2023年3月20日(月)午前11時56分 新潟県南魚沼郡湯沢町・越後湯沢駅

13.越後湯沢12:16発→水上12:56着 普通1732M/水上行き クモハE129-126
 水上へ向かう普通は新潟地区の新たなスタンダード、E129系の2両で入ってきた。

 車内は結構乗っているようだ。ここは乗車時間も1時間以内であることからボックスをあきらめ、車両半数を占めるロングシートに座ろう。とりあえずワンマンではないらしい。

 

 よくよく考えれば3月後半だけあり、平日ながらも春休みの青春18きっぷシーズン最盛期だったり。ならば混雑も仕方なかっただろう。越後湯沢では20分停車し、発車を迎えた。


 しばらくは複線で、雪山の近い雪原らしい風景を進んでいく。


 越後中里を前にし、かつて活躍したであろう客車が多く並んでいた。周辺を見たところ、どうやらスキー場施設の一部として使われているようだ。


 越後中里まではわずかに本数が多くあったところ、いよいよ本数の極めて少ない区間へ。ここまで複線で並行してきた上下線は、険しい山岳の地形に合わせてか分かれていく。この向きに進んでいくのがかつて単線だった旧線で、この先ループ形状を有していると…。


 ピークはもっと先らしいようで、やがて上下線が合流。停車した土樽はかつての待避線をつぶし、かつての通過線に改めてホームを設けたような相対式形状となる。並行する高速道路は関越トンネルを前にして、冬季にはタイヤチェックが行われる。

 そしていよいよ"国境の長いトンネル"へ。先述しているようにこちらが古来からある線路であり、しばらく上下線が分離している。両者は当分、互いの姿を見せない。


 トンネルを抜けて群馬県に入っており、土合のホームは古来からあったこちらのみが地上にある。

 

 反対向きの線路は"もっと長いトンネル"を通っており、駅も地下深いトンネル内にホームを有していることで有名だ。


 湯檜曽にかけて谷川岳を下り、最大の見どころであろうループ線へと進んでいく。


 やがて直下にループしてきた線路を見下ろす。手作業で高低差を何とかしようとした先人たちの知恵が、ダイナミックな景観となって現在に至ったのだ。加えてかつては単線だったことから、ループを登っていく様子もまた見どころだったかもしれない。


 湯檜曽に停車して後ろから見れば、先ほど通ってきた線路を見上げられる。発車すると上下線が合流し、逆向きは駅を前にして"もっと長いトンネル"へ突き進むこととなる。ここまで来れば、周辺に雪はもう見られない。


 そんな上越国境を越えてきたE129系は、ドア上に外付けで広告用の液晶画面が設けられていた。車内案内装置そのものはLED式で、首都圏などの一般車両と同じ自動放送も流れている。


 越後湯沢を出てから40分。到着した水上は2面3線式のホームとなっており、さらに南下するための乗り換えは階段を介することとなる。


 高崎地区では蒸気機関車牽引の臨時列車が旧型客車と共に運行され、水上にも乗り入れてくる。このため駅名標もレトロ風にデザインされたものとなった。


 階段移動に使った跨線橋は結構狭い。また階段移動を要したことで車両共々、現代の"国境"らしくなっている。ということで、今回はここまで。この続きは近いうちに…。

(2023年春の直通探訪記 つづく)