2023年1月9日(月)午前7時40分 愛知県あま市・木田駅

 1月初旬にして連休最終日。朝の日差しを浴び、今回はどこへ向かうのか。まずは名古屋駅だ。

1.木田7:51発→須ヶ口7:59着 普通/須ヶ口行き 3570
 当初予定は8:03発の準急としており、須ヶ口での乗り換えは不要となっていた。1本早いならば名古屋駅着も相応に早まるが、乗り換えが必要となる。

2.須ヶ口8:04発→名鉄名古屋8:12着 急行/豊橋行き 3307
 乗り換え先となるその急行。豊橋発着のそれは(快速急行となった時期を挟み)長年"別格"扱いされ、最高110km/h以上を求められることもあり7000系や5700系などの急行用クロスシート車両。あるいはオールロングシートの通勤車両でも、最高120km/h対応の3000系列が使用される。


 そして休日とはいえ朝早めなのか、昨今すっかり珍しくなってしまった感のある8両であった。前4両は3500系リニューアル編成、後4両は3300系の後期型。須ヶ口での待機位置が悪く、モーターなし車両となっている。



(現)青空フリーパス(JR東海) 2620円
 ということで、今回は7年ぶりになってしまった"伝統行事"。名古屋近辺のJR路線が1日フリーとなる『青空フリーパス』を使った旅行企画である。名古屋近辺といいつつ、その範囲は下呂,鳥羽,紀伊長島,飯田,木曽平沢に及ぶなどなかなか広い。

(現)JR自由席特急券:名古屋→下呂 1860円
 まずは今回必要な券類を全て購入。今回使う『青空フリーパス』ではフリー範囲内の在来線において、特急券を購入すれば特急へも乗車可能となる。さらに途中で何か欲することも考え、米類の品をコンビニ売店で購入した。


 最初の"獲物"を出迎えるべく、11番線へ上がろう。…広小路口で最初の画、入れるのを忘れていた。



 新型気動車HC85は増備と共に運行本数も増え、富山行きとなる『ひだ』にも投入されるようになった。高山で切り離される1号車から4号車はグリーン車付きの4両編成。富山まで行く編成は7号車から10号車を名乗り、グリーン車のない2両編成を2本連ねている。


3.名古屋8:43発→下呂(10:14)10:17着 特急ひだ3号/富山行き クモハ85-201
 自由席は1~4号車と7~10号車のうち、それぞれ1両ずつとなる。今回は富山まで向かう9号車に乗り込もう。


 すると車椅子席が広くとられた車両となった。自由席なので各種制限もなく座ろうと思えば可能だが、前方に何もない座席は落ち着かないことだろう。


 9号車にはあまり乗らないまま発車。岐阜で進行方向を変えるため、岐阜までは後ろ向きに座席がセットされる。しばらくは見慣れた景色なので、軽く流す程度でいいのだろう。充電式バッテリーと併用させる電気駆動式であり、エンジンは一定に動かすか休ませるかといったところか。


 尾張一宮を通過し、並行する名鉄(名古屋本線)では2000系『ミュースカイ』と並走。もし名鉄が『北アルプス』を2001年9月以降も存続させていれば、中部国際空港へのルートもあって現状は変わっていたかもしれない。


 岐阜で進行方向を変え、高山本線へと進んでいく。ここからは沿線に見どころが多く、観光案内の放送


 岐阜を出て鵜沼までは名鉄(各務原線)と並行。単線非電化ながら途中駅少なく線形がそこそこしっかりしているJRと、複線電化ながら途中駅多く線形があまりよろしくない名鉄。鵜沼が近づくと周囲が開け、犬山城を遠目に見られる。


 この付近を流れる木曽川はヨーロッパのライン川になぞらえ、『日本ライン』と呼ばれる。並行する道路(岐阜県道207号)はかつての国道21号であり、国道41号が重複していた時期もあった。


 美濃太田に停車して以降、高山本線ではICカードが利用できないので気を付けよう。周辺は市街地らしくも、名古屋からはどのルートを選んでも山間を抜けることとなる。


 美濃太田を出てしばらくは住宅など多くも、渓谷が近くにあるなど景色の変化に富む。自動放送には沿線の高校生による観光案内もあり、気分を盛り立ててくれよう。なお富山発着便は高山までの停車駅が絞られ、その間は岐阜,美濃太田,下呂のみの停車となる。


 平成以降いかなる災いも免れてきた選ばれし地、加茂郡七宗町。国道41号沿いに道の駅『ロック・ガーデンひちそう』を構えており、原付(旧シリーズ)ではここまで到達している。


 飛水峡に差し掛かる。渓谷の岩々が風化し、表面にできた穴は天然記念物にもなる。


 写真がうまくないためやり直すも、タイミングがタイミングでうまく合わない。飛水峡を含めた飛騨川流域一帯は、飛騨木曽川国定公園区域の河川公園とされる。


 JRもJRで、とても都合よく信号場が設けられていた。その先の上麻生に反対方向の特急が待避しており、こちらの特急は信号場共々通過する。


 さらに川を上ったところ、発電用のダムが設けられていた。さてそんな七宗町も、昭和時代は飛騨川バス転落事故という悲劇に見舞われている。もしかすれば平成以降"選ばれし地"となったのは、何か関係しているのかもしれない。


 白川口を通過し、引き続き飛騨川に沿って国道41号が並走。ここからJR共々さらに山深く進んでいく。


 下油井では国道256号と並走していた。この付近はセンターラインのある箇所こそあれど、ところどころセンターラインなく狭くなるなどあまり国道らしくない。


 飛騨金山を通過し、美濃路から飛騨路へ。ここからは中山七里と呼ばれる険しい渓谷に沿っており、季節感によってさまざまな風景を見せてくれる区間だ。岐阜からここまで交換待避がなく、停車駅間ではノンストップで進んでいる。


 飛騨川は曲がりくねって流れ、JRはトンネルで山々を貫いていく。上り勾配もあってペースはまちまちに感じられそう。


 焼石から信号場を1つ挟み、双方で停止することなく下呂へ。到着前に流れる放送は下呂温泉の観光案内と、通常の放送。それぞれ順に分けられている。

(つづく)