めぐ「愛知県知立市。尾張の国と三河の国、その境目に近く名鉄名古屋まで特急で約20分。そんな交通至便な地にある知立駅は、ある問題を抱えていました。それは何…?」

2023年4月6日(木)午後4時20分 愛知県刈谷市~知立市

 名鉄名古屋本線を東に向け、一ツ木を出てから少々したところ。2月は手前で右へそれていたところ、3月21日からは新しく完成した高架橋を上がっていく。三河線へのアプローチは残されているため、分岐器が設けられた。


 新しい高架橋は複線分と、さらに分岐して上がっていく箇所が完成している。名古屋本線は若干下るように、中層部へ進む。


 ということで、今回は知立の新しく完成したホーム。とりあえずは豊橋方向のみ、1面1線としている。線路に面していないほうは、仮設の工事用フェンスで閉鎖されていた。


 待避線を先行で開通させ、もう1線分も構造そのものは既に完成している。さらに駅部分を除けば、名古屋本線は両方向共に高架橋が仕上がっていた。


 工事用フェンスから手を伸ばせば、越した先に地上の線路を収めることができよう。今後は反対側の高架ホームとなるだろうし、三河線もやがては高架ホームへ移行することとなる。こんな線路を見下ろすことも今しかできない。


 そんな新しい知立の高架駅は上下2層でホームが設けられ、その途中となる3階を"踊り場"とし。階段やエスカレーター、エレベーターで上がることとなる。ガラス面が大きく取られており、オシャレで開放的だ。


 もう少し、2階の新しいホームを見ていこう。完成したのは8番線となり、名鉄では史上初となる。また現状は7番線に点字ブロックが敷かれていない。


 構造物が多層にわたるため、重厚な雰囲気とさせてくれる。工事は現状も進んでいるので、工事用フェンスが多く目立つ。


 名古屋方向も見ておこう。完成形は名古屋本線だけでも2面4線となり、まさに主要駅そのものとなろう。待避が可能となるため、ダイヤ編成もより多様性あるものが可能となる。


 待合室は空調があり、快適に過ごすことができそうだ。ガラス面を多用させたエレベーターは、現状でも1階から3階まで直通する。


 3階へ上がってきた。こちらもエレベーターや床面など新しくも、天井周りや壁面などはまだ未完成らしい。


 ガラス面が大きくとられた3階の壁面からは、2階ホームを豊橋に向けて眺められる。この角度からは永続的に見られることから、工事風景や進捗などを定期的に見ていくこともいいだろう。


 4階へ上がる階段も早々に用意されていた。上層のホームはまだ使用しないことから仮設フェンスでふさがれており、3階も奥のほうへは入れないように柵が置かれている。


 3階から続く仮設の跨線橋へ進もう。仮設の壁面にある開口部からは仮設らしく、デザイン性も何もないコンクリートの床面と金属そのものの構造物でできている。こちらはどうも仮設駅となった当初から存在していた空間らしい。


 3階の仮設跨線橋からも豊橋方向と、三河線の線路を眺められる。こちらは4階の構造物がないことやそもそも仮設構造物であることから、遅くとも名古屋本線の構造が完成するまでしか見られない。


 名古屋方向の線路も眺め下ろそう。高架橋そのものは、駅部分を除いた名古屋本線が完成している。仮設跨線橋から構造物で遮られない風景を見られるのも、あまり長くない話だろう。


 今回完成したのは名古屋本線の豊橋方向のみであり、それ以外のホーム設備は継続使用される。仮設跨線橋も下へ降りる階段が用意されるほか、エレベーターも同様に1階から3階まで直通している。


 仮設跨線橋の2階はこれまでも使われていた空間であり、3階と同じく無機質な造作をしつつも特に床などは使い込まれた印象。先日まで使われていた6番線への動線は仮設フェンスでふさがれるほか、係員が案内すべく立っていた。


 既存のホームから見る様子は後に回し、南改札口から出ていくこととしよう。こちらは一連の仮設構造物でも初期から使われたこともあり、手垢などの付けられ方がより一層なもの。エレベーターも当然ながら使われている。


 階段を下りたところに南改札口はある。こちらは一連の高架工事に合わせて、仮設構造物として初めて設けられたもの。工事の始まる前は存在すらしていなかった。


 南改札口は無人化されており、窓口にシャッターが下りているなど"格下げ感"は否めない。自動改札は3通路あり、幅広い1通路が遠隔操作に対応。こちらの券売機は2つ設けられている。


 ということで南口の駅舎は仮設らしく無機質ながら、なかなか造りがしっかりしている。こちらが設けられたことにより、南側から駅への出入りに生じたとある制約がある程度解消された。


 何よりの制約となっていたのが、知立駅近くの2路線を跨ぐ踏切である。合わさると閉鎖時間は相当なものとなり、以前は加えて南口もなかったことから影響が多大であったのだ。


 踏切自体は三河線知立1号と、名古屋本線の牛田6号に分かれている。歩道用は両者が別で作動しており、ちょうど名古屋本線では一宮行きの急行が入ってきたところ。歩行者などは係員常駐の下、間の箇所で待つことができた。


 車道は間の箇所で停止できないことで一体的作動を余儀なくされ、閉鎖時間がより長大なものとなる要因に。しかもこの道はかつて国道419号であった。

(つづく)