2012年8月27日(月)午前7時30分 滋賀県米原市

 特に何をするわけでもなく、米原に着く223系。客の多くは隣に停車している新快速に乗り換えていく。階段を介して長浜行きに乗り換える客は少ないようだ。

3.米原7:33発→長浜7:42着 普通129M/長浜行き クモハ225-14
 このタイミングで225系が登場。4両は223系2000番台が圧倒的に多く、さらに225系は6本のうち半分が丹波路快速に回ったために、1000番台と合わせてもかなり少ない。

 


 車内につりさげられる形で備えついている液晶画面式の案内といい、この車両は321系に近いもの。窓も321系と同じものに手を加えているようだ。他に目立つのがやはりつり革で大きく太く握りやすく、数も増やされている。"例の事故"以来、『安全』に重点を置いているのかやたらとそれを強調するJR西日本。特に225系は強調されているような…。


 日本最大の湖であり、滋賀県で面積の多くを占める琵琶湖。海岸線のように見える湖畔を望みつつ、225系は長浜へ―

 


 名古屋から90分で到着。225系はの面構えはというと、お世辞にも223系よりいいとはいえないもの。それでも721系と比べた731系のように、重厚感が出てきて強そうである。そして225系同士なら貫通扉も使えそうだ。


 程なくして、長浜⇔敦賀開業130周年記念ヘッドマークをつけた521系が登場。乗りこんでからはとりあえずトイレに入っておこう。
ももか「さっきトイレって…?」
めぐみ「昨日ね…、夜バイキングで食べ過ぎちゃった。」
ももか「食べすぎはアンタの勝手でしょうに。」

 大阪からの列車は6両か8両かはわからないが221系で、乗換えの客も多い。

4.長浜7:55発→近江塩津8:21着 普通131M/近江塩津行き クモハ521-5
 乗り換えの客が乗ってきたところで、発車。乗ったら後は26分乗るだけ。
ももか「…寝とく?」
めぐみ「いい。」


 余呉湖のちょっとしたアレも気にしつつ、近江塩津に到着。14分あるのでちょっと外に出てみよう。階段を下り、トンネルのような通路を通り、改札を出れば…。
なぎさ「おお…」


 自然に合う、温かみのある駅舎。雰囲気としては、山間の道の駅でもありそうなもの。
めぐみ「……。」
なぎさ「どういえばいいかって?」
めぐみ「…こういうの、なんかいい感じじゃない?」
なぎさ「…あんまり余計なこと言うな。」


 山間の街道沿いにある茶店のような近江塩津駅をしばらく見てみよう。
なぎさ「…こんなとこから京都大阪神戸に出るとは思えんな。」
ももか「…行先見ただけでこんなとこってわかんないかな?」
めぐみ「あんまり気にしてないとか?」
ももか「ああそういえば…。米原方面とか湖西線とだけ書かれてりゃわかんなくてもいいよね。」


 時間なので戻ろう。駅の中に"茶店のごとく"ある軽食コーナーは、まだ開いていない。この軽食コーナーものちに閉業したため、2024年現在は駅に何もないこととなる。
なぎさ「…騙されるかよ。」
めぐみ「昨日ソフトクリームあったからいい。」


 静かな山間の小さそうな近江塩津駅。そのホームと線路は、2面4線に加えて通過線があるので多いほうだろうか。その後2021年になり、通過線に豪雪時専用の非常用ホームが設けられた。
めぐみ「この屋根って7年前にはあったけど…、その前はない気がするのよ。」
ももか「7年前?」
なぎさ「琵琶湖1週を初めて…。」
めぐみ「そうそう、直流化どうのこうの言ってたとき。」

 最初の琵琶湖1週が2005年7月の話。調べたところ2004年の末には屋根がかかっていたようだ。ついでに、名古屋へ直通する快速列車を定する気は東海も西日本もないようだ。
ももか「何をこんなところで?」
めぐみ「いや、面白そうだし。あったらどうなのかなって…。」

 なお北陸新幹線が敦賀まで開業する際、JRのまま残存する区間は全て直流電化となった。当面は現状からあまり変わりないようだが、交流電化区間という点での制約は解消される。

5.近江塩津8:35発→武生(9:31)9:32着 普通4843M/福井行き クモハ521-2
 直流化して521系が入ってから敦賀で乗り換える必要のない普通列車が一気に廃され、残ったのは近江今津始発のこの1本だけ。そこそこ乗客がいた。
ももか「乗るでしょうよ…。」

 福井県内に入るのは実に久々なこと。敦賀行きの場合はループ線を通らないため、敦賀まではめぼしい景色もない。寝れるときに寝ておこうか…。
めぐみ「…寝ようか?」
なぎさ「好きにしろよ。」

 せっかく交直流両用なのに、初期車両は直流区間でほぼとどまってる印象が強い。敦賀駅は直流なので、長い長い北陸トンネルの手前で交流へと切り替わる。金沢に後期車両が入るまでは実にもったいなかった。
なぎさ「…要はまたアレか?」
めぐみ「そう…。」


 しかし、今日はすでに225系に乗ってしまっている。そうなれば、わざわざ狙う意味はあるのだろうか?ところで、今回思いついたのは京都だけではない。
なぎさ「…何さ?」
めぐみ「前まで冬のアレしてたけど…、北陸行くやつ。」
ももか「勝手に考えといて何よ…?」

 かつての恒例行事『冬の北陸』。元々のお目当ては"日本海冬景色"だったが、その多くが金沢を通っていた。金沢と言えば…?
めぐみ「カレーは別にいいよ?」
ももか「食べたきゃ食べりゃいいじゃないの。」
なぎさ「アレか?」

 昨年(2011年)に中京テレビなどで放映された、石川県を舞台にしたアニメ『花咲くいろは』。その後2021年にBS12で、2023年にはBS松竹東急で放送された。

 登場する『湯乃鷺駅』のモデルはのと鉄道七尾線、西岸駅である。主な舞台となる『湯乃鷺温泉街』のモデルは(一応)金沢市内にある湯涌温泉であり、余談だが過去2008年に1度大学ゼミ関係で来たことがある。
ももか「でもそっちのほうとか計画も立ててないんでしょ?」
めぐみ「ないけど?時刻表置いてきちゃったし…。」
なぎさ「お前何をさらっと…。」
ももか「…まあどうせ行ったとこで何もしないんでしょうけど。」

 

 

 『花咲くいろは』か521系後期車のどちらが目的かは置いておこう。ところで登場するのと鉄道は2024年元日の地震で被災し、全区間の復旧は4月になろうという。乗車は果たしていないので、そちらもいずれ…。
(つづく)