどと同じ高床式の、古い連接車両。当時なお残っていたこの車両は福井鉄道独自の車両。大手私鉄などからの中古車両が現状を占める地方鉄道において、貴重な存在であろう。


 しかも車内は、ここにきてのボックスシート。座席は国鉄由来のものに似ており、横幅は狭い。背もたれは国鉄の座席より厚く、その角度はほぼ直角になっている。
めぐみ「でも隣の…。」
ももか「乗りたかったってんでしょ?アンタの新しいの好きはわかってるの。」
めぐみ「まだ乗れてないのに?」

 隣の800型は元名鉄の車両。美濃町線に入ったのが3両だけというのもあっていまだに乗れていない。もっとも入ってから乗ったのが2004年の1度だけで、その時乗った880形も廃止後に福井鉄道に入ってきた。


 その後800型は福井鉄道から撤退することとなり、1両だけ所有していた豊橋鉄道へ集約。3両体制となったほか各種改造が施されており、2021年に乗ることとなった。


 さて福井鉄道はJRと比べ駅が多く、線形も悪いため速度も遅く揺れる。
なぎさ「おお…!」
めぐみ「大丈夫?」
なぎさ「大丈夫。」


 単線ののんびりムードはJR北陸本線で味わえないもの。当然ながら、単線区間では反対列車を待つことになる。ポイント類のある個所に屋根があるのは、雪が多い土地ならではの特徴か。ところで、乗客はあまり乗らないのだろうか?


 やがて『ハーモニーホール』へ。進行方向右側にはたしかにハーモニーホールがある。やがて線路は複線になり、"路面電車"となって福井市内を進む。


 "路面電車"となって最初の駅である木田四ツ辻に着く。『木田』で始まる駅名はここと、名鉄の木田。
ももか「木田ってアンタの家でしょ?これが目的なわけ?」
めぐみ「まあそれもだけど…。」

 こちらも『商工会議所前』と名を改めたほか、停留所そのものが移転している。


 路面電車区間は石畳の上を線路が走っているようで、車が入れないようになっている。かつての名鉄岐阜市内線や美濃町線などは軌道内に車が入ることができ、福井鉄道と異なる対応をとっていた。そのような点で、存廃につながったかどうかは関係あるのだろうか?

 福井駅前へは"本線"から枝分かれする形となり、スイッチバックして道路共々狭い単線を進むことになる。ところで、福井駅前で以前にトランジットモールの実験が行われていたという。800型が名鉄時代にも実験用に入線していることと合わせて、ご存知の方はどれぐらいいるのだろうか?

 50分で福井駅前に到着。時間を考えると、幅の狭いボックスでも悪くなかった。
ももか「降りれる?」
なぎさ「ちょっと怖いな…。」
めぐみ「手すりもないし…。」


 JRのような高床式であるため、路面電車区間など低いホームでは階段状のステップが出てくる。このステップが揺れるため、降りる際に不安を覚えてしまった。若年層ですらそうなのだから、高齢者にとっては尚更だろう。名鉄から廃止となった路面電車用の車両が入ってきたのは、そのためと考えられる。乗車した200型も2016年に運用をすべて終了し、1本が保存されている。


 両端の建物とアーケードは見るからに古い。アーケードそのものは短いので、ざっくりと見て抜けるだけ。その後駅前の再開発事業があり、このアーケードがある風景は現存しない。


 少し前に高架化された福井駅。暑いとされる北陸の夏。雲一つないこの日の福井も猛暑だ。
ももか「これ万博のFMラヴァースよね…?」
めぐみ「どうも77.3ってのが同じらしくてね、譲ってもらったそうなの。」


 ではもう少しばかり、福井駅周辺を歩き回ろうか…。
なぎさ「昼はどうするんだ…?」
めぐみ「福井ってソースかつ丼あったじゃん。」
ももか「肉が薄くてキャベツのない?」
めぐみ「それ食べたいなって…」


 城址らしく、お堀がある。橋を渡り、奥に入ると福井県警察本部があった。用事は特にないので何か言われる前に引き返そう。帰ってから改めて調べるとここにはかつて福井城があり、現在の福井城址内には福井県警のほか福井県庁もあるとのことだ。

 もう少し歩きつつ、『からあげ縁 福井駅前店』で唐揚げでも買って食べることに。ジューシーもも丸はニンニクを使っていないので、京都に臭いを持ち込まなくて済む…。
めぐみ「…!」
なぎさ「…どうした?」
めぐみ「口の中どうかした…。」
ももか「どうかしたって?」
なぎさ「やけどとか?」

 美味しくは頂いた。口の中のやけどを気にしつつ、ガムを買っているうちに時間も無くなってきた。昼食は値段も安い『小川家 福井駅前店』のソースカツ丼にしよう。この店は後に駅前の再開発もあったようで、現在は閉業している。

 


(現)ロースかつ丼(小川家) 並盛380円
 大きな肉が1枚乗っている。ソースをくぐらせた揚げたての薄切り肉は適度にやわらかく、独特の食感がくせになりそう。
めぐみ「…!」
なぎさ「…またやけどか?」

 外が猛暑なのに対し、店の中は冷房が効いており涼しい。口の中にやけどを繰り返しつつ、アツアツのソースかつ丼をおいしく食べる…。
めぐみ「…カキ氷いい?」
ももか「カキ氷?」

(現)ミニカキ氷・メロン味(小川家) 100円
 食べたくなったので追加。セブンイレブンの62円カキ氷と比べると、粗く思えてしまう。ただ、イチゴ味一択よりはこっちのほうがいい。
(つづく)