続・2024年3月ダイヤ改正について


めぐ「はい、改めまして。しらさぎファンの皆様、お待たせしました。2024年3月のダイヤ改正で、北陸新幹線が敦賀まで開業します。そこで今回は運行ダイヤを検証、考察してみたいと思います。」


11.北陸新幹線、改正後の全体ダイヤを検証
 北陸新幹線の全体とは言いつつ、東京から長野までの区間便たる『あさま』は関連しないため割愛する。また臨時便についても、下記のパターンに当てはまらないことが予想されるため割愛したい。


 ということで、停車パターンが固まった。最速達となる『かがやき』は10往復運行され、1往復のみがこれまでと同様に金沢発着で維持。9往復は敦賀発着となった。東日本管内で速達系統となる『はくたか』は、5往復が敦賀まで足を延ばす。号数は500号台で概ね維持された。

 西日本管内のみの運行となる『つるぎ』について、途中駅を通過するタイプが登場するのは既報されたとおり。今回号数が公表されることとなり、予想外にも1から付けられることとなった。合計25往復のほかに敦賀で接続しない便が設定されており、60号台となる。


 共通事項として、今回開業する区間では途中待避を行わない。

12.再速達の看板として輝け、ゴールドな『かがやき』
 10往復中9往復が敦賀発着となり、最速1往復は上野を通過する。8往復は今回開業する区間において、半数が福井にのみ停車。残り4往復は途中駅に停車することとなる。小松,越前たけふ停車便と、加賀温泉,芦原温泉への停車便。それぞれセットとなり、2往復ずつとなった。

 後述する『はくたか』と同様、基本的に『つるぎ』への接続はあまり考慮しないスタンスらしい。東日本方式の新幹線で東京へ向けられない事例が全時間帯というのはこれまでなかったため、それが『かがやき』から見た違和感かもしれない。

 グランクラスにアテンダントが乗務するのは、引き続き『かがやき』のみとなる。


13.北陸連絡特急からの伝統は『はくたか』が引き継いでくれたのだろうか?

 5往復が敦賀発着となった『はくたか』は高崎に全て停車し、4往復が高崎から長野まで無停車。2往復は飯山を通過する。残す1往復はやや複雑で、敦賀行きは軽井沢に停車。東京行きは軽井沢に加え、上田にも停車する。佐久平は全て通過となった。上越妙高から敦賀に通過駅は設けられない。

 残す10往復は金沢発着で維持された。先述した軽井沢,上田停車便は"往路"が敦賀行きにならず、一応は対に仕立てた形か。佐久平はこの1便が通過するのみで、残す東京~金沢発着便は軽井沢から長野まで全て停車する。

 金沢発着便で飯山を通過するのは1往復あり、金沢行きは高崎を通過。この他に高崎通過便は1往復ある。これらを含め、熊谷,本庄早稲田,安中榛名は全て通過となる。1往復は長野発着となり、改正後も敦賀への乗り入れはかなわなかった。

 基本的に『つるぎ』への接続はあまり考慮しないスタンスらしい。金沢で直接乗り換えられるのは、はくたか553号からつるぎ19号(敦賀行き)のみ。強いて言えばつるぎ40号からはくたか578号(金沢始発)も可能だが、金沢での待ち時間が長い。


14.問題児『つるぎ』の下剋上が始まる!?
 さあ、問題の『つるぎ』だ。これまでは運行距離が短かったことで、グランクラスを含む一部車両を閉鎖していた。敦賀から金沢となれば距離もそこそこあるため、閉鎖措置は行わないこととなる。グランクラスについては座席のみ利用可能となり、アテンダントは乗務しない。

 先述したように、敦賀開業後は1から号数が付けられることとなった。やはり東日本方式の新幹線でありながら東京へ向かないため、スタンスとして明確にしたのだろう。東京へ向けば大宮から東京は東北新幹線『はやぶさ』と干渉するため、これまでは700号台とされている。

 途中停車駅については敦賀で接続する在来線が関係してくるらしい。特急『サンダーバード』とのみ接続する便は1往復を除き、途中停車駅を福井のみに削っている。おそらくは現行の在来線特急で停車駅を大きく削った便があるため、これに合わせたのだろう。

 特急『しらさぎ』は現行でも全便が停車駅を多めに設けており、接続する便については各駅停車タイプとなった。前述するように途中待避は基本的になく、通過便を"孤立させないよう"に各駅停車便を富山発着にしていることが多いようだ。

 つるぎ49号(富山発敦賀行き)のみ唯一、金沢でかがやき515号を待避する。


15.敦賀にて在来線特急との接続は…

 敦賀では『つるぎ』と在来線特急の接続が図られており、専用ホームを設けることにより概ね8~20分以内で乗り換えが可能となる。在来線から新幹線の乗り換えは『しらさぎ』が先で『サンダーバード』が後と固定される一方、逆は『しらさぎ』と『サンダーバード』で先発順が一定しない。

 敦賀で『しらさぎ』と接続する『つるぎ』は概ね富山発着となるところ、いくつか例外があった。改正時点で名古屋発着『しらさぎ』のうち、該当するのは1往復。つるぎ1号からしらさぎ2号へは、そもそも金沢が朝6時発なのでこれ以上繰り上げられない。

 しらさぎ3号,サンダーバード11号からつるぎ12号は金沢までしか行くことができない。考えるとこの便(しらさぎ3号)、新幹線が金沢まで開業する以前は和倉温泉行きだったりする。さすがに名残と考えるには、今更どうかとも考えてしまった。

 もっとも敦賀でさらに15分待てば、富山に向けてはくたか562号がある。あとは富山へ行くために、敦賀で31分待つことができるのかという話…。

 さて富山からであれば先述のはくたか553号からつるぎ19号に乗り継ぎ、敦賀でしらさぎ56号,サンダーバード20号へ乗り換えられる。つるぎ39号(富山発途中通過型)からつるぎ41号(金沢発各駅停車)へ乗り換えると、敦賀でしらさぎ62号へちょうどいい。

 しらさぎ59号で敦賀に到着すると、乗り換え対象はつるぎ38号(金沢行き)とあった。しかしそれより3分早くかがやき516号が発車しており、敦賀で10分乗り換えとなれば十分富山へ行くことが可能な範囲となる。サンダーバード37号から6分というのは、少々苦しいだろうか。

 以上の例外を除き、基本的に『つるぎ』以外からの接続は適合しないようだ。


16.在来線特急『しらさぎ』他、全席指定へ

 今回の改正以降、さらに全席指定の在来線特急が大増殖した。中には今回述べた『しらさぎ』や『サンダーバード』も含まれる。元来特急は指定席が基本とされており、自由席が例外的存在であったという。

 特にJR東日本では事実上指定席と自由席が融合し、全席指定を前提とした"C料金"が設定されている。特にJR東海がA料金のままだったこともあり、指定席でも割高感が増すことがあまりなかった。座席管理の電子化も進んでいるので、今後とも"増殖"は進むだろう。


 詳細についてはJR東日本、JR西日本からの公式リリースに時刻表が掲載されている。そちらを参照すればいいだろうか。
めぐ「ちょっとスペースが圧迫したみたいなので、このあたりで失礼しますね。あと…、米原から敦賀のみで完結はまだ認めてません。はい。」

(おわり)