2023年7月18日(火)午後8時頃 北九州市小倉北区・スパイスマスター

 夕食会のカレーと共に、3日間の予定をどうするか。今回はいくつか行程を組んでおり、状況に応じて目的地を変えられるようにしていた。
めぐ「とりあえず、19は長崎の西九州新幹線にしようかなって。」
もも「だと思った。絶対長崎は行く、アンタらのことだし。」

 ということで、19日の目的等。西九州新幹線で長崎と、過去に到達していない佐世保としよう。
さく「あ、佐世保なかったんだ?」
なぎ「佐世保の手前で降りて、佐賀戻ったろ。」

 20日と21日は災害等の状況もあって、複数の行程を組んでいた。
めぐ「20は鹿児島のつもりなんだけど…、ちょっと保留でいい?」
もも「なんで?鹿児島でいいのに。」
めぐ「鹿児島っていうか…、もっと先。指宿とか行く。」
さく「指宿だと早いんだよ。ここベースキャンプのつもりだし。」

 20日については鹿児島へ向かうこととしていたところ、これを一旦保留としておく。なお夕食前の時点で20日の『指宿のたまて箱』6号は、空席があることを確認している。そして問題は21日となった。
めぐ「21は由布院とか回って大分で、そこから熊本。」
なぎ「いやいや、大分で何も…。」
めぐ「前に久大本線乗って、豊肥本線のほうは乗ってない。」

 目的は初めて九州へ上陸した際、乗車したものの眠気などで景色など堪能できなかった久大本線。加えて乗車すら果たせなかった豊肥本線を、まとめてクリアしようということである。今回あらかじめ組んでいた行程の問題は、ここに複数あったのだ。
さく「そこって大雨で寸断してたんだよね。」
なぎ「じゃあ、ダメだな。」
さく「…だったんだけど、20からは通れるって。」

 集中豪雨によって久大本線は被害を受け、寸断されていた。このため一旦組んでいた久大本線と豊肥本線は、いったん白紙化を余儀なくされ。複数のプランを用意することとなったのだ。その後20日から復旧することとなり、行程は晴れて復活となっている。
めぐ「で…、次だよ。」
もも「本当、アンタのコワいとこ。」

 久大本線では『ゆふいんの森』の乗り比べを兼ねて、全席指定の観光特急を行程に入れている。もっとも久大本線ならばそれらの指定が取れずとも、博多から大分まで乗り継ぐことができていた。
めぐ「大分から熊本なんだけど…、あそぼーいって。」
もも「何?アンタらしくないことばっかりいくつも。」

 豊肥本線で狙うのは『あそぼーい!』という、こちらも全席指定の観光特急。しかもこちらの場合指定が取れなければ、行程そのものを大きく変えなければならなくなる。運休日は自由席のある『九州横断特急』が運行されるため、そちらが旅行班にとって有利と考えている。
めぐ「取れなかったら、本数少ないし。」
なぎ「じゃあ、もう店出たら指定取ろうな。」

 最終日となる22日は『ぐるっと九州きっぷ』の効力が外れるため、福岡市地下鉄で新規開業した七隈線に絞っている。今回わざわざ往復乗車券を博多まで購入し、小倉で途中下車としたのもこのためだ。
さく「わかったでしょ、これが全部。」
もも「…わかったはいいけど、何?これを東京ドーム行く前からコソコソと?」
さく「…より前、交流戦の時からかな?」
もも「ああ、勝手にストレートフラッシュとかやってた。」



 ということで、ひとまず"企画会議"も終えて店を出る。なお『スパイスマスター』(というより、店が入居するビエラ小倉?)での支払いには、2023年7月時点で交通系電子マネーもauPAYも使用できない。このためある程度の現金は必要だ。


 さて小倉の新幹線口には北九州市漫画ミュージアムがあり、"漫画の街"とされる。いたのは『銀河鉄道999』の車掌で、原作の松本零士が少年時代から過ごしてきた地であることも関係している。ついでに言うと、山陽新幹線で発車の際流れるのも『銀河鉄道999』だ。
めぐ「…何か使っていい?」
もも「アンタは窓口で買いなさいって。」

 改めて、JR九州の指定席券売機で操作を試みる。その結果、21日に使用する『ゆふいんの森』2本と『あそぼーい!』の指定を確保することができた。19日に使用する西九州新幹線は、武雄温泉からの長崎行きのみ指定席だ。
めぐ「買っちった…!」
なぎ「もう、戻れんからな。」


 小倉の駅にもフリーピアノがあった。アミュプラザ小倉が開業25周年を迎えてのことという。
もも「そういやそれ、好きよね。」
さく「やんの?」
めぐ「やらないけど。」


 翌日以降に備えて、コインロッカーの位置も覚えておこう。モノレールの駅は在来線の改札から近く、目立った位置にある。
もも「ここベースキャンプとするならね…。」
めぐ「…だったんだけど、20は博多でホテル取っちゃった。」
なぎ「…なんだって?」


 では今回の"ベースキャンプ"としていたネットカフェへ。小倉城口からは徒歩3分とあり、デッキの上に屋根もあるのでそちらを斜め方向に進んでいけばよさそうか。
さく「基本はネットカフェでしょ。」
もも「そうなんじゃないの?お安くいくってんだし、パソコンあるし。」


 デッキから降りると、やはり屋根のある商店街に出てきた。目的となるネットカフェも小倉京町銀天街沿いとあり、吉野家が目印となる。安価そうでそそられそうな飲食もある中、あとはもう一直線。


 2023年夏の九州旅行は5日間。その初日が、小倉駅南口のネットカフェで終わる。入店の際は自動チェックイン機を用いることとなり、今回もフルフラットシートとしたい。
さく「で、朝は何時って。」
めぐ「どうかな…?5時半には起きるみたいな?」
もも「じゃ、また朝ね。」

 この店は地上2階、地下1階。鍵付きでない個席は地下にあり、鍵付き個室が2階。主だった設備は1階だ。無料シャワーのタオル使い放題サービスは継続しており、今回選んだ決め手にもなった。使い放題なのは大判のバスタオルのみで、その他は自ら持ち寄る必要がある。



 かくして地下のフラットシートで1夜を明かす。その間は結構冷房風が寒く、ブランケット1枚では足りず寝付けない…。迎える2日目は、九州の魅力に深々とのめりこんでいく。長期連載を見越しているので、詳細はしばし待たれよ。
(華麗なる九州~2023年夏、ぐるっと周遊旅~ つづく)