2023年4月6日(木)午後4時43分 愛知県知立市・知立駅
知立の駅周辺は建物が雑然とあり、駅前広場にある柱でもこの高架駅工事を促進するよう主張していた。駅前広場はバス,タクシー,一般車両が、それぞれ干渉しないようにしていることもあり狭苦しい。
駅前広場から隣接するように道路が通せるよう、開口部が設けられコンクリート舗装も施されている。雑然とした建物群も、今後は再開発という名目で姿を消すかもしれない。
そんな駅周辺の再開発により、新しく商業ビルや高層マンションが建てられた。飲食店はビル内外を合わせて居酒屋など、それなりに多いようだ。駅に面して工事用フェンスや仮設コンテナハウスなどあり、工事が軽沿い区的に続けられることを暗に示されている。
そして新しい高架駅の姿は、宮殿というのか魔王城なのか。隣の再開発ビルで換算すると6階建てにも相当し、名古屋本線のホームが20m級8両に対応するために(私鉄駅として)巨大化している。仮設駅舎は継続使用されるため、その全容はまだ見せていない。
駅舎が現状のままであるため、改札外にあるコンビニ売店や遍照院(三河三弘法)の遙拝所もそのままとなる。その奥を見ればさらに開口部があり、もう少し工事が進むとまた姿を変えることだろうと…。
券売機は最新式のモノになっており、特別車の座席位置を完全指定して購入できるようになっているほか。特別車の乗り継ぎ指定にも対応する。定期券購入は継続のみ対応するため、多くの新規購入客は窓口に列を成していた。
改札を入って通路へ進めば、これまで直接6番線に通じていたところが折れ曲がっている。
掲示物には1959年に現在地へ移転した当初の写真があった。やや高かったホーム屋根はその当時からあり、工事の始まる直前まで50年ほど使われており。合計3面5線式のホームなど駅設備そのものが、昭和中期らしい雰囲気を保っていて好きな駅だったといえる。
通路を抜けると高架ホーム下、1階にある"大広間"となる。こちらも仕上がっているのは床面ぐらいであり、天井周りや壁面などは仮設らしくフェンスで囲われていた。2階へのエスカレーターは上下別に位置を変えて設置。
改札と"大広間"を結ぶ通路の開口部は、階段やエレベーターに面して設けられた。現状では2階の8番線ホームや3階を介して、2~5番線の各ホームへ向かうこととなっている。エレベーターならば1階から3階まで直に結ばれるのだが、移動距離が長くなっていることは否定できない。
名古屋本線の名古屋方向となる5番線から、高架工事で使われなくなった6番線を見る。2023年4月上旬時点でホーム屋根や床面、エレベーターや待合室などは残っており。照明器具や壁面は順次外されていた。
残っている発車案内も点灯することはもうない。短期使用ながらも入念に準備され、使用終了後も残っていた階段通路もとうとう解体される。
仮設ホームのうち4~6番線は既存ホームの土盛を活用しており、仮設らしからぬ"土台"らしくあった。今後は仮設構造物を解体した後に崩され、先行移動した豊橋方向に見守られつつ高架構造を建ち上げていく。
4階のホームも一部は形になっており、5番線から見上げるように工事風景を眺めることとなる。宮殿やら魔王城やら例えつつも、現状は"びんぼっちゃま"に甘んじている知立の高架駅。次に変化が起こるのは名古屋本線の名古屋方向完成時で、2025年頃の予定だ。
一方で仮設駅となった当初から、新規で設けられていた2・3番線。三河線専用となるホームは10年以上使用されることとなり、仮設らしからぬ強固な構造でも納得と考える。発車案内をよく見ると全面的にカラーLEDとなっており、こちらも長期使用を見越しているのだろう。
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現状で3番線はほぼ使用されていない。今後は工事の進捗によって、三河線が1面2線のみ使用されることとなるかもしれないだろう。やがて名古屋本線は高架ホームへ全面移行。さらには4・5番線ホーム部分が空くことから、そちらへ出入口も設けられることも…。
(名鉄知立駅第1期完成披露 おわり)