東海道本線の支線ながら、実際には中央西線から分岐している貨物支線。それがJR貨物の名古屋港線。ナゴヤ球場の付近を通過することから、かつては臨時駅を設置しており。名古屋から臨時旅客列車が運行され、1994年まで輸送にあたっていた。

 以降は一切旅客向けに開放されず、非電化単線のまま。1日1往復未満のレール輸送のみで、ひっそりとたたずんでいた。

 

 


 そんなJR名古屋港線が2024年3月、貨物運用を終了することとなった。名古屋市内にあり、周辺も開発が進む中での廃止となるのはもったいないかと。何せ名古屋駅への直結が大きいわけだし。


 これまで旅客化のネックとなっていたのが、途中にある踏切であった。幹線道路にまたがっており、1日1往復未満のレール輸送のみならば特に問題もなかっただろう。旅客化すれば幹線道路にとっての"難所"になったこと間違いなし。

 貨物輸送が廃止されていたならば…、旅客化改造の際に全面閉鎖して高架化は可能だろう。新規で電化開業も視野に入る…、ってかおそらく必須事項。少なくともこの支障は解消される。

 一方で最大のネックであろう箇所は、山王信号場から中央西線だろうか。この区間は既存の運行本数が多いため、なかなか割り込む余地もない。2022年3月以降は平日朝でも10両から8両に短縮され、輸送力を維持させるならば増便とせざるを得ない。

 よって港明地区から名古屋駅への直通という、本来役割を発揮すべき朝時間帯に干渉する。線路を最低でももう1本設けなければならず、大工事は避けられないだろう。


 …やはりそのまま廃止はもったいないな。せっかくいい立地を通っており、今後の需要もそれなりに見込めそうなのに。開発の進む港明地区『みなとアクルス』は、本命が商業施設でなく宅地開発だったはず。もしや開発されるのは宅地でないうえ、そんなに進んでいない!?

(おわり)