2023年7月22日(土)午後3時50分 北九州市門司区・門司港駅
門司港は3面6線のホームを有し、線路の終端部に駅設備を持つ頭端式となる。ホームの看板や柱、屋根は昔の姿そのまま。九州の鉄道起点らしい、由緒正しき終着駅だ。
改札から抜け、駅舎内部も復元されていた。近距離用の運賃表と券売機はまさしく、往年の窓口を模した形になっている。そんな"大広間"を挟んで、左右に大部屋が1つずつ。片方が『みどりの窓口』となり、もう片方は大手系列のカフェが入った。指定席券売機はないらしい。
駅から外へ出ると、正面には日本郵船のビルが構えていた。その右に佇む建物もまた、レトロな地区に溶け込むよう風情あるもの。
港と関門橋を合わせてみる。つり橋を渡ったら、そこはもう本州だ。今回メインに使った『ぐるっと九州きっぷ』も、JR九州の管轄区間となる下関までは進むことができる。港からはどこまで進められるだろうか?
近くには門司港名物、焼きカレーの専門店があった。ここまで5日間全てカレーを食べていながら、もう選択は決まっていた。
(現)ダブルチーズの焼きカレーS(伽哩本舗) 800円
この店では全ての焼きカレーにたまごとチーズがトッピングされるため、最もシンプルなメニューといえようか。量的にも博多ラーメンが残っているので、小さめのサイズでいいだろう。容器ごとオーブンで焼かれるため、カレーの表面などそれぞれ固まってくる。
カレーそのものも単体でなかなかいいお味をしている。それこそ石焼ビビンバのように、かき混ぜて食べれば"お焦げ"もおいしくなるに違いない。正しい食べ方はそもそもあったのだろうか?
門司港で長年食べたかった焼きカレーをご馳走様。旅行前はとりあえず行きたいところだけを決め、タイトルらしいタイトルも決まっていないまま。5日間で6杯目のカレーを平らげ、ようやく方向性が固まった。
門司港のレトロなまち並みを、改めて見ていこうか。赤レンガの建物が立ち並ぶ風景は、どこか異国的な雰囲気を創り出す。渡った通りは国道198号であり、全長600m程度という短い路線だ。
門司港の駅舎は文化財となっている。車道越しにやや遠目ながら、現世に残るその厳かな姿を2009年以来見ることができた。駅前では何やらイベントが行われるのか、機材が準備されている。
踏切警報音が鳴ったので見れば、レトロラインのトロッコ列車が通りがかっている。あちらはあちらで調べ直して、いずれ乗ってみたいもの。
(前)JR復路乗車券:門司港→小倉
そろそろ小倉へ戻り、名古屋まで帰る頃合いだ。歴史深い駅舎から現代的な自動改札を抜け、各種保存物と共にある石碑を見てホームへ。モノは2009年当時の写真があったと思い、あの頃から変わりなくそこにある。
これから乗り込む区間快速は新車たる821系であった。早々に長崎の"ヌシ"となったYC1は同期生であり、設計なども共通要素が多い。改札に近い後方であったことから、混雑しやすいのがどう出るのか。
26.門司港16:42発→小倉16:56着 区間快速4135M/羽犬塚行き クハ821-10
オールロングシートの車内は817系3000番台や、蓄電池式のBEC819系から進化させたような内装。雰囲気そのものは長崎のYC1と同様、LEDダウンライトを照明に使用して白色の多い小洒落たもの。背もたれを高くしているため、窓の下部を高めに設けている。
そのまま門司港を発車。座席はYC1より先にこちらが採用し、座った感はあまり沈まず違和感を否定できず。ドア上にある案内装置は液晶画面式となり、広告用のない1画面式となった。ドアチャイムもYC1と同様、東日本で採用されているようなタイプ。
(つづく)