2023年2月11日(土)午前10時16分 愛知県あま市・木田駅

 20年前のこの日、すべての旅行企画につながる第1歩を踏み出した。当時は曇りから雨模様となったのだが、20年を経た今日は雨上がりの晴天となっている。名鉄電車で始まった20年を象徴するように、今回も最初の名鉄電車からスタートする。



(S)まる乗り1DAYフリーきっぷ(名古屋鉄道) 3200円
 当時とは異なるがフリー切符を使うこととしよう。このフリー切符は通年販売されるもので、日中(10~16時)は特別車も座席未指定で利用可能なのが特徴だろう。今回は券売機を用いてICカードで購入したが、そもそもこのフリー切符自体が2005年3月以来だったりするのだ。


1.木田10:25発→須ヶ口10:33着 普通/吉良吉田行き 6451
 20周年記念企画の最初を飾るのは6500系初期車両であった。この普通は名古屋から急行となり、この日の予定行程では2回乗ることとなっている。乗客は結構多く、当時と同様に立ったまま移動。

 須ヶ口で急行に乗り換えるところ、6両にしてあちらも混雑していた。



2.須ヶ口10:37発→知立11:17着 普通→急行/吉良吉田行き 6401
 急行に乗り換えず、そのまま普通に乗り続けることとした。当時乗車した2ドア車両はすでに現存せず、このタイプであれば前面展望も無着色ガラスで可能ということだ。須ヶ口からは先頭部で景色を見ていこう。


 新川橋は当時河川等の工事が進められており、外側の仮線に設けられたホームはまさしく"橋"にあった。


 二ツ杁は2面2線に通過線という、新幹線に多いホーム構成となっている。津島線から来た普通は須ヶ口での種別変更を問わず、この二ツ杁で待避するのが定着していた。ここから先、当該の急行(準急)は途中待避を行わない。


 西枇杷島を出て少々すると犬山線が合流してくる。庄内川を渡って名古屋市に入り、栄生まで来ればもう大都会だ。


 名古屋から急行となる。栄生から入った地下トンネルが長かったのに対し、山王へ出る地下区間は短い。


 神宮前で乗務員が交代。1区間だけ複々線の外側を進んでおり、内側を進んでいた常滑線と別れていく。次に停車する堀田はすぐ近い。


 堀田からは急行らしく通過駅を飛ばしていく。名古屋市内は線形があまりよろしくないので、速度そのものは100km/hに満たないなどそこまで高くなかったり。


 鳴海も高架駅となり、地上にあった当時の様相などすっかり思い出せなくなっている。当時は2面4線でこそあったものの現在と異なり、よくある内側に通過線を設けた方式であった。


 有松,中京競馬場前と、相対式ホームながら造りの豪華な駅を通過。もっとも中京競馬場前については開催日などの需要が多く、急行のみならず快速特急が臨時停車することはある。


 前後はまさしく20年前、名古屋方向の待避線が完成間際であった。2003年3月以前はこれまで一部急行が通過していたところ、このダイヤ改正で全て停車するようになった。


 津島線から吉良吉田へ直通する急行が、豊明に停車するようになったのは2008年末からとなる。名古屋市内も抜けて線形がよくなり、いよいよ最高速度まで上げていく。


 一ツ木を通過すると知立はそろそろ。高架工事が進んで駅への"アプローチ"が完成し、豊橋方向は線路も敷き終わったようだ。線路の切り替えは3月21日を予定している。


 須ヶ口から知立まで結局、前面展望を40分味わってしまった。そんな知立の仮通路は比較的短いスパンで位置を変えており、豊橋方向先端部にあった階段も1年強しか使われていない。


 仮設とはいえ工期も長くなることから造りは頑丈らしく、特に既存から流用したホームの基礎が土盛構造だったことから印象を覚えたのだろう。階段はやはり鉄骨製で、踏み込む際の音や振動が伝わってくる。


 かつての豊橋方向ホーム跡地に高架構造が組まれ、豊橋方向の高架ホームとなる。2023年2月中旬時点で形は概ね出来上がったようで、あとは内装工事やエレベーターぐらいだろうか。高架駅の完成形は2層構造となり、上下それぞれに2面4線ずつという大規模なものとなるようだ。


 駅部分を除けば、下層部となる名古屋本線は両方向分とも高架で構造が完成。上層部となる三河線も、名古屋方向からの"アプローチ"が形になってきている。一方で三河線本体の工事はまだ時間を要するらしい。

 ということで、そろそろ知立を出る時間だ。次に来ることがあれば、豊橋方向が高架線路へ移行した3月下旬以降になるだろう。

(つづく)