2016年4月9日(土)午前7時32分 滋賀県米原市・米原駅

 隣の加古川行きは221系の6両で、よく考えればかつて大垣から乗り入れた列車である。曲がりなりにも両数が多く、大垣夜行定期運用時においても階段位置からして後方はかなり空いていたものであった。そしてどういうわけか223系が使われた時期もあり、ごく稀に6000番台化される前の225系も使われていた。こちらに乗る場合は近江八幡で抜かれることとなる。
めぐ「次、遠く行くわけじゃないし…。12両どこでもいいんだよね。」
なぎ「そんなぐらいは大体わかる。225狙うんだろ、また。」


 米原の東口は開発途上なのか、空地が目立っている。付近の桜はちょうど満開か、散り始めるかといったところ…。
もも「いや…、こっちに振られても困るっての。」


 これから乗る新快速が入ってきた。とりあえず、前方の8両は223系。そして後方のパンタグラフは、菱型というか下枠交差型というか。225系はシングルアーム型である。


 ということで、後方4両も223系。座席数は225系共々変わりなく、座席そのものも2000番台初期車両まではむしろ造りがよかったりする。モケットは225系のものに交換が進み、この車両も交換済み。



3.米原7:47発→尼崎9:20着 新快速3223M/網干行き モハ222-3041
 大阪地区に路線記号が導入されてから1年が経過し、順次車両側の路線記号も対応が進んでいる。この新快速は今のところ、車両側に反映がされていないようだ。
もも「そんなぐらいさ…。」
めぐ「どこかで見た感じしたんだけど…。」

 とりあえず、余裕を持って座ることのできた旅行班。発車すると…。
めぐ「桜の画とか欲しくない?」
さく「まあね…、せっかくこういう日なんだし。」


 手始めに、付近にあるエレベーター工場と試験塔。


 そして4月上旬らしく、桜の木をできるだけ写真にしておきたい。
なぎ「…いいぐらいか?」
めぐ「…ちょっと写ったし、他もね。」

 タイミングが難しくとも、少しでも写ればひとまずよしとしておこう。


 桜の木が川沿いにある風景は、どこか日本人らしく穏やかな気持ちにさせてくれるもの。この路線自体は何度も通ったものであり、正直なところ新鮮味はない。
めぐ「…あんまりこのあたりでスペースとか、使いたくないかなってもあったんだけどね。」
もも「じゃあさ、桜とかも見て楽しめたらそれでよかったとかって?」
めぐ「それだとなんか、思い出とかなかったみたいになっちゃうかもって。」


 能登川でだいたい座席が埋まってくる。ホームの桜は絶妙な咲き具合を見せてくれた。
さく「…寝てもいいんだけど。」
なぎ「桜ぐらい見せてやれよ。」


 近江八幡を前にして減速し、駅でその要因が濃霧によるものだと知る。朝に霧がかかると晴れだとされ、実際に昨年秋の多治見で霧がかってからはその1日が晴天となった。今日も期待していいだろう。


 野洲が近づき、周辺は住宅街となってきた。ここから本数が増え、通勤路線らしさを見せる琵琶湖線。霧も晴れつつあり、最高速度130km/hの本領を発揮する223系。


 草津で草津線と接続する。幕の色とラインカラーがどうかと思えば、実際には車体色とラインカラーが一致していたという。ここからは複々線の外側を通っていく。車内はそれなりに混雑してきた。


 次の南草津は、いつしか滋賀県内で最も乗降客数が多くなっていた。そんな駅前は商業施設や飲食店が並ぶものの、やはりマンション街である。したがって南草津は、都会とは言い難いのかもしれない。


 発展著しい駅から離れ、しばらくすると開発の及んでいない昔ながらの住宅地となった。やはり桜の木があると、春らしさを味わうことができるもの。メジャーな花見スポットもいいけど、近所の桜には勝らないのかもしれない…。


 大津まで来た。県庁所在地の駅ながら乗り降りは少なく、駅周辺も都会らしさがあまり感じられない。
もも「…どこまで来た?」
めぐ「大津ぐらい。」


 湖西線と合流し、京都に着く新快速。奈良線のホームで工事が行われた様子であったが、見たところホームが拡幅された様子。停車している103系は未更新車が多く、今後何に置き換わるのか気になるところ。


 向日町を過ぎると車両基地が広がる。狙ったのはかつて名古屋に乗り入れた683系で、直流改造を経て381系を置き換えたという289系。しかし実際に収められたのは117系で、中間車両が表に出ているものも。
さく「最初から構えれば?」
めぐ「それだと途中で切れちゃったりとか。」


 高槻は外側に新しく設けられたホームへ。何やら、見慣れないものがホーム上を横切っている。
もも「…これ見たかったってわけ?」
めぐ「一応…。」


 そして、横切っていたロープらしきものが上下する。これはホームドアの変形パターンで、ドア位置の制限がなくなることから採用されたもの。通常は新快速のみが停車としたため3ドア用の装置で間に合うところ、一部の特急『はるか』が停車するようになったため採用されたのだろう。


 ロープが下がると発車となる。ホームにはロープ昇降装置が存在感を示している。駅名票も貼り付けられ、小さめながらもなかなかよく出来ているもの。
もも「…それでどうしたってのよ?」
めぐ「なんか、いいでしょ。」

(つづく)