2015年5月23日(土)午前10時22分 浜松市天竜区・中部天竜駅周辺
静岡県道291号 中部天竜駅(浜松市天竜区)←→中部(浜松市天竜区)
橋を渡ろう。片側1車線幅しかないながらも、両側に歩道を備えている。
さく「本当、今この時点で列車乗ってる扱いなんだよね?」
めぐ「一応…、そういうことにしておくけど。」
中流部らしい川と山々という、魅力ある田舎らしい組み合わせ。旅行班好みともいえる風景。
ワイドでもう1枚。
めぐ「…なんだろうね?」
もも「…わかんないなら無理して言わなくたっていいの。」
送電線と鉄塔があるので写してみる。この近くにはダムと発電所がある。
さく「それ写ってる?」
めぐ「…ちょっとよくわからない。」
国道473号と県道1号が交差。国道473号は愛知県と静岡県を結んでいるものの、国道1号などと比べてかなり山沿い迂回する形で通っている。国道らしからぬ狭い道もあるとか…。
県道1号は愛知と静岡、そして長野の3県にまたがっている。この3県の組み合わせもさることながら、道自体もなかなか曲者だとか。
なぎ「こういうのとかもか?」
めぐ「結構ね…。」
そしてこの交差点は中部と書いて"なかべ"と読む。では戻ろうか。
なぎ「…おかしかったわけだ。」
もも「何が?」
なぎ「中部天竜って駅名。」
同じく、両端に歩道の設けられた狭いアーチ橋を渡る。
めぐ「この川って上流どっちだっけ?」
もも「そんなもん帰って調べりゃそれでいいじゃないのよ。」
清らかな川の水面、そして流れる音。目からも耳からも、自然の癒しを感じられる。
なぎ「ひょっとして…、この飯田線の1本だけで2回分とか?」
さく「あるかもね。まだまだ景色いいとことかあるし。」
(※以下、2022年9月追記)
さて実は中部天竜駅から国道473号へ続くこの道、調べて出てきた2点があった。1点目は静岡県道291号であり、その名を『中部天竜停車場線』という。
2点目は、この橋が元々鉄道の鉄橋であったということ。これは佐久間ダムの工事に際して引かれ、資材運搬等に用いられた廃線跡という。佐久間ダムは発電を行うほか、付近に佐久間周波数変換所を有する。日本の東西で電力は異なる周波数となっており、現在に至るまで重要な役目を果たしている。(※以上、2022年9月追記)
そろそろ発車の時間なので、中部天竜の駅前散策はおしまい。乗り込む列車は豊橋から乗ってきた列車で、もちろん213系。
16.豊橋8:10発→天竜峡12:10着 普通511M/天竜峡行き クモハ213-5011
ここからはさらに列車本数が少なくなり、ワンマン運転を行わない区間となる。213系は元からワンマン運転に対応していない。次の佐久間までは歩くことのできるほどの距離しか離れていなかった。
さあ、早くも飯田線で忘れていけないポイントが近づいてきた。
めぐ「…どこだっけ?」
もも「…わかってるんじゃないの?」
めぐ「よくはわからないけど。」
313系共々、モーター付き車両は後ろの車両となる。旅行班の傾向としてモーター付き車両を選んでしまうため、豊橋から飯田へ向かう場合は前方の景色が見えないことになる。
さく「…これそうじゃない!?」
"渡らずの鉄橋"こと、第6水窪川橋梁である。工事の際に周辺の地盤等を考慮した結果、このような鉄橋が架けられたという。JR東海の車両は総じて前方の窓が大きくとられているため、後方から景色を眺めることができる。
もも「本当、見たかったからってゾロゾロ後ろ行っちゃうなんてね…。」
さく「後ろしかないもん。仕方ないよ。」
向市場は駅舎も何もない、単式ホームの無人駅。
さく「…ってか、前の人景色見ないでタブレットとかでいいのかな?」
もも「アンタらみたいのだけじゃないんだし、いいんじゃないの?」
水窪で特急を待つため、少し停車時間がある。隣の方々から聞こえた話によると、奈良の最長距離路線バスに乗るというツアーがあるらしい。一般客に配慮すべく、20人ほどのツアーになるんだとか。
もも「バス好きなんだし、どうなの?」
めぐ「高速通らないっていうし、…そういうのはあんまりなのかな?」
特急は反対側、伊那路2号の豊橋行きだった。戻ったところで発車し、話の続き。ほとんど同じ内容のツアーでありながら、2万円ほどの価格差があるというものがあるそうな。やはり安いツアーは宿とかもそれなりのものだとか。これも同じ会社のツアーである。
もも「だってよ。」
なぎ「まあ…、私らって基本できるだけ安く楽しもうってのだろ?」
さく「そうそう、今日だってあんまりお金とか使わない方向でね。」
もも「…まあ、アンタらにパッケージのツアーなんか無理よね。」
大嵐は島式ホームを持つ。愛知県最北の村にして、日本一人口の少ない村であった豊根村富山地区へはここが最寄となる。
めぐ「…1回行きたいかもね。」
もも「…別に今降りたっていいじゃないのよ。」
さく「今日はもう決めちゃってるし。」
その次の小和田もかつては相対式ホームであった。3県にまたがる秘境駅として有名であり、大嵐とセットで覚えておきたい。先ほどの方々はここで降りるようだ。
もも「こここそどうなの?」
めぐ「たぶんないよ。」
もも「…アンタらのそういうとこ嫌い。」
豊橋から賑わっていた車内はようやく静かになった。進行方向右側は木々に阻まれて景色が見えなくなった。
めぐ「帰りはまた右狙いなのかな?」
もも「…そんなの私が決めることじゃないわよ。」
なぎ「前とかも見れるだろ。」
中井侍から長野県に入る。右側の切り立った斜面に沿う形で単式ホームがあり、周辺に人家は見当たらない。ここまで3駅をセットで覚えておいたほうがいいのだろう。そんな秘境駅の数が多いのも飯田線。観光列車として『飯田線秘境駅号』なる列車も運行されている。
特急停車駅である平岡の駅自体は無人駅ながら、温泉を併設している。
もも「結局左もやっちゃって…。」
なぎ「まあ空きまくりなんだしいいんじゃないか?」
そして忘れてならないのが、単式ホームが崖に張り付く形となっている田本。こんなところに人家などあるはずもなく、生活利用もほとんどないためかごく一部の普通は通過する。ここもいわゆる"秘境駅"。
(つづく)