2023年1月9日(月)午前10時18分 岐阜県下呂市・下呂駅
名古屋から91分+3分かけて下呂に到着。新車だけあり、車体側面にある行先表示のカラーLEDが美しい。
高山を経て、富山に向け発車していった。するともう次の改札が始まるようで、放送がされる。ホームは2面3線ながら、駅舎(改札)に面した1番線を主に使用している。
ということで今回、せっかくの下呂温泉を滞在10分。全く何もすることなく後にすることに…。
(現)JR自由席特急券:下呂→名古屋 1860円
さて下呂の駅に自動改札はなく、列車別に改札が行われる。並ぶ列が長くなっているようで、動線が安定しない。改札の上にある発車案内は液晶画面式となっていた。
ホームの向こうには温泉旅館、そして温泉街。いずれは温泉旅館でゆっくり過ごすという、旅行計画もあるのかもしれない。
4.下呂(10:27)10:30発→名古屋12:04着 特急ひだ6号/名古屋行き キハ85-205
名古屋へ"とんぼ返り"すべく、復路に選んだのは従来型気動車。この便も富山始発であり、高山で増結した編成が含まれるためそこそこ長い。自由席はやはり1両ずつとなり、双方に分かれている。
1号車は後期型の先頭車両で、貫通型ながら前面展望が利く。指定席共々多くの乗車があったものの、適当に通路側ならば何とか座ることができた。1段高く設けられた座席は、前後感覚がやや狭く感じられた。
往路の電気駆動式と異なり、復路は長らく親しまれてきた液体変速式。こちらは最初から最後まで、2基搭載されたエンジンで動く。加速力の強い音は何度聞いても飽きが来ない。
飛水峡を含めた飛騨川流域一帯は、飛騨木曽川国定公園区域の河川公園とされる。復路もやはり信号場で停止することなく通過。
美濃太田で少々の下車があり、窓側から写真が収められるようになった。5号車から8号車の間にドアがないようなので、高山で連結した編成が1号車から5号車。富山からの編成は8号車から10号車となり、合わせて8両となる。
飛騨川と木曽川が合流し、ヨーロッパのライン川に見立てられ『日本ライン』と呼ばれる。こちら向きにはまさしく下っており、かつては『日本ライン下り』が運行されていた。
犬山城を見つつ、名鉄(各務原線)と並走する。鵜沼からで名古屋あれば、犬山を経て短絡するように名鉄(犬山線)がある。この特急は通過したが、鵜沼で乗り換えるという手もあると思う。
東海道本線の高架橋が見えてくれば、こちらも高架橋へと上がって岐阜に停車する。復路も下呂からここまで交換待避をすることなく、美濃太田に停車するだけで進んてきた。
岐阜でもそこそこ降りていった。ここで進行方向を変え、東海道本線は名古屋まで後ろ向きに進んでいく。車内の自動放送はHC85と異なり、乗務員が手持ちの端末を用意して流す簡易方式らしい。
木曽川を渡って愛知県へ。岐阜までにくぐった東海環状自動車道を、名鉄(名古屋本線)と並走しながらまたくぐる。往路と同様、尾張一宮は通過。
稲沢を通過し、駅前の豊田合成記念体育館『エントリオ』に人だかりができている。晴れ着姿が多いとなれば"成人式"だろう。成人年齢が引き下げられ、今後諸問題も起こることから『成人の日』をどうすべきかと…。
すると"ワイドビューチャイム"が車内に流れ、名古屋に到着する放送が流れてきた。新幹線のみならず在来線もJRだけで3路線に分けられ、乗り換え案内も長くなるのだ。
下呂からおよそ94分。最大で5分遅れていたところを定時にまで回復し、名古屋の4番線に到着した。ここからはそのまま回送となる。
1両単位で増結可能なことも、従来型気動車の特徴だったのだろう。貫通型先頭車も流線形をなしているが、運転台と"壁"が面しようとお構いなし。見た目を気にしない"変態"ぶりも、そろそろ見納めだ。
ということで、乗り比べた感想を少々。従来型の気動車は強力な2エンジンで、電車さながらの加速力を実現させていた。やはり気動車らしい力強さを感じて、しっかり走っていると思わせてくれる。座席は1段高い分、眺望は利くことだろう。
対して新車は1エンジンを発電や充電に使用し、電車と同様にモーターで動かしていた。性能そのものは2エンジン搭載の従来型気動車と変わらず、東海道本線では最高120km/hを出す。体感は北海道のH100共々まだ不慣れなので、もう少し味わえるには時間が欲しい。
側面窓は"ワイドビュー"から引き継がれるように大きく、側面展望は全く問題ないだろう。ただ機器類の配置があり、前面展望は全くといっていいほど利かなくなってしまった。可能ならばもう1面液晶画面を設けて、車載カメラ映像用としても面白そう。
ということで前半、気動車特急の乗り比べは以上となる。昼食をはさんだ後半は、木曽路へと向かおう。
(つづく)